今朝の朝日新聞に、「若者ほど自民に『変革』イメージ」という記事が載っていた。
調査は「変革」を1、「安定」を6として、自民党のイメージをたずねたもの。で、回答の平均値を出してみると、20代は3.03、30代は3.09で、年代が上がるほど中央値(3.5)に近づくという。参院選で自民党に投票した20代の場合は2.92になったそうだ。
ま、若者が自民党に「変革」イメージをいだいているというのは以前からいわれていたことで、結果は予想通りといえるが、それだけ「行き詰まり」感が強いということだろう。実際には、その自民党こそがその「行き詰まり」を生み出してきた根源なのだが。
若者ほど自民に「変革」イメージ 朝日新聞世論調査
[朝日新聞デジタル 2013年12月28日22時39分]
自民党に対し、若い年代ほど「変革」のイメージを抱いていることが、朝日新聞社の世論調査(郵送)でわかった。また、自民への「右寄り」の印象も、若い年代ほど薄かった。
若者の政治や社会に対する意識を幅広く探るため、20代だけの調査を11月上旬?12月中旬に実施。同時期に30代以上にも同一の質問による調査を行った。有効回答は20代の調査は1839件(回収率61%)、30代以上の調査は1792件(同72%)。
調査では「変革」を「1」、「安定」を「6」とし、今の自民のイメージはどちらに近いか、6段階で聞いた。20代の回答の平均は中心(3・5)より「変革」寄りの3・03。30代は3・09で、年代が上がるほど中心に近づき、70歳以上は3・51とわずかに「安定」寄りだった。7月の参院選比例区で自民に投票したと答えた20代は2・92で、「変革」の印象が特に強い。
自民が「左寄り」(1)か、「右寄り」(6)かについても同様に尋ねた。20代と30代の平均は「右寄り」とはいえ中心に近い3・61。年代が上がるほど「右寄り」が強まり、70歳以上は4・09だった。
一方、今の若者は右傾化しているとの指摘もあるが、調査結果を見ると、中高年に比べて右傾化しているとは言い切れなかった。
1945年に終わった戦争について「侵略戦争ではなかった」と答えた20代は33%と少数派だったが、年代ごとに比較すると最多。「在日韓国・朝鮮人は日本から出て行け」という主張に「大いに共感する」と答えた20代、30代は6%。かなり少ないものの、他の年代よりは多かった。
しかし、愛国心について「学校で教えるべきだ」と答えた20代は31%で、年代別では最少。仮に外国から攻撃を受けたら、命の危険があっても国のために戦いたいと思うかどうか、という質問に「戦いたい」と答えた20代も13%にとどまり、12%だった30代に次いで少なかった。
憲法9条を変えて自衛隊を国防軍にすることの賛否などは、年代差はあまりなかった。
【追記】
さらに次の点も注目しておくべき。
(1)アジア・太平洋戦争について「侵略戦争でなかった」と答えた割合が20代で33%、「年代ごとに比較すると最多」。「在日韓国・朝鮮人は日本から出て行け」という主張に「大いに共感する」との回答が20代、30代で6%、「他の年代より多かった」。こうしたかなりエキセントリックな主張の支持率としてはかなり高いといえるかもしれない。
他方で、愛国心を「学校で教えるべきだ」は20代で31%、他の年代に比べ最小。命の危険があっても国のために「戦いたい」は20代13%、30代12%。
結局、歴史的な知識、社会的な想像力の欠如を反映しているといえるかもしれない。