資本論第3部第1章について呟きました。
- 資本論第3部第1章で、verausgabtをvergeschoßenやabgewandtと対比して使っている箇所がある。新日本訳ではこのverausgabtが「支出された」と訳されているが、それでは対比の意味が分からない。これは「消費された」と訳すべきだろう。 #資本論 posted at 11:40:10
- 要するに、ただ単に金銭的に前貸しされたり使用されたりしたかどうかではなく、実際に生産過程において消費され、使い果たされたかどうかを問題にしている訳ね。その時に、「支出された」ではその違いが分からない。 #資本論 posted at 12:21:49
- 資本論第3部第1章については、マルクスの草稿は主要草稿の他、エンゲルスが第2草稿、第3草稿と書き込んだもの、さらにエンゲルスが「使用しない」とした2つの草稿、IISG A75の通称「第4草稿」と、モスクワにある「第5草稿」がある。 #資本論 posted at 16:27:35
- 問題はこの執筆順序。MEGA/4.3では、第4→第5→第3→第2となっている。編集過程では日本の研究者からは第2→第3→第5→第4ではないかとの異論が出された。しかしMEGA/4.3ではこの意見は採用されなかった。 #資本論 posted at 16:31:15
- しかしMEGA/4.3の各草稿を読み比べてみると、日本の研究者から出された異論の方が妥当ではないかと思われる。 #資本論 posted at 16:32:44
- まず、第3草稿には注番号しか書かれておらず、その注番号は第2草稿の注に対応している。従って、第2草稿→第3草稿という執筆順序は動かし難いように思われること。 #資本論 posted at 16:34:58
- 次いで、第4、第5草稿では、マルクスが第3草稿に後から書き込んだ訂正が、初めから本文に書き込まれていること。このことは、第3草稿が先に書かれ、その後で第4、第5草稿が書かれたことを示している、 #資本論 posted at 16:37:31
- そして、第4草稿と第5を比べてみると、文章の展開の仕方が、第5草稿の方がより第3草稿と似通っている。ここからは、第3草稿→第5草稿→第4草稿という執筆順序がうかがえる。以上を総合すると、第2草稿→第3草稿→第5草稿→第4草稿という順に執筆されたと考えるのが一番素直。 #資本論 posted at 16:42:29
- この見解の相違は、いまどのように扱われているのだろうか? ご存知の方がいらっしゃれば、ぜひご教示願いたい。 #資本論 posted at 16:46:17
- 資本論第3部第1章の精読完了!主要草稿以外の第1章関連の4つの草稿について深めることができたのが一番の成果。 #資本論 posted at 21:39:12