Google Booksで資本論の各版が見つかる件

『資本論』第1部第2版(1872年)の本扉

『資本論』第1部第2版(1872年)の本扉

Google Booksを検索してみると、マルクス、エンゲルス関係、資本論関係のさまざまな文献が見つかる。まず、『資本論』そのもの。第1部では、初版(1867年刊)は見つからないが、それ以外はコピーが公開されている。

探し方は、簡単。

まず、Google Booksの検索窓で”Karl Marx Das Kapital”と入力。ただこのままでは検索結果が多すぎるので、「検索ツール」をクリックして、「すべての書籍」を「プレビュー利用可能」に、「期間指定なし」を(たとえば)「19世紀」に設定して絞り込む。これだけ。あとは表示された候補をクリックしてみて、資本論の表紙(本扉)が表示されれば正解!というわけだ。

あとは、画面右上の「歯車」マークをクリックすると、保存方法がいろいろ出てくるので「PDFのダウンロード」を選択して、パソコンに保存すれば、いつでも好きな時に『資本論』の原テキストを読むことができる。

なぜ原テキストにこだわるかというと、一般にドイツ語版資本論として一番よく利用されるDietz社のヴェルケ版(MEW)はもちろん、新MEGAも編集者によって校訂されたテキストだということである。誤植や数字の誤りなどが校訂されており、それについて注記がある場合もあるが、ない場合もある。だから、資本論のテキストということになると、やはり原典そのものを確かめることが必要となる。日経BPの中山元訳『資本論』は、エンゲルス編集第4版を定本にしたと謳っておられるが、MEWが無断で第4版のテキストを変更した箇所はそのままMEWに従った訳になっている。おそらく実際にはMEWをもとに翻訳作業をされたものと想像されるが、そもそもMEWが校訂されたテキストだということが意識されていないのであろう。

第2部、第3部についても、同じようにGoogle Booksで見つかる。

第2部(初版、1885年)
第3部・上(初版、1894年)
第3部・下(初版、1894年)

ほかにも日本国内では、横浜国立大学、東京大学、東京経済大学などが所蔵する『資本論』第1部初版のコピーをインターネットで公開している。

ちなみに、東京大学経済学部図書館では、次のものがPDFファイルで公開されている。第2部第2版もあったのだが、見つからない…。

東京経済大学図書館蔵の『資本論』はこちらから
http://hdl.handle.net/11150/1374

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