衆院の選挙制度改革にかんする各党協議会で、民主党の樽床幹事長代理が、比例定数80削減などの「座長私案」を提示。
比例の一部に連用制を導入する可能性を匂わせて、公明党を引き込もうとしていることは明白なのだが、それより、そもそも最初から「民意が過度に集約されることを補正するための措置を講ずる」と断らなければならないような選挙制度って、いったい何なのか? こんな「選挙制度改革」が実現したら、日本は「補正された」民主主義国家になってしまう。なんともご立派な「私案」だ。
「民意が過度に集約される」ために「補正」が必要だと思うなら、比例定数を削減しなければよいのだ。それでもどうしても議員定数を減らしたいなら、小選挙区を80減らせばよい。
要するに、樽床「座長私案」は、民主党の比例定数80削減が何の道理もない案だということをみずから認めたことになる。
衆院選「樽床私案」提示…比例80減に公明反発
[2012年2月15日13時43分 読売新聞」
衆院の選挙制度改革に関する各党協議会が15日午前、国会内で開かれ、座長の樽床伸二民主党幹事長代行が、衆院の比例定数80削減や、小選挙区比例代表連用制を検討対象に含めることなどを盛り込んだ「座長私案」を各党へ正式に提示した。しかし、比例80減に公明党などから異論が相次ぎ、16日も協議会を開くことになった。私案に基づく意見集約は難しい情勢だ。
自民党は私案について「一歩前進」と理解を示したが、公明党は「比例80減は絶対に看過できない」と反発した。
私案は「1票の格差」是正のため、5県で小選挙区を一つずつ減らす「0増5減」案を採用した。比例代表については「比例定数の削減に伴い民意が過度に集約されることを補正するための措置を講ずる(具体的には、一部を連用制とするなどの意見もある)」と記した。次期衆院選後に選挙制度審議会を設置し、中選挙区制を検討する方針も示した。