安倍新政権がみせている歴史「見直し」の動きに、米政府が「慎重な対応」を求めていたと、日本経済新聞が報道。やはり「見直し」はそう簡単にはいかないようです。
米、日本政府の歴史認識見直しをけん制
[2013/1/6 0:03 日本経済新聞]
【ワシントン=中山真】オバマ米政権が日本政府に対し、旧日本軍の従軍慰安婦の強制連行を事実上認めた「河野談話」など過去の歴史認識の見直しに関して慎重な対応を求めていたことが分かった。見直しは韓国や中国など近隣諸国と日本の関係の深刻な悪化につながりかねず、オバマ政権が重視するアジア太平洋地域の安定などにも悪影響を与えるとみているためだ。
米側は昨年末、複数の日本政府高官にこうした意向を伝えた。オバマ政権高官は日本経済新聞の取材に「特に『河野談話』を見直すことになれば米政府として何らかの具体的な対応をせざるをえない」と述べ、正式な懸念を示す声明の発出などの可能性に言及。談話の見直しの動きを強くけん制した格好だ。
安倍内閣は日本による過去の植民地支配と侵略を謝罪した1995年の村山富市首相談話を引き継ぐ一方、「21世紀の未来志向」をうたう新たな首相談話を検討する有識者会議を設ける方針。「河野談話」についても菅義偉官房長官が「政治、外交問題にするつもりはない」とする一方で、踏襲するかどうかを明言しなかった。