東日本大震災で吊天井が崩落したミューザ川崎シンフォニーホールのリニューアルオープン記念コンサートに行ってきました。指揮はユベール・スダーン、演奏は東京交響楽団。
- ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB109(ノヴァーク版)
- ブルックナー:テ・デウム ハ長調 WAB45
ブルックナー自身が、4楽章が完成できなければ代わりにテ・デウムを演奏するようにと言い残していたということで、今日は、途中に休憩を入れずに、3楽章に続いてテ・デウムが演奏されました。
とはいえ、3楽章が終わったところで拍手が起こってしまうし、合唱団・ソリストを入れるために時間がかかってしまうわで、結局、9番とテ・デウムを一体のものとして演奏するというのはあまり成功しなかったのではないでしょうか。そもそも調性も合わないし、曲の雰囲気も全然違うので、連続して演奏したとしても曲としての一体性が生まれるかどうかはかなり難しい課題です。
それはともかく、3管編制でのテ・デウムは非常に豪華。聴き応えたっぷりでした。
前半の交響曲第9番についていえば、残念ながら、ブルックナーの世界に没入するというところまではいきませんでした。前に同じスダーンの指揮で8番を聴いたときには、さすがと感動したんですが、どこが違ってたんでしょうねぇ。
しかし、最上階までストレートな音が上がってきて、もともとミューザって、こんな響きでしたっけ?と驚いたほど。おかげで、4階席だというのに臨場感ある演奏を楽しむことができました。
演奏が始まる前、東響のメンバーがステージに登場したところからコンマスのニキティンが登場するまで、ずっと会場からは大きな拍手が途切れずに続きましたが、みなさんが今日のリニューアルオープンを待ち望んでいたことが伝わってきました。
【演奏会情報】 MUZAリニューアルオープンコンサート
指揮:ユベール・スダーン/コンサートマスター:グレブ・ニキティン/管弦楽:東京交響楽団/ソプラノ:サビーナ・フォン・ヴァルター/メゾ・ソプラノ:白井光子/テノール:チャールズ・キム/バス:パトリック・シンパー/合唱:東響コーラス/合唱指揮:安藤常光/会場:ミューザ川崎シンフォニーホール/開演:2013年4月7日 午後3時