今日はサントリーホールで、読響の定期演奏会。指揮はユーリ・テミルカーノフ氏
- マーラー:交響曲第3番 ニ短調
テミルカーノフ氏は、これまでショスタコーヴィチを振るのは何度か聴いたことがある。淡々とした雰囲気から、凄まじい演奏がくり広げられてくるので大好きな指揮者。しかし、マーラーは初めて。それも3番という、マーラーの交響曲のなかでも一番長い?曲だ。
1楽章、とてもゆっくりとした出だして驚いた。案の定、あちこちでオケの足もとがもつれた感じになったが、楽章がすすむにつれてだんだんと勢いも出てきて、ぐんぐん良くなっていった。3楽章、ポストホルンの響きにも固さが感じられたが、まあ気にならない程度。
4楽章でメゾ・ソプラノが音程不安定で今ひとつだったが、5楽章の児童合唱団のビム・バムが明るくとても良かった。本当に上手かった。女声合唱も歌詞がはっきり通って、なかなか。
6楽章。いつもこの曲のここにくると、おのれの来し方を目の前にずらりと並べられて、さあどうだ、本当になすべきことをお前はやってきたのか? これから、人生の行く末まで、なすべきことをきちんとやっていけるのか?と人生の自己総括を迫られているような気分になる。しかし今回のテミルカーノフ氏の指揮はテンポが良かった?分、深刻さは少なく、その分音楽を楽しむことができた。
それでもテミルカーノフ氏のうちに秘めた闘志のようなものを感じた演奏会だった。
【演奏会情報】
指揮:ユーリ・テミルカーノフ/メゾ・ソプラノ:小山由美/女声合唱:新国立劇場合唱団/児童合唱:NHK東京児童合唱団/コンサートミストレス:日下紗矢子
会場:サントリーホール/開演:2015年6月5日(金)19:00?