沖縄防衛局長「講話」事件で呟きました

昨日、今日と、沖縄防衛局長の「講話」事件で呟いたこと。

問題は、防衛省が「調査」と称して、問題ない「講話」を作文し、「違法行為はなかったが、誤解を与えた」として防衛局長更迭でことを収めようとしているおり、文字どおり省をあげての「口裏合わせ」「証拠隠滅」が進行中であること。防衛省による「調査」を直ちにやめさせて、聞き取り内容を全部公表させ、国会の場で徹底した事実解明をおこなわなければならない。

日曜日に、勤務地とはまったく違う地域で、「しんぶん赤旗」を配っただけで犯罪とされたのに、局長が業務命令で宜野湾市在住職員だけでなく同市在住者を親族等にもつ職員のリストを作成して、業務時間内に仕事として職員を集め、親戚などに働きかけるように話したことが「違法行為はなかった」で終わらせることなど、絶対に許されない!

日本の民主主義の根幹が問われているのだ! 安易な幕引きや「政局」的駆け引きで終わらせてはならない!!

まず、これが昨日呟いた分。

  • 特定候補への投票指示してなければ「やってない」と明言するはず。「現段階では申し上げられない」としか言わないのは認めたも同然。あとは言い逃れ策を考え中というところだろう。 Reading:NHKニュース 防衛局長 “結果的に迷惑かけ反省” http://nhk.jp/N3zu6Zt9 posted at 00:07:42
  • というか、逆に、宜野湾市民の中で「親戚で防衛局勤めの○○さんからさー、局長に言われて電話してんだけどさー、△△候補に投票してもらえないかなって電話があったさー」と証言する人がでてくれば、一発で片づくんだけど。 posted at 00:23:28
  • 昨日の共産党・赤嶺政賢議員による沖縄防衛局長の選挙「講話」問題。各紙朝刊は1面で大きく取り上げているが、その中で朝日新聞だけが第2社会面で2段見出しの扱い。政治面トップの記事でも触れているが、見出しは「田中防衛相フラフラ、答弁棒読み・訂正・平謝り」。朝日新聞の共産党嫌いも極まれり posted at 12:27:05
  • RT @yoyoshimata: 朝日新聞らしいと言えばらしいですが…RT @jcpnagasaki: なぜ、朝日新聞だけが…!今日、長崎で配布された朝刊各紙は、一面トップ部で赤嶺質問を取り上げています。しかし、朝日だけは、一面で扱わず社会面です。 http://ow.ly/i/rdMe どうしてなんでしょうか posted at 12:30:02
  • 沖縄タイムス「防衛局内では基地に絡む主要選挙では以前から同様の”介入”があったとの声も」と報道。 RT @theokinawatimes: 国の暴走 不信頂点「投票依頼以前から」 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-02-01_29287/ posted at 12:34:58
  • 本省の幹部が出ていって、防衛局職員に事情を聞くのだから、誰が特定候補を推す話があったと証言するだろうか。むしろ、口裏合わせに出かけたようなもの。Reading:NHKニュース 防衛相 局長処分含め対応判断 http://nhk.jp/N3zv6a9V posted at 13:19:44
  • 成人式の話じゃあるまいし、大人を集めて局長がただ棄権するなという話をしただけ、なんて誰が信ずるか。そんな話じゃ、なぜ宜野湾市在住の親戚等がいる職員をわざわざリストアップして、講話に参加させたのか、説明できないではないか。それとも、沖縄で選挙があるたびに、局長が講話してるのか? posted at 13:25:15
  • 赤嶺議員は、メールの発信者、宛先などを黒塗りで公表したが、防衛局の公用のアカウントなら、黒塗りにする理由なし。公表して、それら関係者を国会で証人喚問すべし。国家権力が選挙に介入したんだぞ。民主主義の根幹にかかわる重大問題なのだから、防衛省の内部調査で終わりなんてあり得ない。 posted at 13:28:53
  • 朝日新聞も、さすがに夕刊では1面トップで「沖縄防衛局長厳重注意へ」と報じ、2面で赤嶺議員の名前をあげて問題のメールの中身を紹介しています。しかし読売は「更迭へ」日経は「与党内にも更迭論」で、朝日新聞だけ論調がおとなしいのが不思議です。 RT @TAMURATAKAAKI posted at 17:28:08
  • 毎回やっていれば、特定の候補者名をあげなくても、10分間の講話をすればなにをさせたいのか、職員にも分かるわな。 RT @nhk_news: 防衛局長講話 名護の選挙でも http://nhk.jp/N3zv6aFE #nhk_news posted at 17:30:10
  • 講話の内容をできるだけ文字にするように、。職員に「こういう内容だったか」見てもらいたいって、完全な口裏合わせじゃん! 怒 RT @nhk_news: 防衛局長問題 幹部会議で対応 http://nhk.jp/N3zv6aXa04 #nhk_news posted at 18:31:56
  • とっととクビにして「違法行為はなかったが誤解を与えた」で幕引きをはかるもの。集めて棄権するなと言っただけなどという子供騙し(大人騙し)のまま事件を終わらせるな! RT @nhk_news: 防衛局長処分 今週中に判断へ http://nhk.jp/N3zv6abM #nhk_news posted at 19:57:16
  • 段々真相が出てきた。「講話の中で、普天間飛行場を同県名護市辺野古へ移設する政府方針について有権者である親族に説明できるように備えるよう求める趣旨の発言をしていた」 沖縄防衛局長:「違法の可能性自覚」。更迭含め調整 – 毎日新聞 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120202k0000m01004500… posted at 20:24:42
  • @TAMURATAKAAKI 朝日新聞には、民主主義の根本にかかわる重大問題だということがわかってないのでしょう。 posted at 22:46:30
  • 警察の捜査ではないのだから、防衛省が調査中だからと言って、防衛局長が何も話してはいけないという理由はない。いま口裏合わせの筋書きをつくっている最中だから、余計なことを喋れば、あとで辻褄合わせに困るというならわかるけどね。(^_^;) posted at 23:22:40

そして、今日これまでに呟いた分です。

  • 本省から課長が乗り込んで局長と口裏合わせをした結果がこれ。記録はないとしながら特定候補に肩入れしなかったことだけははっきりしたという謎。予定通りなら職員とも「この通りだった」と口裏合わせを。「防衛局長 親族にも投票呼びかけ」NHKニュース http://bit.ly/w6zHc6 posted at 12:20:21
  • わざわざ「特定候補の候補者に投票せよとはいえない立場だが」といえば、誰もがなにを言いたいか分かる。”沖縄タイムス | 「あうんの呼吸」投票働き掛け 防衛職員証言” http://bit.ly/xEvWlT posted at 12:28:26
  • 沖縄防衛施設局、98年の名護市長選では推進派候補の総決起大会への参加を求める文書を業者に送付。「出欠を取る」と圧力。”沖縄タイムス | 名護市長選・知事選で業者に圧力” http://bit.ly/wGOMJL posted at 12:33:14
  • 本日の沖縄タイムスの「社説」です。→”沖縄タイムス | [宜野湾市長選介入]伏魔殿と化した防衛局” http://bit.ly/zStbfY posted at 12:35:38
  • こちらは琉球新報の特集記事。”有権者リスト作成問題 「闇」深まる防衛行政 問題わい小化図る” – 琉球新報 – http://bit.ly/wEvOu2 posted at 12:37:32
  • 同じく、琉球新報の特集記事。「◯◯候補に投票せよ」と明言しないかぎり違法でないという議論は明らかにおかしい! ”有権者リスト作成問題/ 公選法など抵触も 防衛省調査結果に疑義” – 琉球新報 – http://bit.ly/xyFn3a posted at 12:40:16
  • こちらが琉球新報の本日の社説。”有権者リスト作成 核心見極め厳正処分を” – 琉球新報 – http://bit.ly/zhdgNl posted at 12:41:58
  • こっちは北海道新聞の今日の社説。”沖縄防衛局長 選挙介入なら許されぬ”(2月2日)?北海道新聞[社説] http://bit.ly/xCKufc posted at 12:56:32
  • 朝日新聞の今日の社説「一連の指示は、総務部人事係から各部の庶務担当者あてに電子メールで出された。講話は勤務時間中に庁舎内で行われた。まさに組織をあげての活動」と指摘。 朝日新聞:沖縄局長講話―組織ぐるみの「背信」だ http://bit.ly/zuwZ posted at 13:01:44
  • 毎日新聞は社説で「選挙などへの介入が繰り返し行われていたとすれば、構造的問題である」と指摘。”社説:沖縄防衛局長 選挙介入が常態なのか” – 毎日新聞 http://bit.ly/yirXpN posted at 13:03:30
  • それに比べると、日本経済新聞は、局長個人の「軽率な行為」で終わらせようとしている。沖縄の信頼を得て、まやく普天間基地を辺野古に移設せよという立場。”社説:これで沖縄の信頼得られるか”:日本経済新聞 http://s.nikkei.com/z0DLRY posted at 13:06:44
  • 誰に投票しろとは言えないと言いながら、公務員は厳正中立、疑われることのないようにとわざわざ念を押すとは! RT @dohc_: メールで通達しちゃったり RT @GAKU_IZ 本省から課長が乗り込んで局長と口裏合わせをした結果がこれ…「防衛局長 親族にも投票呼びかけ」 posted at 18:24:08
  • 東京新聞夕刊1面トップは、「沖縄局長講話 自公候補支持を示唆」。中身は発表された「講話」だが、それをもとに「双方の主張の違いを強調」「佐喜真氏の方が政府と考えが近いことを強くにじませている」と指摘している。 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012020290135423.html posted at 19:44:48
  • わざわざ業務指示で人を集め、「誰に投票しろとはいえない」と断りながら「親戚にも」と訴え、そのうえ「誤解を招かないように」と注意までするというのは、誰が考えても東京新聞のように解釈するのが当然。しかし、他紙はおおむね事実報道のみ。そこをあえて踏み込んだ東京新聞はさすが! posted at 19:50:34
  • @akibacsi 昨日のNHKニュースによれば、防衛省幹部会議で、渡辺防衛副大臣は、「講話」の中身を職員に見せて「こういう内容だったか」と確認すると言っています。これは防衛省あげての「口裏合わせ」。こんな内部調査は直ちにやめさせて、国会でちゃんと調査してください。 posted at 19:53:28
  • ふとんのたたき売りでは、メールを出せないし、業務で人を集められませ〜ん。(^_^;) RT @eunheui 「講話」で辞めさせられたら、お年寄りを集めてふとんを売りつける商売に天下りするといいんじゃないか。 posted at 19:55:15
  • 厳正中立を犯したのは職員ではなく幹部。野田さん、まったくわかってませんね。Reading:NHKニュース 首相“職員の中立性厳守を指示” http://nhk.jp/N3zw6bNj posted at 19:57:40
  • そうです。特別権力関係のなかでの話です。 RT @eunheui @GAKU_IZ あ、そうか。人を集める才覚があったわけではないんですね。 posted at 19:58:56
  • 真部防衛局長「本省で事実関係の認定と評価が行われていると聞いている。その結果がどんなものであるにせよ、それに従う」。これは、私は防衛省がつくった筋書きに従いますという告白。防衛省をあげての「口裏合わせ」「証拠隠滅」が進行中!! http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120202/k10015721281000.ht… posted at 20:02:43
  • 防衛省が職員から聴き取った内容を全部公表せよ。防衛省で作文した講話要旨が本当かどうかは、聴取内容が全部公表されない限り確認不可能。そうでなければ、省をあげての「口裏合わせ」をやってるだけだ! NHKニュース「防衛相 局長講話問題で陳謝」 http://nhk.jp/N3zw6b9k posted at 20:08:53
  • 産経新聞らしい言いがかり。労働組合は特別権力関係にあらず。市職員が業務時間外に選挙活動するのは国民の権利(もちろん市役所の窓口で投票以来すれば違法だが)”宜野湾市職労側も選挙運動 特定候補への協力呼びかけ” – MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120202/crm12020214280… posted at 20:15:32

関連ニュースも全部貼り付けておきます。

防衛局長 “結果的に迷惑かけ反省”

[NHKニュース 1月31日 23時35分]

 防衛省は、31日夕方から沖縄県嘉手納町にある沖縄防衛局に担当者を派遣し、真部朗局長からおよそ2時間にわたって事情を聞きました。
 このあと真部局長は、記者団に対し、「事実関係については、本省において調査中なので、現段階では申し上げられない」と述べました。そのうえで、「結果的に、私どもの行為で多くの方々に心配や迷惑をかけたことは、反省している」と述べました。

沖縄からは、「投票依頼は以前から」という証言が続々…。

国の暴走 不信頂点「投票依頼以前から」

[沖縄タイムス 2012年2月1日 11時30分]

 沖縄防衛局の選挙介入か―。告示まで1週間を切った宜野湾市長選をめぐる防衛局の調査問題で、普天間問題に絡み防衛局への不信を募らせる有権者や選挙の影響を懸念する関係者は「県民の怒りを理解していない」「公平な選挙に水を差す」などと怒りをあらわにし、一斉に反発した。一方、防衛局内では基地に絡む主要選挙では以前から同様の”介入”があったとの声も。民主主義を揺るがしかねない国家組織のゆがみも浮き彫りになった。
 「具体名での投票依頼もある」「上司の働き掛けは以前から」――。現役自衛官や防衛関係者らは31日、沖縄タイムスの取材に対し、上司や上官による特定候補者への投票依頼が恒常的に行われていたと証言した。防衛省の「武官」「文官」の両方で公職選挙法に抵触する働き掛けがあった疑いが浮上している。
 防衛関係者によると、県知事選や那覇、名護、宜野湾の各市長選など基地問題に関わる主要選挙では、以前から局職員に投票の働き掛けがあったという。
 局長の指示を受けた担当職員がメールや直接面談などで「業務をスムーズに進めるため、選挙に行くように」「家族にも伝えてほしい」などと促し、具体的な候補者名は出す場合と出さない場合があったという。
 同関係者は「家族や親族を対象にした『講話』の開催は聞いたことがない。事実なら初めて呼び掛けたのでは」と推察した。
 また、別の関係者は「過去の選挙でも、真部局長は棄権するなよと言っていた」と振り返る。
 真部局長は会議の席上で幹部に対し「職員に棄権してはいけないと伝えなさい」と指示。幹部が各部署の職員に伝えていたという。同関係者は「誰々に入れろとは口が裂けても言わない。言ったらまずいというのは局長は分かっているはずだ」と話した。
 県出身の30代の現役自衛官は「上官がだれだれ(の当選)が危ないから、選挙に行くように、との呼び掛けはある」と証言する
 候補者の具体名が出るのは少人数の場合が多く、防衛政策に通じた候補者の支援も呼び掛けられたという。
 同自衛官は「政治に関心がなくても上司から指示されれば、後で投票に行ったか聞かれるので投票することが多い」と述べ、武官である「制服組」でも働き掛けが日常的に行われている現状を語った。
 一方、沖縄防衛局の職員は午後5時以降の退庁時、一様に硬い表情で帰路に就いた。50代の男性職員は「聞いた話」として「局長講話は大事な一票なので選挙に行くようにという趣旨のようだ。特定の誰かに投票するようにとは言ってないのでは」と推し量るように語った。
 防衛局での調査を終えた防衛省職員2人は午後8時35分ごろ、那覇空港出発ロビーに姿を見せた。待ち受けた報道陣から「国会質疑内容の事実関係は」「真部局長は講話をしたのか」などの質問が矢継ぎ早に飛んだが、「まだ調査中ですから」「内容は大臣に報告して、あす正式に衆院予算委員会の理事会に報告されるので、それまではご容赦ください」などと述べるにとどめ、足早に搭乗口に消えた。

1日午前の段階↓で、まだ調査が完了もしていないのに、すでに「職員への調査でも、特定の候補者を支持する内容は確認されなかった」ということだけははっきりしているのも不思議。

防衛相 局長処分含め対応判断

[NHKニュース 2月1日 12時11分]

 防衛省は、沖縄の宜野湾市長選挙に向け、沖縄防衛局長が職員に講話を行っていたなどと指摘された問題を受け、午前の衆議院予算委員会の理事会で、事実関係を説明しました。特定の候補者を支持する内容は確認されなかったとしていますが、田中防衛大臣は「誤解を招くことだ」と述べ、近く、局長の処分も含め、防衛省としての対応を判断する考えを示しました。
 防衛省は、今月12日に行われる宜野湾市長選挙に向け、沖縄防衛局の真部局長が、職員に対して講話を行っていたなどと指摘された問題を受け、1日午前の衆議院予算委員会の理事会で、渡辺防衛副大臣が事実関係を説明しました。
 それによりますと、真部局長がみずから指示して、宜野湾市長選挙について先週2回講話を行ったということです。また沖縄防衛局では、宜野湾市に本人や親族が住む職員を調べ80人のリストを作り、68人の職員が講話を聴いたとしています。講話の内容について、真部局長は「市長選挙の投票日と候補者2人を紹介したうえで、宜野湾市にはアメリカ軍普天間基地があり、民意が重要だということや、公務員として選挙権を行使すべきで、棄権すべきではないと述べた」と話し、講話を聴いた職員への調査でも、特定の候補者を支持する内容は確認されなかったということです
 ただ、講話の内容の記録は作成されておらず、理事会で野党側は「納得できない」などとして、集中審議を行うべきだという意見も出されました。防衛省は、引き続き調査を行っており、ほかの選挙でも同じようなことがなかったかどうかも含め、調べることにしています。このあと、田中防衛大臣は記者団に対し「選挙を間近にして、このような講話をしたのは、誤解を招くことで、批判を受けかねない行為だ。今後、厳格に指導・監督をしていきたい。近日中に防衛省の政務三役会議を開いて判断を決めたい」と述べ、近く、真部局長の処分も含め、防衛省としての対応を判断する考えを示しました。

防衛局長講話 名護の選挙でも

[NHKニュース 2月1日 13時53分]

 防衛省の沖縄防衛局長が、宜野湾市長選挙に向け、職員に講話を行っていた問題で、局長は、過去に名護市での選挙についても、講話を行っていたことが分かりました。防衛省は、1日夕方、田中防衛大臣らが出席して幹部による会議を開いて、局長の処分も含め、対応を検討する方針です。
 防衛省の調査によりますと、沖縄防衛局の真部局長は、みずから指示し、今月12日に行われる宜野湾市長選挙に向け、先週2回、職員に講話を行っていたということです。真部局長は、講話の内容について、「宜野湾市にはアメリカ軍普天間基地があり、民意が重要で、公務員として選挙権を行使すべきだと述べた」と話し、講話を聴いた職員への調査でも、特定の候補者を支持する内容は確認されなかったとしています。また、防衛省のこれまでの調査で、真部局長が、おととし、沖縄の名護市での選挙についても、当時、局長として職員に講話を行っていたことが分かりました。防衛省は、さらに調査を進め、事実関係の確認を急ぐとともに、1日夕方、田中防衛大臣らが出席して幹部による会議を開いて、真部局長の処分も含め、対応を検討する方針です。

くり返し紹介しているニュースだけど、これ↓では、防衛省ぐるみで「口裏合わせ」をやっているのも同然。

防衛局長問題 幹部会議で対応

[NHKニュース 2月1日 18時25分]

 防衛省は、沖縄防衛局長が、今月行われる宜野湾市長選挙に向けて職員に講話を行っていた問題で、先ほどから、田中防衛大臣ら幹部による会議を開いて、対応を検討しています。
 防衛省の調査によりますと、沖縄防衛局の真部局長は、みずから指示し、今月12日に投票が行われる宜野湾市長選挙に向け、先週2回、職員に講話を行っていたということです。真部局長は、講話の内容について、「宜野湾市にはアメリカ軍普天間基地があり、民意が重要で、公務員として選挙権を行使すべきだと述べた」と話し、講話を聴いた職員への調査でも、特定の候補者を支持する内容は確認されなかったとしています。また、防衛省のこれまでの調査で、真部局長が、おととし、沖縄の名護市での選挙についても、当時、局長として、職員に講話を行っていたことが分かりました。
 これを受けて、防衛省は、先ほど午後5時半すぎから、田中防衛大臣や渡辺副大臣など、幹部による会議を開いて、対応を検討しています。今回の問題を巡っては、田中大臣が「誤解を招く行為だ」と述べたほか、防衛省内では、「沖縄防衛局として、政治的中立性を明確にするためにも、局長の更迭もやむを得ない」という意見が出ています。会議に先立って、田中大臣は、防衛省で記者団に対し、「さらなる厳正な調査をもう少し行ってもらいたい。情報の共有ということで、報告を受けることになっている」と述べました。そのうえで、田中大臣は、今回の問題の対応について、「会議で話し合うが、きょう具体的なことを決めることはないと思う」と述べました。
 会議に先だって、渡辺防衛副大臣は、防衛省で、記者団に対し、「沖縄防衛局に対して、『講話の内容をできるかぎり思い出して字にするように』と指示した。できるだけ多くの職員に『こういう内容だったか』ということを見てもらいたい。それを見てからでないと、局長の処分については、きょうの時点では難しい。きょうの会議は、調査結果などを踏まえ、新しい情報を政務三役で共有するためのものであり、人事を決めることにはならない」と述べました。

防衛局長処分 今週中に判断へ

[NHKニュース 2月1日 19時17分]

 防衛省は、沖縄防衛局長が、今月行われる宜野湾市長選挙に向け職員に講話を行っていた問題で、田中防衛大臣ら幹部による会議を開いて対応を協議した結果、さらに調査を行ったうえで、今週中に処分の内容を決める方針を確認しました。
 防衛省の調査によりますと、沖縄防衛局の真部局長は、みずから指示し、今月5日に告示され、12日に投票が行われる宜野湾市長選挙に向け、先週2回、職員に講話を行っていたということです。真部局長は講話の内容について、「宜野湾市にはアメリカ軍普天間基地があり、民意が重要で、公務員として選挙権を行使すべきだと述べた」と話し、講話を聴いた職員への調査でも特定の候補者を支持する内容は確認されなかったとしています。また、防衛省のこれまでの調査で、真部局長がおととし、沖縄の名護市での選挙についても、当時、局長として職員に講話を行っていたことが分かりました。
 これを受けて防衛省は、1日夜、田中防衛大臣や渡辺防衛副大臣など、幹部による会議を開いて対応を協議しました。その結果、職員をさらに派遣して調査を行ったうえで、今週中に処分の内容を決める方針を確認しました。また、この問題を受け、省内に大臣をトップとして「業務適正化委員会」を設けることを決めました。
 会議のあと田中大臣は記者団に対し、「私が先頭に立って、防衛省の体質改善や再発防止に取り組んでいきたい。沖縄での調査は4人態勢で行い、講話の内容を正確に把握したうえで対応を判断したい。宜野湾市長選挙に迷惑がかからない形も考える必要があるのではないか」と述べました。真部局長は、前の沖縄防衛局長が不適切な発言で更迭されたことを受けて、去年12月に後任として再度起用されましたが、今回の問題を巡って田中大臣は「誤解を招く行為だ」と述べており、防衛省内では「沖縄防衛局として政治的中立性を明確にするためにも、局長の更迭もやむを得ない」という意見が出ています。

これ↑を僕なりに解釈すれば、1日夜の防衛省幹部会議で「講話」問題の筋書きをつくり、つまり法律違反なかったという「講話」を作文し、それを抱えた追加の職員が沖縄に向かって、「講話の内容を精確に把握する」と称して、本省でつくった筋書きに従って真部防衛局長および職員の意思統一をはかった、ということになるだろう。

以下は2日のニュース。

「『特定の候補者に投票しなさい』と言える立場ではない」と言いながら、「親族にも投票を呼びかけるよう依頼した」という不思議。

防衛局長 親族にも投票呼びかけ

[NHKニュース 2月2日 11時32分]

 防衛省の沖縄防衛局長が、今月行われる宜野湾市長選挙に向けて、職員に講話を行っていた問題で、局長は、立候補予定者2人のアメリカ軍普天間基地に関する主張を紹介したうえで、県内移設を目指す政府の立場を説明し、親族にも投票を呼びかけるよう依頼していたことが分かりました。
 沖縄防衛局の真部局長が、今月12日に行われる宜野湾市長選挙に向けて職員に講話を行っていた問題で、防衛省は、局長本人の記憶や職員への聞き取り調査を基に、講話の詳しい内容をまとめ、渡辺副大臣が、2日に開かれた衆議院予算委員会の理事会に報告しました。それによりますと、真部局長は、66人の職員に対し、市長選挙の立候補予定者のうち1人は、アメリカ軍普天間基地について「県内移設反対と早期の閉鎖・返還」を、もう1人は「現状固定化の断固阻止と一日も早い危険性の除去など」を実現するとし、いずれも県外移設を主張していることを紹介したとしています。そして、アメリカとの合意を踏まえて、名護市辺野古への移設を目指す政府の立場を説明し、「特定の候補者に投票しなさい」と言える立場ではないと断ったうえで、みずから投票所に足を運び、親族にも投票を呼びかけるよう依頼したとしています
 これを受けて、理事会では、与党側が、2日午後、真部局長を参考人として呼んで集中審議を行いたいと提案しましたが、野党側は、報告の内容を精査して準備を行う必要があるとして、3日の開催を求めたため、改めて調整を行うことになりました。このあと、田中防衛大臣は、記者団に対し、「処分といった話は、防衛省の政務三役やきょう発足させる『業務適正化委員会』で話題になるかどうかだが、具体的なことは、まだ決めていない。真部局長が、きょう、東京に来ているので、包み隠さず話してもらうことが大事だ」と述べました。一方、真部局長は、2日午前、羽田空港に到着した際に記者団に対し、「今回の問題について、本省で事実関係の認定と評価が行われていると聞いている。その結果がどんなものであるにせよ、それに従う。まず調査の結果を待つのが、私の立場としてのあるべき姿だと思う」と述べました。そして、午前11時半すぎに国会内にある防衛省の控え室に入り、防衛省幹部らが詳しい事情を聴いています。

沖縄タイムスは、次々と、投票働きかけの実態を報道している。

「あうんの呼吸」投票働き掛け 防衛職員証言

[沖縄タイムス 2012年2月2日 10時36分]

 「政治的関与」が疑われる投票の働き掛けは常態化していた―。真部朗沖縄防衛局長による講話は沖縄県宜野湾市長選だけでなく、米軍普天間飛行場の移設先となる名護市議選でも発覚。大量の職員らが戸別訪問した名護市民投票(1997年)のほか、普天間移設の是非が問われる県知事選でも幹部が投票に行くよう指示するなど、長年にわたる?慣習?が関係者の証言であらためて明らかになった。
 特定の候補者への投票指示はうかがえないが、職員は「あうんの呼吸」があったと認める。
 基地建設に反対、賛成で二分され、反対派が勝利した名護市民投票。投票日の10日ほど前から旧那覇防衛施設局(現沖縄防衛局)の職員らが200人規模で動員され、基地建設に理解を求めるローラー作戦を展開、地元で大きな反発を招いた。
 かつて那覇防衛施設局で勤務した防衛省職員の一人は、沖縄での地方選をめぐり上司から投票の働き掛けがあったことを認める。「今回のような講話ではなかったが、部課長会議の報告事項として、『選挙権は棄権しないように』との指導を受けた」と明かす。
 別の職員は「反基地」のシンボル的存在だった革新系現職が敗北した98年の県知事選を振り返る。「投票に絡む行為はなかったが、集会などには(部下を)参加させた
 現職の仲井真弘多知事が再選した2010年の県知事選でも働き掛けは繰り返されたという。沖縄防衛局の職員は「部課長会議や課の朝礼などで『知事選は大事なので、棄権しないように』と呼び掛けていた」と証言する。
 特定の候補者への投票指示はなかったというが、この職員はこう言い切った。「あうんの呼吸だ。『政府機関で働いているのだから、意味は分かるよね』との思いが込められていたのは間違いない」

名護市長選・知事選で業者に圧力

[沖縄タイムス 2012年2月2日 10時10分]

 普天間飛行場の名護市辺野古移設が争点となった1998年の名護市長選で、沖縄防衛局の前身「那覇防衛施設局」が県内の建設業者に対し、辺野古移設を受け入れた比嘉鉄也元市長の後継者で故岸本建男氏の総決起大会に参加するよう文書を送っていたことが1日、関係者の証言で分かった。特定候補者を応援するよう民間企業へ働き掛けた防衛局の政治的介入の体質が、あらためて批判を集めそうだ。
 建設会社元代表の男性が1日、本紙取材で証言した。文書には「参加社の出欠を取る」と記され、元代表は「参加しなければ工事を発注させないという意図と感じた」と語り、同局が工事受注を盾に、特定候補者の支援を誘導していると指摘した。
 文書は施設局から県建設業協会へ送られ、同協会がファクスで加盟社に転送。当時を知る防衛関係者は「比嘉元市長の意志を無駄にしないためにも勝たなければならなかった。移設容認を示していた業者へ、総決起大会に参加するよう依頼の文書が作られた」と文書作成の経緯を振り返った。
 元代表は2006年の県知事選前、当時の佐藤勉局長の来社についても証言。佐藤局長は事前に連絡なく来社し、「君らもうちの工事を受注しているよね」と話して帰ったという。
 「知事選前に来社の要件も告げず、帰り際に受注の話を持ち出す。言外に『選挙協力しろ』という意図があった」と受け止めたという。

そして、沖縄タイムスの社説↓。

社説:[宜野湾市長選介入]伏魔殿と化した防衛局

[沖縄タイムス 2012年2月2日 09時55分]

 沖縄防衛局の真部朗局長が宜野湾市長選に向け、親族に有権者をもつ職員や同市在住の職員を対象に、庁内で「講話」を開いていたことが明らかになった。名護市の前回選挙でも同様の講話をしていたという。これを受け、田中直紀防衛相は真部局長の処分を検討する方針を表明した。
 それで済む話だろうか。
 防衛省は、講話に出席した職員からの聞き取り調査の結果、「特定の立候補予定者を支持するような内容は確認されなかった」としているが、決してうのみにはできない。
 防衛省の調査が、客観性を保持しているとは到底考えられないからだ。局長発言の真相はどうだったのか。臨席した職員はどう感じたのか。身内の調査では、防衛省に都合の悪いことは封印される蓋然(がいぜん)性が高い。
 就業時間内に職員を集め、局長が2回も講話する力の入れようは尋常ではない。真部局長が特定の候補予定者の名を直接挙げて投票要請することはなかったとしても、普天間問題と絡めて宜野湾市の民意の重要性を唱え、棄権するな、とトップから告げられれば、それが何を意味するのかは「空気を読め」ということだ、と部下は解するだろう。
 職員の投票行動におのずと「圧力」がかかるのは避けられない。その効果を十分認識した上で局長自らが講話に臨んだのではないのか。
 専門家からは、公職選挙法(公務員の地位利用)などに抵触する、との指摘も出ている。刑事事件としての立件も視野に、県警は速やかに捜査に着手すべきだろう。
 沖縄における防衛局の自治や選挙への介入は常習化している。1997年の名護市民投票では現地事務所を構え、ローラー作戦で戸別訪問を展開した。仲井真弘多氏と糸数慶子氏の事実上の一騎打ちとなった2006年の知事選では、当時の佐藤勉局長が仲井真支援を要請するため県内約10社の企業回りに奔走した。
 国家ぐるみの介入も記憶に新しい。98年の知事選では、自民党の小渕内閣で官房副長官を務めた鈴木宗男衆院議員(当時)が、稲嶺恵一陣営に官房機密費3億円が渡った、と証言している。
 国会ではこうした経緯も踏まえ、議論を深めてもらいたい。核心は局長の処分や防衛相の責任といった次元にはない。在京メディアも「野田政権の新たな火種になる」から「全国ニュース」に取り上げるという認識では困る。「米軍基地政策に対する国の姿勢」が問われているのである。
 他県の例を一つ挙げる。石川県珠洲(すず)市長選の告示前、市助役が課長らを集め、原発推進派陣営から立候補する元市総務課長への支援を要請したとして公選法違反(公務員の地位利用、事前運動)の疑いで96年7月、石川県警に逮捕されている。同事件の立件は原発行政に冷や水を浴びせるかたちになった。それでも、県警は市民の告発を受けて捜査を遂行し職務を果たした。
 沖縄県警には、普天間問題という国策への影響を避けるため捜査に消極的だ、と県民の目に映ることのないよう筋を通してもらいたい。

こっちは琉球新報。「特定の立候補予定者を支持する内容は確認されなかった」ということでの幕引きを厳しく批判している。

有権者リスト作成問題 「闇」深まる防衛行政 問題わい小化図る

[琉球新報 2012年2月2日]

 沖縄防衛局が、宜野湾市長選の投票権を持つ同市在住職員と親族のリストを作成し、真部朗局長が講話した問題は、名護市の選挙でも講話があったことが判明して問題が拡大し、防衛行政の闇が深まった。しかし、防衛省は「特定の立候補予定者を支持する内容は確認されなかった」と強調し、講話内容の公表も不十分なまま、問題を矮小(わいしょう)化する姿勢に映る。防衛局の本来業務を越えた行為は県民の反発を一層強め、法的、道義的にも厳しく問われている。
 「公務員の中立性や公正性を保つように指示しているのであれば、公務性を含むものと言える」。防衛省幹部は真部局長の講話は公職選挙法や自衛隊法に抵触しないとの見方を示し、処分に懐疑的な反応を示した。

■官僚、処分に抵抗か

 防衛省幹部は1日、真部局長から職員に対し、「宜野湾市は普天間飛行場の所在地であり、宜野湾市民の民意が重要だ」という講話の内容を明らかにした。発表文書からは何をするために民意が重要かという核心がなぜか抜け落ちていた。
 政府関係者は「防衛局が言いたいのは『普天間固定化を避けるため』だが、そこが出たらまずい」と述べ、辺野古移設の重要性を説明する際に常用する「危険性除去」が、特定候補への投票誘導の“証拠”となり得るため、発表文から削除した可能性を示唆した
 官僚側の報告に対し、政務三役は疑念を強める。渡辺周副大臣は「なぜ親族まで広げたのか。本当にそれ(リスト)が利用されていなかったのか。納得できない」と首をかしげた。
 防衛省の「影響を最小限にとどめたい」(政府関係者)本音を反映するかのように、一部与党幹部や在京メディアで個人情報を軽視した有権者リスト作成を脇に置いた“論点すり替え”も目立つ。「特定候補を推していないなら、問題はないのではないか」という空気も醸成されつつある。

■問題性確実

 一方、革新系野党の国会議員や県議団から強い抗議を受けた真部局長は、国家公務員法や公職選挙法など法への抵触を問われ「その点は自覚している。それだからこそ調査が行われている」と反省してみせた。
 防衛官僚が早期収拾を模索する中、識者から「特定の候補者を支持する、しないにかかわらず、許される行為ではない」と厳しい批判が上がっている。
 前津栄健沖国大法学部教授は「選挙に行くための啓発なら、選挙管理委員会がやっている。防衛局の業務でなく、職員を集めて講話することは、防衛局長の地位の利用だ」と強調。「名護、宜野湾という特定の地域に絞ったことは、明らかに何らかの意図があるということになる」と指摘した。行政機関の個人情報保有が「所掌事務を遂行するため必要な場合に限り」と制限されていることを挙げ、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に照らして「目的外利用であり、原則に反する」と言い切る。
 暴言を吐いた田中聡前沖縄防衛局長が更迭されて約2カ月で明るみに出た有権者リスト・講話問題。普天間アセス評価書の未明提出も併せ、常軌を逸した行動による沖縄防衛局の“自壊”が進んでいる。

そして、これ↓が琉球新報の社説。「灰色」ではなく「限りなく黒」と指摘。

社説:有権者リスト作成 核心見極め厳正処分を

[琉球新報 2012年2月2日]

 法や倫理に反するか否かの境界線上にある疑惑を表す色に「灰色」がよく使われる。周辺の状況を広く深く見極めることで行為の輪郭と目的が浮かび上がり、限りなく「黒」に近づくことがある。
 沖縄防衛局による宜野湾市長選挙の有権者リスト作成、選挙介入疑惑はこれに当てはまる。
 12日投開票の宜野湾市長選をにらみ、沖縄防衛局が有権者である職員と、有権者の親族がいる職員のリストを作成し、真部朗局長が職員68人を集めて講話した。事実は防衛省の調査で裏付けられた。
 核心はまず、勤務時間内に組織ぐるみで有権者リストが作成されたことにある。職員の親族という個人情報まで差し出させようとした狙いは何か。防衛本省の関与はなかったのか。
 米軍普天間飛行場の県内移設を至上命令とする防衛省の意思が、市長選挙に体現するように仕向けたという疑念が深まるばかりだ。
 さらに、2010年の名護市の市長選か市議会議員選でも真部氏は同様の講話をし、棄権せずに投票するよう呼び掛けていた。
 基地問題が争点となる県内の主要首長選や国会議員選挙で、投票を促す行為が繰り返されていたという防衛局OBの証言もある。
 民主主義の根幹を支える選挙の裏面で国策の浸透を図る動きが常態化していた。民意をゆがめかねない防衛行政の異様さが際立つ。
 防衛省設置法によれば、防衛局は全国8カ所に置かれ、米軍用地の取得や自衛隊装備品の調達、米軍関係の物品調達などを担う。
 有権者リスト作成は、沖縄防衛局の本来業務とは全く関係ない。親族に無断で個人情報を収集し、その政治利用は違法性を帯びる
 真部局長は親族に問われた際、職員が局の立場を説明できるように講話したと釈明しているが、安全保障政策に理解がある候補者への投票に誘導する潜在的意思があると考えるのが自然だ
 防衛省は「特定候補への投票は依頼していない」と説明し、地位を利用した選挙運動ではないと言い張るが、額面通り受け取る県民はいまい。
 検証チームをつくった防衛省は猛省し、膿(うみ)を出し尽くすべきだ。官僚主導の軽い処分で済ませば、選挙妨害の影響を被る2氏の陣営と県民を愚弄(ぐろう)することになる。局長更迭は当然だが、とかげのしっぽ切りに終わらせてはならない

北海道新聞だって、堂々と社説をかかげている。

社説:沖縄防衛局長 選挙介入なら許されぬ

[北海道新聞 2月2日]

 防衛省沖縄防衛局の真部朗(まなべろう)局長が12日投開票の沖縄県宜野湾市長選への投票を促す「講話」を職員に対して行っていた問題が明らかになった。
 局長は「特定候補の応援を誘導していない」という。だが地元では宜野湾市内にある米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向け、保守系候補を支援する意味があったと受け取られている。
 選挙介入と疑われても仕方ない行為だ。公務員には政治的中立が求められるからだ。
 政府に対する沖縄県民の不信はさらに深まった。防衛省は事実関係について詳細な調査を進め、問題のある関係者には厳正に対処すべきだ。
 沖縄防衛局は職員だけでなくその親族も含めて宜野湾市長選の有権者リストを作っていた。対象者には勤務時間内に行われた局長講話を聴講するようメールで要請していた。
 市長選には革新系の元市長と、自民、公明両党推薦の保守系県議が立候補を表明している。二人とも県外移設を唱えるが、元市長は強硬な反基地派で、県議はかつて県内移設を容認していた時期もあるという。
 局長は辺野古移設を推進する立場だ。投票を呼びかければ、少しでも移設に有利になるような候補への支援を求める意味を持つ。講話は保守系県議の支援と元市長の落選を狙ったものと多くの県民が受け止めたのも無理はない。
 講話は田中直紀防衛相が沖縄視察した日にも行われていた。防衛相の監督責任も問われるべきだ。
 局長は過去に名護市の選挙でも同様の講話をしていたと認めている。地元には「またか」という声すらある。恒常的に行われているのなら大きな問題だ。
 問題なのは国の政策を地方に無理やり押しつけようとする姿勢だ。沖縄防衛局は昨年末にも辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)の評価書を未明に沖縄県庁に搬入する異例の対応をとった。
 野田佳彦首相は施政方針演説で「沖縄の声に真摯(しんし)に耳を傾け、誠実に説明し理解を求める」と語った。県民の目を盗むように移設への地ならしを進めても不信を買うだけだ。
 旧防衛庁ではかつて情報公開請求者の個人情報をまとめたリストを作って庁内で閲覧した問題が発覚した。裏で動く体質は防衛省全体に言えることだ。進めたい政策があるなら開かれた場で主張すればいい。
 防衛省は6月にも辺野古の埋め立て申請をし、年内に着工する日程を描いているとされるが、県民の理解は到底得られないだろう。県民との対話を一から組み立て直し、信頼を得る努力を重ねるべきだ。

共産党の赤嶺政賢議員が採り上げた問題だからか、当初は小さくしか取り上げなかった朝日新聞も、ようやく本腰を入れて論じ始めたのだろうか。

社説:沖縄局長講話――組織ぐるみの「背信」だ

[朝日新聞 2012年2月2日]

 防衛省は本来、官庁のなかでも最も厳しく政治的中立性を保つべき省庁だ。実力組織である自衛隊を率いる以上、組織ぐるみで政治にかかわるようなことは危険きわまりない。
 こんな緊張感が完全に欠落している事態が発覚した。
 米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市の市長選に向け、沖縄防衛局が同市に本人や親族が住む職員のリストを作り、真部朗(まなべ・ろう)局長が、棄権しないよう呼びかける「講話」をしていた。
 防衛省は、特定の立候補予定者を推すような発言はなかったと説明する。しかし、有権者名簿を作り、局長が働きかけていたのだから、膠着(こうちゃく)状態の普天間移設問題を念頭に、特定候補への投票を暗に促す意図があったと見られて当然だ。
 「政治的行為」を厳しく制限した国家公務員法や、公務員の地位を利用した選挙運動を禁じた公職選挙法などに、ただちには違反しないとしても、法の網の目をくぐった政治活動そのものといえる。
 一連の指示は、総務部人事係から各部の庶務担当者あてに電子メールで出された。講話は勤務時間中に庁舎内で行われた。まさに組織をあげての活動であり、真部局長の責任は極めて重い。更迭は免れない。
 沖縄では、これまでも選挙のたびに、政府の介入が取りざたされてきた。
 1997年の名護市の市民投票の際には、久間章生防衛庁長官が沖縄出身の自衛官ら約3千人に文書で協力を求めた。真部局長は一昨年の名護市の選挙でも「同様のことをした」と話している。
 こうした動きは、沖縄県内だけのことなのか。全国の自衛隊駐屯地でも似たようなことがありはしないか。
 田中直紀防衛相は本省の関与を否定した。だが、今回の背信行為を出先機関の問題に矮小化(わいしょうか)してはいけない。
 この際、第三者による調査機関を設けて、過去の選挙にさかのぼって、徹底的な検証をすべきだ。それが十分にできなければ、田中氏の責任も問われることになろう。
 昨年末以降、沖縄では政府の信頼が失墜し続けている。
 前沖縄防衛局長の女性蔑視の暴言、環境影響評価書の県への提出をめぐるドタバタ、新旧防衛相の沖縄への配慮を欠く不適切な発言……。そこに加えて、この局長講話である。
 普天間の辺野古移設は、もう実現する見通しはない。政府は今度こそ立ち止まり、他の打開策を探るべきだ。

こちらは毎日新聞の社説。

社説:沖縄防衛局長 選挙介入が常態なのか

[毎日新聞 2012年2月2日 2時31分]

 防衛省沖縄防衛局が沖縄県宜野湾市長選(12日投開票)の「有権者リスト」を作成し、真部朗(まなべろう)局長が職員に「講話」を行っていた。政府機関による選挙への介入とも言うべきもので、言語道断である。
 共産党が国会で取り上げて明らかになった。防衛省の調査によると、真部局長の指示で同市在住の職員や同市に親族がいる職員80人のリストを作り、職員への講話で市長選への投票を呼び掛けていた。
 講話では、市長選立候補予定者を紹介し、米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市民の民意が重要であることなどを指摘したという。「特定の立候補予定者を支持する内容は確認されなかった」との調査結果だが、講話内容の記録はない。
 公選法は、国家公務員による地位を利用した選挙運動を禁じ、自衛隊法は、文官を含む自衛隊員の政治的行為を厳しく制限している。
 宜野湾市長選の行方は、普天間移設問題にも大きな影響を与える。その選挙直前に候補予定者などについて講話を行えば、特定候補予定者への支持に直接、言及がなかったとしても、基地問題の政府方針に都合がよい候補予定者の後押しに含意がある、と受け取るのが普通だろう。
 普天間をめぐっては、前沖縄防衛局長の不適切発言、前防衛相の国会答弁などが沖縄の怒りを買った。真部局長の言動が沖縄の不信を増幅させ、問題解決を一層難しくすることは明らかだ。更迭が当然である。
 見逃せないのは、真部局長がかつて、政府が普天間の移設先とする同県名護市の選挙でも講話を行っていたことである。名護市では10年1月に市長選、同9月に市議選があり、普天間移設受け入れが争点になっていた。当時の沖縄防衛局長は真部氏だった。政府はこの講話の時期や実態についても調査すべきだ。
 同市では97年12月、普天間移設に絡んで海上ヘリポート建設計画の是非を問う市民投票が実施されたが、那覇防衛施設局の職員が戸別訪問やパンフレット配布などで事実上の集票活動を展開、地元で批判を浴びたことがある。選挙などへの介入が繰り返し行われていたとすれば、構造的問題である
 これらの問題を監督する田中直紀防衛相は、普天間周辺での米軍ヘリ飛行について「そんなに多くないのでは」と発言、国会答弁でも訂正、陳謝を繰り返すなど、拙劣な発言と対応が目立つ。野党からは資質を問う声も出ている。
 普天間飛行場の固定化(継続使用)を回避し、周辺住民の危険性を除去するために、政府は今後、正念場を迎える。ここは、野田佳彦首相が前面に立って、普天間問題の解決に全力を尽くすしかない。

こちら↓が日本経済新聞の社説。普天間米軍基地の辺野古移設をすすめる立場から、どうやって事件を小さく収めるか、底意が丸見え。

社説:これで沖縄の信頼得られるか

[日本経済新聞 2012/2/2付]

 なぜ、沖縄の信頼関係を傷つける不祥事がこうも相次ぐのか。このままでは米軍普天間基地問題の解決も、遠のくばかりだ
 普天間基地がある沖縄県宜野湾市の市長選で、真部朗沖縄防衛局長が同市在住の職員を集め、投票を促していたことが発覚した。
 普天間基地の移設先である同県名護市の2010年の選挙でも、職員に投票を呼びかけたという。
 宜野湾市の市長選は普天間の県内移設に反対する伊波洋一元市長と、県議の佐喜真淳氏の一騎打ちの様相だ。佐喜真氏も県外への移設を求めているが、かつては条件付きで県内移設を容認していたことがある。
 防衛省の調査によると、真部氏が佐喜真氏ら特定の候補を支持する発言をした事実は確認できていないという。そうだとしても、わざわざ職員を集め、市長選への投票を働きかけること自体「公務員の政治的中立」の観点から問題があると言わざるを得ない。
 公職選挙法は国家公務員が「その地位を利用して選挙運動をすることができない」と規定している。真部氏の行為は同法などに抵触すると疑われても仕方がないだろう。沖縄の不信感を強めるだけの、極めて軽率な行為である
 沖縄防衛局では昨年11月、田中聡前局長が不適切な発言で更迭されたばかりだ。沖縄との関係を修復するため、田中氏の前任者だった真部氏が復帰したはずだった。
 そもそも民主党政権には沖縄と真剣に向き合い、普天間問題を解決しようという決意や戦略が見られない。それは野田佳彦首相による防衛相の人選にも表れている。
 一川保夫前防衛相は国会答弁での失態などから野党に資質を問われ、昨年12月に参院で問責決議を受けた。1月に後を継いだ田中直紀氏も早速、国会答弁などで立ち往生する場面を連発している。
 こうしたお粗末な状況が、現場の気のゆるみや混乱にもつながっているのではないか。野田首相はこれを機に、沖縄政策の体制をしっかり立て直してほしい。

沖縄局長講話 自公候補支持を示唆

[東京新聞 2012年2月2日 13時54分]

 防衛省の真部朗(まなべろう)沖縄防衛局長が沖縄県宜野湾市長選挙(十二日投開票)に絡み、職員に対し、選挙介入と受け取られかねない「講話」を行った問題で、防衛省は二日午前、真部氏の「講話」の発言内容を公表した。真部氏は特定の候補予定者を支持する発言は行っていないが、米軍普天間飛行場移設問題に対する二人の立候補予定者の主張を対比して説明するなど、自民、公明両党が推薦する佐喜真淳県議への支持を言外に促す内容になっている
 発言内容は同日午前、衆院予算委員会理事会に提出された。これによれば、真部氏は共産、社民、沖縄社会大衆の三党が支持する伊波洋一元市長と佐喜真氏が出馬を予定していることを説明。真部氏は、両氏とも普天間飛行場の県外移設を主張しているものの、伊波氏は「県内移設反対、早期閉鎖、返還」、佐喜真氏は「現状固定化を断固阻止し、一日も早い危険性の除去と返還、跡地利用計画の強力な推進」をそれぞれ訴えていることを示して、双方の主張の違いを強調している。
 その上で真部氏は政府が名護市辺野古への移設を目指している立場を説明。「特定の候補者に投票しなさい、と言える立場ではない」と言う一方、講話の全体として、佐喜真氏の方が普天間飛行場固定化を回避したい点で政府と考えが近いことを強くにじませている。
 また、同市長選挙について「普天間飛行場を抱える自治体の直近の民意が示される場で、重要な選挙」と強調。職員に対して「ぜひ、投票所に足を運んでいただきたい。機会があれば、親戚にも投票所に行くようにお話しいただきたい」と求めている。
 発言内容は真部氏の記憶などでまとめた。一方、田中直紀防衛相は同日昼、真部氏を呼び、国会内で直接事情を聴取した。田中氏は週内に同氏の更迭を含め、処分を最終決定する方針。また、衆院予算委員会は同日の理事会で、三日午後に真部氏を参考人として招致し、集中審議を行う日程を決めた。

これ↓では、まるで沖縄防衛局の職員が悪いことをしたみたい。防衛省・自衛隊の最高指揮官として、野田首相が幹部を譴責するならともかく、職員に責任転嫁するとは…。

首相“職員の中立性厳守を指示”

[NHKニュース 2月2日 19時24分]

 野田総理大臣は、衆議院予算委員会で、防衛省の沖縄防衛局長が今月行われる宜野湾市長選挙に向けて職員に講話を行っていた問題について、「国民や沖縄県民の誤解や批判を受けかねない」と述べ、防衛省の職員が政治的中立性を厳正に守るよう、田中防衛大臣に指示したことを明らかにしました。
 この中で、野田総理大臣は、沖縄防衛局の真部局長が今月12日に行われる宜野湾市長選挙に向けて職員に講話を行っていた問題について、「今回の事案は、国民や沖縄県民の誤解や批判を受けかねない面があるので、引き続き、防衛省で事実関係を十分調査したうえで、適切な対応をとるべきだ」と述べました。そのうえで、「田中防衛大臣には、国民や国会にしっかりと説明責任を果たすことと、厳正中立に指導・監督することを指示している」と述べ、防衛省の職員が政治的中立性を厳正に守るよう、田中防衛大臣に指示したことを明らかにしました。
 一方、野党側が不適格だと批判している田中防衛大臣を起用した理由については、「かつて外務政務次官や参議院の外交防衛委員長を務めたキャリアがあることなど、総合的な経験や知見を評価して判断した。防衛省の政務三役や現場をまとめていくマネジメントの力にも期待した」と述べました。さらに、みずからの沖縄訪問について、野田総理大臣は、「ことしは太平洋・島サミットなどで沖縄に必ず行かなければならない場面があるが、その前にぜひ行けるよう努力したい」と述べました。

防衛局長 親族にも投票呼びかけ

[NHKニュース 2月2日 11時32分]

 防衛省の沖縄防衛局長が、今月行われる宜野湾市長選挙に向けて、職員に講話を行っていた問題で、局長は、立候補予定者2人のアメリカ軍普天間基地に関する主張を紹介したうえで、県内移設を目指す政府の立場を説明し、親族にも投票を呼びかけるよう依頼していたことが分かりました。
 沖縄防衛局の真部局長が、今月12日に行われる宜野湾市長選挙に向けて職員に講話を行っていた問題で、防衛省は、局長本人の記憶や職員への聞き取り調査を基に、講話の詳しい内容をまとめ、渡辺副大臣が、2日に開かれた衆議院予算委員会の理事会に報告しました。それによりますと、真部局長は、66人の職員に対し、市長選挙の立候補予定者のうち1人は、アメリカ軍普天間基地について「県内移設反対と早期の閉鎖・返還」を、もう1人は「現状固定化の断固阻止と一日も早い危険性の除去など」を実現するとし、いずれも県外移設を主張していることを紹介したとしています。そして、アメリカとの合意を踏まえて、名護市辺野古への移設を目指す政府の立場を説明し、「特定の候補者に投票しなさい」と言える立場ではないと断ったうえで、みずから投票所に足を運び、親族にも投票を呼びかけるよう依頼したとしています。
 これを受けて、理事会では、与党側が、2日午後、真部局長を参考人として呼んで集中審議を行いたいと提案しましたが、野党側は、報告の内容を精査して準備を行う必要があるとして、3日の開催を求めたため、改めて調整を行うことになりました。このあと、田中防衛大臣は、記者団に対し、「処分といった話は、防衛省の政務三役やきょう発足させる『業務適正化委員会』で話題になるかどうかだが、具体的なことは、まだ決めていない。真部局長が、きょう、東京に来ているので、包み隠さず話してもらうことが大事だ」と述べました。
 一方、真部局長は、2日午前、羽田空港に到着した際に記者団に対し、「今回の問題について、本省で事実関係の認定と評価が行われていると聞いている。その結果がどんなものであるにせよ、それに従う。まず調査の結果を待つのが、私の立場としてのあるべき姿だと思う」と述べました。そして、午前11時半すぎに国会内にある防衛省の控え室に入り、防衛省幹部らが詳しい事情を聴いています。

これ↓は、産経新聞らしい言いがかり記事。そもそも問題は、防衛局の幹部(局長)が業務のラインで職員に選挙の働きかけをおこなったこと。労働組合が組合員に選挙運動への協力を呼びかけるのは業務のラインでも何でもない。もちろん、職員が市役所の窓口で投票依頼をしたとすれば問題だが、業務時間外に、友人・知人に投票依頼をすることは、政治活動の自由、国民の権利だ。

宜野湾市職労側も選挙運動 特定候補への協力呼びかけ

[MSN産経ニュース 2012.2.2 14:27]

 沖縄県の宜野湾市長選(5日告示、12日投開票)をめぐり、沖縄防衛局が投票権がある職員と親族のリストを作成、真部朗局長が職員を集めて講話した問題が浮上しているが、一方で宜野湾市職員労働組合(川上一徳・執行委員長)が、組合員に対して文書で特定の立候補予定者の選挙運動に協力するよう呼びかけていたことが分かった。
 同市長選には現在、県議の佐喜真淳氏(47)=自民、公明推薦=と、元市長の伊波洋一氏(60)=社民、共産、社大推薦=が立候補を表明している。
 同市職労は今年1月25日付で川上執行委員長名で、組合員宛に「政治闘争(宜野湾市長選挙)の取り組みについて」とする文書を配布。1月17日の臨時大会で、伊波氏を組織内候補者として推薦決定したと伝え、「下記の行動に取り組みますので、組合員のみなさんのご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます」と選挙協力を呼びかけている。
 文書は「行動提起」については、(1)イハ洋一さんの勝利を目指し、支持者獲得1人20人以上を取り組む(2)イハ洋一さんの勝利を目指し、組合員1人あたり週2行動に取り組む(3)県内各単組をはじめ、他の労働組合へイハ洋一さんの支持・支援の輪を広げる取り組みを展開する(4)労組政策推進会議に参画し市長選挙の勝利を目指す?と記述。
 さらに、チラシや支持者カードの配布時に尋ねられると思われる質問に対する想定問答も配布。「なぜ、市長を辞めて知事選に出た伊波洋一さんがまた市長選に出るの?」との問いには「これまで行ってきた市民サービスの継続と拡大・充実、また、『普天間基地の早期閉鎖・返還』と『県内移設反対』という、宜野湾市民の『ゆるがない意思』を今後も貫くためです」と答えるよう指示。
 さらに具体的に「相手候補は『県内移設反対』を明らかにしていない」「『垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備反対』も明らかにしていない」「県外(本土)移設については受け入れを表明している自治体はなく、政府にも残念ですがその方針はない。在沖海兵隊の国外移転を訴えるほうが現実的で早期返還が可能であり、事実、米国内でもそのような意見が強まっている」と付記している。
 また、「政策の狙い」については、「相手候補は、政策実施のための財源を『不明確な』国の防衛費(補助)に頼っている。政策が実現できるかどうか非常に疑問」と答えるようアドバイスしている。
 こうした市職労の選挙活動に、市民の間からは「防衛局問題同様検証すべきで、バランスを欠く」との声が上がっている。同市職労は産経新聞の取材に「取材には答えない」とした。

ちなみに、防衛省が作文した「講話要旨」は以下の通り。局長の話がこのとおりだったという証拠はどこにもない。

【沖縄防衛局長問題】「防衛局長講話要旨」の全文 – MSN産経ニュース

「防衛局長講話要旨」の全文

[MSN産経ニュース 2012.2.2 10:13]

 防衛省が2日公表した真部朗沖縄防衛局長の「講話要旨」全文は次の通り。

 本日、忙しい業務を抱えている中、お集まりいただき、ありがとうございます。時間も限られているので、なるべく簡潔にお話ししたいと思います。
 ご存じかもしれませんが、来る2月12日に、宜野湾市長選挙が予定されています。まだ確定していませんが、2人の候補が立候補する予定です。報道等によると、伊波洋一元宜野湾市長と佐喜真淳県議です。基地問題については、伊波氏は、「県内移設反対、早期閉鎖・返還」を主張しています。佐喜真氏は、「現状固定化を断固阻止し、一日も早い危険性の除去と返還・跡地利用計画を強力に推進」するとしています。双方ともに「県外移設」を主張しています。
 宜野湾市は、普天間飛行場が所在しており、普天間飛行場問題の原点とも言うべき市であります。平成8年に橋本・モンデール会談で合意されて以来、この問題は、15年間以上にわたって日米両政府が取り組んできた重要課題です。日米合意上も、大きくは、平成8年のSACO最終報告から平成18年の米軍再編ロードマップに引き継がれています。この間、様々な移設案が検討され、最終的に辺野古のV字案が決定されました。その後、平成21年には政権交代があり、従来の移設案である辺野古のV字案が白紙的に再検討されました。この再検討過程を経て、一昨年5月に辺野古が移設先であることが改めて日米合意となり、昨年6月には「2+2」で、仕様の変更を伴ってではありますが、代替施設の形状についてV字案で合意されました。
 一方、この再検討過程を機に、この問題に対する沖縄県民の見方は厳しさを増し、現在では、辺野古案を始め県内移設に反対する声が一般的になっています。これに対して、政府は、その必要性をパンフレットなどを使って積極的に県や市町村、各種団体などに説明するとともに、訓練移転の拡充など一層の基地負担の軽減に取り組むことなどによって、県民の理解を得ようと努力しているところです。
 このような中で、宜野湾市の市長選は、普天間飛行場を抱える自治体の直近の民意が示される場として注目される重要な選挙と考えられます。
 皆さんは、自らが有権者であるか又は有権者を親族にお持ちの公務員です。公務員は、国民の権利である選挙権の行使、すなわち投票に積極的であるべきであります。私は職員に、「特定の候補者に投票しなさい」と言える立場ではありません。来るべき選挙には棄権を避け、期日前投票を含め、是非投票所に行くようにお話ししていただきたい。一方、公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではありません。選挙に際しては、政治的中立性の確保が要求されます。自衛隊法等の関係法令に違反したり、違反していると思われないよう留意をお願いしたい。親戚の方々と接する際にも気をつけていただきたい。
 以上、まとまりのない話しで申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

しかし、これ↑を読むと、わざわざ「『特定の候補者に投票しなさい』と言える立場ではない」と言いながら、「来るべき選挙には棄権を避け、期日前投票を含め、是非投票所に行くようにお話ししていただきたい」と、職員に対して、誰かに話すように働きかけている。そのうえで、あらためて「違反していると思われないよう留意をお願いしたい」「親戚の方々と接する際にも気をつけていただきたい」と注意を呼びかけているのだ。特定の候補者に荷担するものでないなら、なんで、わざわざ「違反していると思われないように注意してほしい」と言い、さらにとくに「親戚の方々と接する際にも気をつけてほしい」というのだろうか?

誰が考えても、答ははっきりしているだろう。

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