古い話で恐縮だが、最近教えてもらったので。
昨年12月の総選挙にあわせて、高校生たちが模擬投票をおこなったら、比例代表選挙では共産党が第1党になったそうだ。「しんぶん赤旗」東海・北陸信越のページ1/13付の「取材メモ」に次のような記事が出ていた。
【取材メモ】模擬選挙で共産党が第1党
[しんぶん赤旗 東海北陸信越版 2013/1/13]
昨年12月の総選挙期間中、三重県立桑名西高校で3年生を対象に「未成年”模擬”総選挙」が実施されました。実際の選挙の開票後公表された同校の選挙結果を見る機会がありました。
驚いたことに、比例の第1党は日本共産党でした。有効票152票中43票の得票。得票率は28.29%で、第2党の自民党の21.71%を大きく引き離しています。
生徒たちは、自分と政党との考えの一致度を知ることができる投票支援サイトを活用したり、一般紙に掲載された各党の政策一覧などを使ったりして事前に学習したといいます。選挙管理委員会から借りた投票箱が置かれた投票場所には、各党から取り寄せたポスターと政策パンフレットも並べられました。
模擬選挙は教育の一環として実施されているもので、当然「公正・中立」が徹底されていますから、その政党選択は純粋に政策を比較検討した結果だと考えられます。
実際の総選挙で日本共産党は議席を伸ばすことはできませんでしたが、桑名西高の生徒たちが澄んだ目で政策を見比べ、日本共産党を第1党に選んだことに「明るい未来を感じる」とまで言うのは小紙の”手前みそ”でしょうか。
で、インターネットをググってみると、中日新聞に記事が出ていた。
桑名西高の3年生 模擬選挙で政治に関心 小選挙区、比例代表に”投票”
[中日新聞 北勢版 2012/12/15朝刊]
【三重県】16日投開票の衆院選を前に、桑名西高校(桑名市志知)の3年生が13、14日の2日間、校内で模擬投票を体験した。原発や年金問題を考えながら一票を投じた。
将来、生徒が有権者となったときに選挙に関心を持ってもらうことなどを狙いに実施した。まず政治経済の授業で新聞記事などを使って各政党の公約を比較。自分の考えをまとめた上で三重3区の小選挙区と、比例代表の投票に臨んだ。
投票所は昇降口前の廊下で、市選管から借りた本物の投票箱と記載台を使用。授業を終えた生徒たちが次々と訪れ、投票用紙に向かった。
生徒たちの投票基準となった施策は年金や介護、外交問題とさまざま。土肥透馬さん(18)は「原発問題、消費税増税、憲法改正の三点で考えた」。内田諒香さん(18)は「自分たちのことは自分で決めたい。有権者になったら絶対選挙に行きたい」と話していた。
17日に開票し、投票率を出して、実際の結果と比べるという。
で、こっちが開票結果の記事というか、記者の取材メモ。
【波の詩】選挙に行かなきゃ
[中日新聞 2012/12/25朝刊]
【三重県】衆院選の期間中、桑名西高校の三年生による模擬選挙を取材した。実際の選挙が終わり、結果を聞きに、再び生徒たちに会いに行った。
特徴が表れていたのは比例の結果。最も得票したのは共産党だった。実際の結果と異なった理由を尋ねると「具体的な政策をみたからでは」との答え。
生徒たちは投票前、設問に答えると自分の考えに最も近い政党を知ることができる「ボートマッチ」というサイトのサービスを活用した。生徒の体験談によると、具体的な政策を多く打ち出している政党ほど、選ばれやすい仕組みになっているようだ。
今回の衆院選は戦後最低の投票率に。ある女子生徒は「政党が多くて分からないとか、忙しいとか言って選挙に行かないのは逃げだ。分からなければ調べればいい」とバッサリ。「選挙に行かなきゃという義務感を与える教育が必要だ」とも。この言葉、どれほどの大人の心に届くのだろう。
具体的な政策を調べてみたら共産党になった、というのがおもしろいと思う。