生産手段の共有の基礎の上に再建される個人的所有は生産手段に対する所有か?

この問題について、大谷禎之介氏の『マルクスのアソシエーション論』(桜井書店、2011年)を読んでみました。大谷氏の「アソシエーション論」については共感する部分も多いのですが、その全体を論じる能力は僕にはありません。ここでは、問題を、第2の否定の結果として、生産手段の共同占有の基礎の上に再建される労働者の個人的所有が、生産手段にたいする所有のことなのか、消費手段(生活手段)にたいする所有のことなのか、という点に絞って、考えてみたいと思います。

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