吉川敏子『氏と家の古代史』

吉川敏子『氏と家の古代史』(塙書房)

吉川敏子『氏と家の古代史』(塙書房)

日本古代の「氏(うじ)」と家(「戸」)を論じた本。著者は奈良大学教授。

「氏」が「始祖を共有する父系系譜で結ばれた集団」(8ページ)であることをわかりやすく解き明かしている。氏姓は制度のもとで、中央の豪族(「氏」)は「連」や「造」などの「姓」を天皇から与えられる。そして、たとえば大伴連に従属する地方の豪族は「大伴直」という氏姓が与えられる。もちろん、大伴連と大伴直は血縁関係はないし、各地の大伴直同士にも血縁関係はない。

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