フリッツ・ロイター

フリッツ・ロイター(1810-1874)

フリッツ・ロイター(1810-1874)

今日は、マルクスが『資本論』第2部第20章第13節で言及しているフリッツ・ロイターという人物について調べた。

フリッツ・ロイターは、1810年生まれ(だからマルクスより8歳年上)、1874年に没したドイツ人作家。1833年に「学生組合Burschenschaft」に加入した罪で死刑判決を受け、のちに30年の重禁固に減刑された。恩赦で1840年に釈放されたが、のちにこのときの体験を『わが監獄時代』に著わしている。

  • 今日はマルクスが資本論第2部第20章第13節で言及しているフリッツ・ライナーという、マルクスたちと同時代のドイツの作家について調べました。エンゲルスは「ヴィルヘルム・ヴォルフ」という論文で言及しています(全集18巻) posted at 18:32:00
  • @GAKU_IZ ロイターは1830年代に学生組合に加入して逮捕され、死刑判決を受け、のちに30年の重禁固に減刑され、1840年に恩赦で釈放された人物。この時の体験を『我が監獄時代』に著した。同じ時、ヴォルフもやはり学生組合に加入した罪で収監され、獄中でロイターと出会っている posted at 18:36:47
  • @GAKU_IZ 【訂正】最初のツイートで、ライナーではなくロイターが正しいい posted at 18:37:32
  • @GAKU_IZ ヴォルフが亡くなる直前に、この『我が監獄時代』を読み、出版社を通じてロイターと手紙をやりとりした。エンゲルスはその手紙は私が持っているとして、恩赦で出獄してもロイターは決して「改悛者」てはないと紹介している posted at 18:40:31
  • @GAKU_IZ マルクスがロイターに言及しているのは、別の『我が農場見習時代』という作品。これがまたGoogle Booksで見つかっちゃうんだな www ほんとにGoogle Books恐るべしだよ posted at 18:59:57

ちなみに、新日本出版社の『資本論』では、フリッツ・ロイターの物語に出てくる「大きな貧乏(アルムート)は大きな貧乏(ポヴルテ)から出てくる」という「監督ブレージヒ」の秘密なるものについて詳しい訳注がついている(新書版(7)、774-775ページ)。

*〔「ブレージヒおじさん」とも言われる。ドイツの民主的作家フリッツ・ロイターの物語『監督ブレージヒの手紙』(1855年)と『監督ブレージヒの冒険』(1861年)、とくに小説『わが農場見習時代より』(1862―1864年、三部作)に出てくる北ドイツの典型的農場経営者。この句は、右の三部作の第39章にある。草稿では、「貧乏は大きな貧乏からくると自分の農民に説明するロイターの監督」となっている。同義語で説明するこっけいさをさす〕

この『わが農場見習時代より』の原題 Ut mine Stromtid でGoogle Booksを検索すると、何種類かの版が出てくる。いくつかの版があるが、3部作の第3部に、この「大きな貧乏は…」というフレーズが出てくるらしい。

Olle Kammellen IV. und V. (Ut mine Stromtid, 2. und 3. Theil) – Fritz Reuter, Adolf Wilbrandt – Google ブックス

髭文字なのでさっぱり読めないが、これの308ページの一番下にくだんのフレーズが登場する。なお、新日本版の訳注では、それが同書の第39章にでてくるとしているが、308ページは第38章である。新MEGAの注解でも第38章と指摘されている(というか、新MEGAでは第38章となっているので、それを確かめるためにあれこれ調べたというのが本当のところ)。

ちなみに、新日本版の訳注で「民主的作家」とされているのは、エンゲルスが上述の論文でロイターに加えた評価によるものと思われる。

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