『デフレーション』の著者・吉川洋東大教授が、「日経ビジネス」のインタビューに答えて、「デフレは、賃金を下げすぎた経営者の責任だ」と語っています。
デフレは、賃金を下げ過ぎた経営者の責任だ:日経ビジネスオンライン
経済学的な立場はまったく違う吉川氏ですが、この指摘については100%同意したいと思います。
吉川氏の指摘で、なるほどと思った点の1つは、日本企業は「効率化でコストを切り詰める『プロセスイノベーション』ばかりをしていた」という指摘。同じイノベーションといっても、これじゃ、ジリ貧に追い込まれていくのは明らかです。
また、コストカットのために、正社員から非正規へシフトしてきたことを指摘し、非正規では「人的資本」としての蓄積もできないと批判されているのも、大事なポイント。
さらに、貨幣数量説批判、デフレの原因はマネーサプライの不足ではなく、国内投資の不足である、云々かんぬん。さらに、マクロ経済学のミクロ経済学的基礎づけという考え方そのものが間違ってるという指摘も、なかなか本質的な批判だと思います。