自民党が27日に発表した憲法改正草案を読んでみました。9条を改悪して、国防軍を設置するなど大きな問題もありますが、同時に、細かいツッコミどころもたくさんあります。思いつくままに、つぶやきました。
- 自民党憲法改正草案。自民党は2005年にも「新憲法草案」を発表。今回の草案は旧仮名を新仮名に直すなど05年草案を踏襲したところも多いが、微妙に変わっているところもある。例えば前文は完全に別の文章。しかし、わずか7年ですっかり書き換わるような文章が憲法の前文たりうるのか? 疑問だ。 posted at 17:03:52
- 自民党憲法改正草案。前文は全体としてアナクロニズムの羅列だが、特徴の1つは現憲法の「日本国民は、正当に選挙された国会における代表を通じて行動し」とか「国政は、国民の厳粛な付託によるものであって、その権威は国民に由来」するという国会議員の位置づけがすっぽり消えていること。 posted at 17:08:17
- 【訂正】誤「国民の厳粛な付託」→正「国民の厳粛な信託」 posted at 17:13:13
- 自民党憲法改正草案2 自民党草案にも「国民主権」という言葉は残っているが、国会議員というのは、正当な選挙によって選ばれ、あくまで国民の信託を受けて行動しなければならないという考えがお気に召さないようだ。どんな選挙制度でもいいから選ばれてしまえばこっちのものとでも思っているのだろう posted at 17:18:33
- 自民党憲法改正草案3 現憲法第4条の「国事に関する行為のみを行い」の「のみ」を削除。これは国事行為以外の行為もできるようにしようということ。だから自民案第6条5項で「国又は地方自治体その他の公共団体が主催する式典への出席その他の公的な行為を行う」と追加されている。 posted at 17:26:05
- 自民党憲法改正草案4 この国・地方自治体以外の「公共団体」については自民党憲法案には何の定めもないから、公共性のある団体なら何でもよいことになる。天皇の公的行為も「式典への出席その他」となっていて何の制限もない。天皇は、国事行為に限らずあらゆることを公的行為としてなしうる仕組み。 posted at 17:31:10
- 自民党憲法改正草案5 現憲法第3条、すべての国事行為には「内閣の助言と承認を必要」とするという規定が、自民案では「内閣の進言を必要」とするに変更されている。天皇は「元首」であるから、その行為を内閣が承認するなどということは畏れ多くてできない、ということ。 posted at 17:49:10
- 自民党憲法改正草案6前文に戻るが、「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち」とあるが、最近新しく独立した国も「長い歴史と固有の文化」を持っている。日本だけが長い歴史や固有の文化を持っているわけではない。 posted at 17:55:40
- 自民党憲法改正草案7さらに「国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される」とあるが、統治する主体は誰か? 日本国民なら、せめて「日本国民は、…日本国を…三権分立に基づいて統治する」と書け。そう書かないということは、統治の主体は日本国民ではないということ。 posted at 17:59:43
- 自民党憲法改正草案8前文「我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し」。第二次大戦を自然災害と同列に扱い、しかも日本が受けた「荒廃」しか取り上げない。これこそ、現憲法がやってはならないと言っている、「自国のことのみに専念して他国を無視」する態度。 posted at 18:08:02
- 自民党憲法改正草案について、こんな調子でつぶやいていたら、いったい何番まで進むやら。ツッコミどころがありすぎて果てがない。(^_^;) posted at 18:10:39
- 自民党憲法改正草案10第9条。第1項で戦争放棄、武力による威嚇、武力の行使を用いないことを宣言しながら、第2項では「自衛権の発動を妨げるものではない」と規定。妨げないというだけでは何も規定したことにならない。つまり、自衛権の発動となれば第1項の規定はすべて関係ないということ。 posted at 21:27:06
- 自民党憲法改正草案11「自衛権の発動」を口実にして戦争放棄を棚上げしておきながら、9条の2では「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全」の確保以外に「国際社会の平和と安全」確保のために国防軍が活動できるとする(3項)。これは「国際紛争を解決する」ための武力行使ではないのか? posted at 21:30:47
- 自民党憲法改正草案12第9条の2。2項「前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるとこりにより、国会の承認その他の統制に服する」。なぜ国防軍が国会の統制に服するのが「前項の規定による任務を遂行する祭」に限定されるのか? 国防軍のあらゆる活動が国会の統制に服さなくてよいのか? posted at 21:34:02
- 自民党憲法改正草案13基本的人権。11条で「国民は、全ての基本的人権を享有する」と言いながら、12条では「責任及び義務が伴う」「公益及び公の秩序に反してはならない」と制限を加える。全て享受できるが、全ては享受できない。自己分裂的な条文。前者が建て前、後者が本音であることは明らか。 posted at 21:44:07
- 自民党憲法改正草案ん14基本的人権。現憲法は基本的人権の濫用を妨げるのは「公共の福祉」だけ。自民案はそれを「公益及び公の秩序」と言い換えている。「公共の福祉」の場合、それを享受するのは国民だから、国民自身が国民の福祉のために基本的人権の濫用を慎むという意味であることは明らか(続く) posted at 21:48:46
- 自民党憲法改正草案15しかし「公益及び公の秩序」といえば主体は公権力(国および地方自治体)になる。国民は、公権力の利益や秩序のために、一方的に基本的人権の享受を制限される。「基本的人権の享有を妨げられない」(現憲法第11条)をただ「享有する」と改めた所以かも。 posted at 21:51:35
- 自民党憲法改正草案16第14条栄典の授与。細かい話だが、現憲法の栄典の授与は「いかなる特権も伴わない」の規定を削除。つまり特権がほしいのだ。毎年、元首相、元大臣、元国会議員、元・・・がたくさんの褒章をもらっている。ついでに特権がほしいのだ。せこいというか、ケツの穴が小さいというか… posted at 21:55:35
- 自民党憲法改正草案17第19条思想・良心の自由。現憲法は「これを犯してはならない」と思想・良心の自由の不可侵性を謳っているが、自民案はただ「保障する」のみ。自民党の立場からすれば、思想・良心の自由も「公益及び公の秩序」によって元々制限されているから、その不可侵性を謳うことはできない posted at 22:01:11
- 自民党憲法改正草案18第20条信教の自由。第1項。現憲法は、宗教団体が、国から特権を受けることの他に、政治上の権力を行使することも禁止しているが、自民案では、国が宗教団体に特権を与えることを禁止するのみで、宗教団体が政治上の権力を行使することは禁止せず。公明党・創価学会への配慮? posted at 22:05:12
- 自民党憲法改正草案19第20条信教の自由。第3項。現憲法は国の宗教行為を禁止するが、自民案では「社会的儀礼又は習俗的行為」であれば宗教的活動ができることに。地鎮祭や新嘗祭・神嘗祭などの儀式を政府や自治体がやれるようにするもの。戦死した国防軍人の慰霊祭などもやろうという魂胆か? posted at 22:08:08
- 自民党憲法改正草案20第21条表現の自由。第2項を新設し「公益及び公の秩序を害することを目的とした」結社は禁止できることに。憲法改正が「公の秩序を害する」ことなら、憲法改正を掲げる政党・団体は一切禁止。それが資本主義体制なら、社会主義や共産主義を掲げる政党は禁止。現代版治安維持法。 posted at 22:13:29
- 自民党憲法改正草案21 自民案第21条の2。国には国政上の行為について国民に責任する責務があるとの規定を新設。こんな一般的規定を憲法に盛り込んで何の意味があるのかという疑問は別にしても、基本的人権の中に唐突にこんな国の責務規定を盛り込むのは基本的人権の何たるかを分かってない証拠。 posted at 22:29:44
- 自民党憲法改正草案。ほんとにこんな調子でつぶやいていたら、きりがない。あ〜、なんていう出来の悪い草案なんだ… posted at 22:32:05
なお、自民党の憲法改正草案そのものは、こちらから。