本日は、サントリーホールで、新日本フィルの定期演奏会。ダニエル・ハーディング指揮で、
- ディーン:ドラマティス・ペルソネ ※日本初演
- ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ベンヤミン=グンナー・コールスによる新版2015) ※日本初演
前半ディーンのトランペット・ソロはホーカン・ハーデンベルガー。
この間、ハーディングは「復活」とか今回のブル7とか大曲を振るのに、なかなか結果が伴わず、今日のブル7もかなり心配していたが、果たして如何に。
前半は、第1楽章「スーパーヒーローの転落」、第2楽章「独白」、第3楽章「偶発的革命」と題されたソロ・トランペットと管弦楽の曲。落ちぶれたヒーローをソロ・トランペットが演じ、弱音器なども駆使して、いろんなトランペットを音を楽しませてくれる。変拍子だったり、ちょっとずつ音程がずれていたりと、なかなかの難曲だが、最後、オーケストラが演奏するマーチと全然噛み合っていないトランペットが、いつの間にかマーチに巻き込まれていくあたりが面白く聞けた。アンコールは、ジャズのスタンダードナンバーである「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」
後半、ブル7は、全体で約60分ちょっとという快速運転で、神々しさこそないが、さくさくと進んで非常にわかりやすいブルックナー。管、弦ともに最高レベルとは言い難いが、それでも最後まで求心力を失わず、ハーディンの棒によくついていったと思う。4楽章のゲネラル・パウゼは実にたっぷりとって、変化のつけ方もうまい。同じプログラムで昨日もパルテノン多摩でやっているから、1日目はいろいろ問題ありでも、2日目にはぐっと良くなるという「ハーディングの法則」が働いたのかもしれない。いつもこれくらいの仕上がりなら楽しみなのだが。
日本初演というベンヤミン=グンナー・コールス版は、プログラム・ノーツによれば、「初版」(いわゆるシャルク版)をベースにしたものらしいが、素人の僕には、ノヴァーク版とのこれという違いは判らなかった。
【演奏会情報】新日本フィルハーモニー交響楽団サントリーホール・シリーズ第549回定期演奏会
指揮:ダニエル・ハーディング/トランペット:ホーカン・ハーデンベルガー/コンサートマスター:崔文洙/開演:2015年11月8日 午後2時/サントリーホール