新庄博『新版金融論』 ノート代わりにつぶやきました

新庄博『新版金融論』

新庄博『新版金融論』(有斐閣全書、1965年)

新庄博『新版金融論』(有斐閣全書、1965年)のノートです。

  • 貨幣数量説は、賃金を決定する労働市場を無視している。22頁
  • 資金のフローは所得から始まる。所得は、生産要素の雇用に対して支払われる。受け取られた所得は消費支出されるか貯蓄されるかするが、消費されれば、その支払いに用いられた通貨は消費財の販売者の手に移るが、社会的には存続する。しかし所得者の購買力は消滅する。17頁
  • カネの融通を通貨の融通とみるのは狭い。融通の本体は貨幣額において表現される購買力の委譲と見るべきであり、通貨はかかる購買力の移転、処分に役立つ単なる手段。このような貨幣額において表現される購買力を資金fundと名付け、資金と通貨を区別する。16頁
  • 通貨は一種の公共財、その存在高を時々刻々計量しうるストック。それに対して購買力、資金は個別経済的な概念。それを国民経済的に集計することは可能だが、それは一定期間を単位とする個別経済の資金フローの総額でしかない。17頁
  • 国民所得は貨幣的概念、国民生産物は実物的概念。40頁

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