今年から新国立劇場・芸術監督に就任した飯守泰次郎氏の最初の公演、ワーグナー「さまよえるオランダ人」を28日に見てきた。ナマで見るのは初めだが、4階バルコニー最後列なので、せっかくの醍醐味は半分も味わえなかったかも。それでも十分楽しめたが。
それにしても、「さまよえるオランダ人」のテーマといいゼンタの救済のテーマといい、実に演歌調。運命に翻弄され、愛する男性のために最後は女性が命を落とす…。内容的にも、まったくの演歌だった。(笑)しかし、ストーリー的には、なぜゼンタがあそこまでオランダ人に憧れるのか、そこがさっぱり分からないまま終わってしまった。
ソリストたちはみなさんさすがの好演。とくにダーランド、ゼンタは格別でした。合唱も見事だった。ただ、オケのほうは、4階席だったからか、バランスや鳴りが悪く聞こえるときもあって残念だった。
【公演情報】
指揮:飯守泰次郎/演出:マティアス・フォン・シュテークマン/ダーランド:ラファウ・シヴェク/ゼンタ:リカルダ・メルベート/エリック:ダニエル・キルヒ/マリー:竹本節子/舵手:望月哲也/オランダ人:トーマス・ヨハネス・マイヤー/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽:東京交響楽団