産経新聞が、日本共産党の大会について記事を載せている。曰く、「安倍政権の現実路線を奇貨として“戦争前夜”のムードをあおることで、自民党を支持する穏健な保守層や無党派層を『統一戦線』に取り込んでいく戦略」なのだそうだ。
共産党大会開幕 “戦争前夜”ムードあおり、穏健保守層取り込み戦略 – MSN産経ニュース
産経らしいと言ってしまえばそれまでだが、安倍首相が憲法改正や自衛隊の海外武力行使を狙った動きを強めているのを「現実路線」と呼び、共産党の側が「戦争前夜のムード」を煽っていると、まったく事態をまったくあべこべに描き出している。
自民党を支持してきたような「保守層」や「無党派層」の人たちと、共産党の共同が広がっているのは、産経新聞のいう安倍政権の「現実路線」が多くの人に不安や懸念を生み出しているからにほかならない。安倍政権の暴走にストップをかけられる政党は、もはや日本共産党しかない、というのは多くの人の認めるところ。だからこそ、日本共産党は、今の情勢を本格的な「自共対決」の時代の始まりと意義づけ、安倍政権の暴走と対決し、文字どおりこれまで自民党を支持してきたような方々とも共同しよう、そして「自共対決」を本気でたたかえるように共産党自身を強く大きくしようという方針を提起しているのだ。
共産党大会開幕 “戦争前夜”ムードあおり、穏健保守層取り込み戦略
[2014.1.15 20:06 MSN産経ニュース]
共産党の第26回党大会が15日、静岡県熱海市の党員研修施設「伊豆学習会館」で、4年ぶりに4日間の日程で開幕した。志位和夫委員長は大会決議案に関する中央委員会報告で、安倍晋三政権の外交・安全保障政策を「海外で戦争する国づくりの野望だ」と繰り返し批判し、「安倍政権の暴走」を阻止するために国民運動を展開していくと宣言した。
安倍政権の現実路線を奇貨として“戦争前夜”のムードをあおることで、自民党を支持する穏健な保守層や無党派層を「統一戦線」に取り込んでいく戦略を鮮明にしたといえる。
志位氏は「共産党が自民党への批判を託せる唯一の政党だ。『自共対決』時代が本格的に始まった」と強調。安倍政権による特定秘密保護法成立や集団的自衛権行使容認をめぐる憲法解釈見直し、憲法改正への動きなどを例に挙げ「有害で危険極まりない。戦後の保守政治が掲げてきた諸原則すら否定する右翼的反動的な立場だ」と攻撃した。
さらに「安倍政権の暴走に次ぐ暴走」は従来の自民党の支持層も含めた多数の民意に逆らうものだと指摘した上で、「日米安保条約を廃棄し、戦争する国づくり、暗黒日本への道を許さない国民的運動の拡大」を呼びかけた。
また、昨年夏の参院選での議席増による“第3の躍進”を本格的な流れにすることが「21世紀の早い時期に民主連合政府を樹立する目標への展望を開く」と強調。具体的な数値目標として(1)3年以内に行われる次期衆院選と参院選では比例で650万票、得票率10%以上獲得(2)2010年代に党員を50万人(現在約30万5千人)、機関紙「しんぶん赤旗」(日刊紙・日曜版含む)読者を250万人(同約124万1千人)にほぼ倍加させる?方針を打ち出した。