投機マネーの続き。さらにいろいろ調べていると、昨年6月21日に「朝日新聞」に「世界の家計の資産1京円」という記事が載ったことが分かりました。さっそく縮刷版で確認しました。
これは、あくまで「家計」が保有する金融資産のみ。で、金融資産というのは預金や株式、債券などの資産で、土地は含まれません。
合わせて、この記事からは、いろいろ興味深いことが読み取れる。
- 金融資産100万ドル以上を持つ富裕層は、世界全体では1120万世帯。これは全世帯の0.8%だが、この0.8%が資産総額の38%を所有している。
- 日本の富裕層は123万世帯で、全世帯の2.5%。この2.5%が全資産の約2割を保有しているという。
ということで、貴重な資料なので貼り付けておきます。
世界の家計資産1京円 預金や株式金融危機前と同水準に
[朝日新聞 2010年6月21日]
世界の家計が持っている金融資産は、2009年末に前年よりも11.5%増えて111.5兆ドル(1京260兆円)となり、米金融危機前の07年と同じ水準まで回復したことが、米コンサルティング大手のボストンコンサルティンググループ(BCG)の調査でわかった。株武市場の急回復が主な要因だ。
金融資産は預金や株式、債券など。土地は含まれない。
成長が著しかったのは、日本を除くアジアで、家計の金融資産は前年より22%増の17.1兆ドル(1570兆円)となった。日本は3%増の14.9兆ドル(1370兆円)にとどまり、07年の15.1兆ドル(1390兆円)に届かなかった。最も富が多いのは欧州。ギリシャの財政危機をきっかけとした欧州の経済不安前のデータだが、8%増の37.1兆ドル(3410兆円)だった。北米は15%増の35・1兆ドル(3230兆円)。
金融資産100万ドル(9200万円)以上を持つ富裕層は、全世界で前年より14%増えて1120万世帯になった。富裕層は全世帯の0.8%に過ぎないが、資産総額の38%(前年は36%)を握り、BCGは「富の集中が少しずつ進んでいる」としている。
富裕層を最も多く抱えているのは米国で471万世帯。次いで日本123万世帯、中国67万世帯、英国48万世帯、ドイツ43万世帯。
日本の富裕層の世帯数は前年より6%増えた。全世帯に占める富裕層の割合は2.5%で、全資産の2割を持っている。
全世帯に占める富裕層の割合は、シンガポールが11.4%で最も大きい。これに香港8.8%、スイス8.4%、クウェート8.2%と続く。金融に力を入れる欧州やアジアの国や地域、中東の産油国が目立っている。
BCGは「今後5年間、世界平均で年6%のペースで金融資産が膨らむだろう。とくに日本を除くアジアは、平均の2倍のスピードで富を増やしていく」とみている。(江渕崇)