金曜日は、日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会。首席指揮者のラザレフが、ショスタコーヴィチの交響曲第9番を振りました。
- ストラヴィンスキー:バレエ音楽《妖精の口づけ》
- チャイコフスキー:二重唱《ロメオとジュリエット》
- ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 op.70
9番といえば、ベートーヴェンの「第九」いらい、マーラーが交響曲第9番を書いたら死ぬという妄想にとらわれたり、ともかく作曲家にとっては意識されるもの。ところが、ショスタコーヴィチの9番はたった25分の短い曲。しかも諧謔的な曲で、初演のときから物議をかもした作品。それをラザレフがどう振るのか、当然期待しますが、他方で、たった25分では後半のメインとしては短すぎるわけで、組み合わせて演奏される曲がどんなものか、それも気になるところでした。
期待の9番は、この曲が決して単純に諧謔的なだけの作品でないことを感じさせてくれる見事な演奏でした。第4楽章の低音ブラスは、予想通りゴリゴリやってくれました!ファゴットの長吹きも、さすが鈴木さん!CDでは何度も聞いていますが、実演の機会は滅多にない曲を存分に楽しませてもらいました。
しかし、その分、前の2曲が地味というか退屈というか…。「妖精の口づけ」はチャイコフスキーへのオマージュだというのですが、その割に音楽はチャイコフスキー風でもないし、ストラヴィンスキー風なところもなく、バレエ付きなら素敵な曲なのかもしれませんが、管弦楽だけではいささか冗長に感じられて、少々眠くなってしまいました。2曲目はチャイコフスキーの遺作で、それなりに聴きどころもありましたが、これもチャイコフスキーっぽさは不足気味。ちょっと残念でした。