Twitterでばかりつぶやいているので、すっかりブログへの書き込みをサボってました。^^; ということで、まとめて書き込みます。
まず、7日の新日本フィル創立40周年記念特別演奏会。ハーディングの指揮で
- R・シュトラウス:組曲「町人貴族」 op.60
- ワーグナー:女声のための5つの詩「ヴェーゼンドンク歌曲集」 op.91
- マーラー:交響曲第1番 ニ長調
メゾ・ソプラノは藤村実穂子さん。プログラムの対訳をみると「訳:藤村実穂子」とあって、やはりドイツものは藤村さんだと再確認。とはいえ、トリフォニーは音が固くなるので、いまひとつ伸びやかさに欠ける。マーラーも同じ。4日に公開リハーサルを見に行って、1階最後尾で聞いていたときは、もっといい音が響いていたのだが、3階席ではそうもいかないか……。
次は、13日の日フィル杉並シリーズ第1回。
- グラズノフ:バレエ音楽「ライモンダ」より
- チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 op.64 《悲愴》
でかけようと思ったら、中央線が人身事故で止まっていたとのことで、電車はノロノロ運転。途中、間に合うかなぁと心配になったけど、僕はとりあえず無事到着(早めに出かけたから)。で、着いてみると、開会とともにラザレフが登場し、グラズノフとチャイコフスキーについて約15分間熱くプレトーク。2人の魅力やチャイコフスキーがもっと長生きしていたら20世紀の音楽をどう思っただろうなど演奏家らしい興味深いお話でした。
前半、グラズノフのライモンダは、ラザレフ氏がステージに登場して拍手が鳴り止まないうちに演奏スタート。プレトークで強調していた通り、弦、管、ピアノ、ハープ、チェレスタなどの魅力たっぷりで、美しい旋律があれば異国情緒の旋律もあり。ワクワクする音楽でした。
後半「悲愴」では、前半とうって代わってラザレフ氏は客席が本当に静まるまでじっと構えて、始まりの静寂を大切にスタート。これもプレトークで強調されていた点です。第3楽章で木野さんの弦が切れるハプニングがあり、第4楽章の始まりに手間取ったのが残念でしたが、ラストはコントラバスに少し低音を強く響かせて、消えゆくのに抗っているかのような雰囲気を醸し出していたのが印象的でした。音が消えたあとも、ラザレフ氏の手はリズムを刻み続け、こちらも固唾を呑み、静寂の音を楽しませていただきました。ただ、全体としては、いつものラザレフ&日フィルに比べると、ちょっと音が荒かったような印象。収容人員1200人とホールが狭い分、生の音がブレンドされる間もなくストレートに響いてきたからかも知れません。しかし、それ以上の充実感でした。
翌日は都響の第734回定期演奏会。指揮は小泉和裕さん。
- ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 op.15
- ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第1組曲、第2組曲
ピアノはマリア・ティーポ。この日の収穫は、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」。いままでは、なんだかなぁ〜という印象しかなかった曲ですが、この日の演奏は非常によく分かったし、おもしろかったです。また聴いてみたくなりました。
さらにその翌日は読響の第515回定期演奏会。そのときは気づきませんでしたが、515回目の定期演奏会が5月15日というのは偶然の一致なんでしょうか? ww 指揮は下野竜也氏、ヴァイオリン・ソロは三浦文彰くん。
- ライマン:管弦楽のための7つの断章―ロベルト・シューマンを追悼して
- シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調
- シューマン:交響曲 第2番 ハ長調 op.61
前半ライマン「管弦楽のための7つの断章」は日本初演。演奏に先立ち、下野氏が登場し、引用されているシューマンの旋律を紹介するほどの熱の入れようでしたが、始まってみれば僕の一番苦手な、ぞわぞわもぞもぞ音楽。肩の痛さで寝不足なのと鎮痛剤のために、そのまま爆睡してしまいました。^^; 続くシューマンVn協もふたたび爆睡状態へ。ソリストの三浦文彰君はまだ19歳? アンコールでパガニーニ「パイジェルロの水車屋の娘から 我が心もはやうつろになりて」による変奏曲を披露。右手で弾きながら左手で弦をはじくという超絶技巧曲で、お客さんは拍手大喝采ですが、音楽的な表現力みたいなものはまだまだこれからという感じ。まあ、若いんだから、そりゃ当然でしょう。
後半のシューマン交響曲第2番。この日は、前半ともに右手前にチェロを配置し低音を重視した演奏。音的には重厚なのですが、テンポは速めでサクサクずんずん進んでゆきます。不安定さを含みながら、しかし決して停滞しないという感じでしょうか。下野さんの精力的な指揮ぶりと読響の実力が遺憾なく発揮され聴き応え十分の演奏でした。
さて、18日は新日本フィルの定期演奏会。
- ドヴォルジャーク:交響詩「金の紡ぎ車」 op.109
- マーラー:歎きの歌(初稿版)
この日も、アルミンクらしい意欲的なプログラム。「歎きの歌」は、曲の途中に後の交響曲を思わせるフレーズが一杯出てくるのですが、それが十分展開されないままに次の展開に移ってしまうあたりが20歳の作品ということでしょうか。オケも健闘しましたが、一番がんばったのは合唱団、お疲れさまでした。ただ、ストーリーは陰惨。しかし、その内容の陰惨さがなかなか迫ってこない。そこはアルミンクの趣向かもしれませんが、O Leide, weh! O Leide! の叫びがもっと響き合ってほしかったと思いました。でも、これだけの大作、十分堪能させていただきました。
ソリストは、天羽明惠(ソプラノ)、アネリー・ペーボ(メゾ・ソプラノ)、望月哲也(テノール)、イシュトヴァーン・コヴァーチ(バス)の各氏。合唱は栗友会合唱団と東京少年少女合唱隊。
最後は、日フィルの定期演奏会。「ラザレフが刻むロシアの魂」シリーズの第3弾です。
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 op.30
- チャイコフスキー:交響曲 第3番 ニ長調 op.29《ポーランド》
指揮はもちろんラザレフ、ピアノは上原彩子さん。
前半、上原さんが大胆かつロマンチックに弾いていくのが印象的。正直言って、出だしから、えっこんな曲だっけ? と思ったほど。それを確実にひきたててゆく日フィルの演奏もなかなかなものでした。
後半のチャイコフスキー交響曲第3番は、なによりも金管、木管、弦の音の綺麗なこと!! やっぱりチャイコフスキーはこれでなければいけません。とりわけホルンとトロンボーンはお見事でした。弦もほんとに綺麗な透明感ある音を響かせて、それがラストの盛り上がりでも濁らない。さすがです!!
というわけで、音楽三昧の日々。遊びほうけているわけではありません。これしか楽しみがないもんで……。お許し下さい。(^_^;)