麻生内閣:支持率急落 20%台に

麻生内閣の支持率が急落。「読売」だと21%、「朝日」は22%、「毎日」も21%と、軒並み20%前半へ。だいたい30%台が「危険ライン」といわれるのだが、あっさりとそれを割り込んでしまった。

同時に、急増しているのが解散・総選挙を求める声。「読売」だと、「年明けの早い時期」36%、「今すぐ」22%であわせて58%。「朝日」では、「早く実施すべきだ」が51%。「毎日」も「直ちに解散すべきだ」28%、「来年1月の通常国会冒頭」17%で45%を占めている。

先月の調査では、「解散・総選挙より景気対策」が多数を占めていたが、麻生内閣の「景気対策」の混迷ぶりをみて、多くの有権者が「もう解散・総選挙しかない」と考え始めたということだろう。

しかし、支持率20%では麻生首相も自民党も、解散・総選挙に踏み切れないだろう。ますます、世論との格差は広がっていく。「雇用と中小企業を守れ!!」「金融危機のツケを国民に押しつけるな!!」の世論とたたかいをどこまで広げて、麻生内閣・自公政権を解散・総選挙に追い込んでゆけるかどうか、それが大きく問われていると思う。

麻生内閣の支持率半減21%…読売世論調査(読売新聞)
「再編」か「大連立」6割が望む…読売世論調査(読売新聞)
内閣支持22%、「首相適任」小沢氏逆転 朝日世論調査(朝日新聞)
毎日世論調査:内閣支持21%に激減 「首相に」も小沢氏(毎日新聞)
内閣支持率25.5%に急落 小沢氏、党首力で逆転(共同通信)

麻生内閣の支持率半減21%…読売世論調査

[2008年12月7日22時43分 読売新聞]

 読売新聞社が5?7日に実施した全国世論調査(電話方式)で、麻生内閣の支持率は20.9%となり、11月初めの前回調査(40.5%)からほぼ半減した。
 不支持率は66.7%で約25ポイント跳ね上がった。
 麻生首相と民主党の小沢代表のどちらが首相にふさわしいかでも、麻生氏は前回比21ポイント減の29%に落ち込み、14ポイント増やした小沢氏の36%を初めて下回った。
 国民的人気の高さを背景に自民党総裁選で圧勝して誕生した麻生政権だが、わずか2か月余で“刷新効果”は消え去った。与党は強い衝撃を受けており、今後、自民党内で首相交代を求めたり、新党含みの動きが表面化したりする可能性もある。
 麻生内閣の支持率は「危険水域」とされる3割を割り込み、8月の本社面接調査で28.3%だった福田内閣末期より低い水準に落ち込んだ。
 内閣を支持しない理由は「政策に期待できない」32%が最も多かったが、「首相に指導力がない」29%(前回9%)、「首相に安定感がない」25%(同13%)が急増した。有権者が首相の資質に失望したことが、支持率急落を招く大きな要因になったようだ。
 最優先課題である経済・景気対策への評価も厳しい。内閣が今の経済情勢に「的確に対応していない」は83%を占め、追加景気対策のための第2次補正予算案提出を年明けに先送りしたことを「妥当ではない」とする人も67%に上った。
 また、首相が問題発言や失言を繰り返していることが政権運営に悪影響を及ぼしていると見る人は77%に上った。
 政党支持率も、自民は27.2%(前回比5.2ポイント減)と低下し、民主の28.2%(同4.8ポイント増)に逆転された。さらに、次期衆院比例選での投票先では、民主が40%、自民24%となり、麻生内閣発足以来初めて民主が自民を上回り、大きく差をつけた。
 ただ、衆院選後の望ましい政権では「政界再編による新しい枠組み」33%がトップで、「自民党と民主党による大連立」25%がこれに続いた。「民主党中心」は21%、「自民党中心」は12%だった。有権者の約6割は「自民か民主か」の二者択一を超えた新しい政治を求めていることになる。
 衆院解散・総選挙の時期は「年明けの早い時期」36%、「今すぐ」22%で、早期実施を求める声が約6割を占めた。「来年春ごろ」22%、「来年9月の任期満了までに」14%は、いずれも前回から大きく減った。

「再編」か「大連立」6割が望む…読売世論調査

[2008年12月8日03時05分 読売新聞]

 政権発足からわずか2か月余で“麻生人気”が大きく失墜したことを示す今回の読売新聞世論調査で、最も注目されるのは「衆院選後の政権」として6割近くの有権者が「政界再編による新しい枠組み」(33%)か「自民党と民主党による大連立」(25%)を望んでいることだ。
 当初は期待を抱かせた麻生首相への失望は、有権者の「自民党離れ」を決定的にしただけではない。民主党も含めた今の政治全体への不満を拡大させたことを示している。
 麻生首相が「ポスト福田」の自民党総裁に選ばれたのは、その国民的人気の高さが“選挙の顔”として期待されたからだ。
 9月の総裁選告示直後の読売新聞社世論調査で、小沢民主党代表とどちらが首相にふさわしいかを聞いたところ、「麻生氏59%―小沢氏28%」と麻生氏が圧倒した。麻生内閣発足後の調査でも54%―26%(9月)、56%―23%(10月)、50%―22%(11月)とダブルスコアを続けてきた。ところが、今回は29%―36%と逆にリードを許し、「党首力対決」は小沢氏が制した。
 ただ、今回の調査では、麻生氏と小沢氏のどちらも選ばなかった人が35%に上り、これまでの最高になった。麻生首相に対する失望や不満が、ただちに小沢首相待望論に結びつくわけではないことを示すものだ。
 麻生人気急落の要因が、首相の度重なる失言や前言撤回、金融危機・景気対策のもたつきにあることは調査結果でも明確だ。とは言え、麻生内閣が臨時国会の会期を延長しながら、第2次補正予算案提出を年明けに先送りした背景に「衆参ねじれ」による国会運営行き詰まりへの懸念があることも否定できない。
 次期衆院選をにらみ、2大政党が政策より政局を優先しているように映る今の政治そのものに、国民は厳しい視線を注いでいる。自民支持層のうちで「自民党中心の政権」を望んでいるのは34%、民主支持層でも「民主党中心の政権」を望んでいるのは50%に過ぎない。政治の大きな変化を求める声は高まっている。(世論調査部 渡辺嘉久)

内閣支持22%、「首相適任」小沢氏逆転 朝日世論調査

[asahi.com 2008年12月7日23時32分]

 朝日新聞社が6、7の両日実施した全国世論調査(電話)によると、麻生内閣の支持率は22%で、前回調査(11月8、9日)の37%から急落した。麻生首相と民主党の小沢代表のどちらが首相にふさわしいかの質問でも、麻生氏を挙げる人は30%(前回49%)に大きく下がり、小沢氏の35%(同23%)が初めて上回った。「選挙の顔」としての首相の優位性は完全に失われ、発足2カ月余りですでに政権末期の様相だ。
 内閣支持率は、福田内閣末期とほぼ同じ水準にまで一気に下がった。不支持率は64%(前回41%)。その理由では「政策の面」が63%に達する。自民支持層でも内閣を支持する人は54%(同72%)にとどまり、「麻生離れ」が進んだ。無党派層の支持も11%(同26%)に下がった。
 麻生首相に「実行力がある」とする人は21%で、「そうは思わない」の68%が圧倒した。発足当初は「実行力がある」が54%、「そうは思わない」が28%だった。
 定額給付金を含む追加の補正予算案の提出を来年1月の通常国会に先送りしたことについては、「納得できる」23%を「納得できない」60%が上回った。来年度予算編成の基本方針で、これまでの財政再建路線を転換して、景気対策のため支出を柔軟に増やすとしたことには、「評価する」48%、「評価しない」35%で、一定の支持を受けた。
 麻生首相のこれまでの仕事ぶりの評価を聞くと、「期待外れだ」が最も多く44%、次に多いのは「もともと期待していない」の40%で、「期待通りだ」は12%、「期待以上だ」は1%だった。
 首相にふさわしいのが麻生氏か小沢氏かの問いでは、過去5回の調査でいずれも麻生氏が小沢氏に倍以上の差をつけてリードしていた。背景には野党支持層の一部や無党派層からも支持を受けていたことがあったが、首相への失望感の広がりから、それらが急速に失われたようだ。
 衆院の解散・総選挙の時期については、「早く実施すべきだ」が51%で「急ぐ必要はない」の40%を上回った。「早く実施」は10月下旬の調査では33%まで下がっていた。
 「いま投票するとしたら」として聞いた衆院比例区の投票先は自民28%(同30%)、民主36%(同33%)など。無党派層で民主に投票するという人が31%(同23%)に増え、民主がリードを広げた。政党支持率は自民27%(同30%)、民主23%(同24%)など。

     ◇

 〈調査方法〉6、7の両日、全国の有権者を対象にコンピューターで無作為に電話番号を作る「朝日RDD」方式で調査した。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は2074人、回答率は58%。

毎日世論調査:内閣支持21%に激減 「首相に」も小沢氏

[毎日新聞 2008年12月7日 22時20分(最終更新 12月7日 23時56分)]

 毎日新聞は6、7の両日、電話による全国世論調査を実施した。麻生内閣の支持率は21%で10月の前回調査から15ポイント下落、不支持率は17ポイント増の58%だった。「麻生太郎首相と小沢一郎民主党代表のどちらが首相にふさわしいと思うか」という質問への回答は、麻生首相が21ポイント減の19%、小沢氏が3ポイント増の21%で両者が初めて逆転。「選挙の顔」と「党首力」を期待されて就任した首相が今後、厳しい政権運営を迫られるのは必至の情勢となった。

◇失言、政策迷走…不支持は58%に

 内閣支持率21%は安倍政権最低の07年8月調査の22%を下回る数字。自民党が大敗した参院選直後の調査で、安倍晋三元首相は1カ月余後に退陣を表明した。また福田政権下の08年5月の18%、6月の21%、7月の22%と同水準となった。
 支持理由は「首相の指導力に期待できるから」が前回調査比14ポイント減の19%。不支持理由も「首相の指導力に期待できないから」が14ポイント増の27%となり、政策決定を巡る政権の「迷走」や首相の失言などが支持激減に影響したとみられる。
 首相の不用意な発言や漢字の読み間違いへの評価は「首相の資質を疑う」が48%で「目くじらを立てるほどのことではない」の42%を上回った。
 どちらが首相にふさわしいかは「どちらもふさわしくない」が14ポイント増の54%。9月は麻生首相42%、小沢氏19%、10月は麻生首相40%、小沢氏18%だったことから、麻生首相と答えた層が「どちらもふさわしくない」という回答に流れたことがうかがえる。
 一方、定額給付金への評価は「評価しない」が70%で「評価する」の21%を圧倒。政府が08年度第2次補正予算案提出を09年1月召集の通常国会に先送りしたことも「支持しない」61%、「支持する」24%で麻生内閣が政策的にも支持を集めていないことが浮かんだ。

◇早期の解散求める声が多数

 世論調査には次期衆院選に関する質問も盛り込んだ。いつ解散すべきだと思うかを五つの選択肢で尋ねたところ(1)「直ちに解散すべきだ」28%(2)「来年度予算成立後の来年春」25%(3)「来年1月の通常国会冒頭」17%(4)「任期いっぱいまで解散の必要はない」15%(5)「来年夏ごろ」2%??の順で、早期の衆院選を求める世論が浮かび上がった。
 「自民と民主のどちらに勝ってほしいか」との質問への回答は民主46%、自民29%。自民は前回調査比7ポイント減で、民主も2ポイント減だったが、両党の差はさらに広がった。今、衆院選が実施された場合の比例代表の投票先も民主36%(前回比2ポイント減)、自民22%(同3%減)だった。【坂口裕彦】

 【調査の方法】 6、7日の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS法で調査。有権者のいる1615世帯から、1031人の回答を得た。回答率は64%。

内閣支持率25.5%に急落 小沢氏、党首力で逆転

[2008/12/07 16:49 共同通信]

 共同通信社が6、7両日に実施した全国電話世論調査で、麻生内閣の支持率は25.5%と11月の前回調査から15.4ポイント急落した。不支持率は61.3%と前回から19.1ポイント急増。麻生太郎首相と民主党の小沢一郎代表の「どちらが首相にふさわしいか」との質問への回答は、小沢氏が34.5%(10.1ポイント増)で、麻生氏の33.5%(17.5ポイント減)を初めて逆転した。
 麻生首相の一層の求心力低下は避けられず、首相は来春以降とみられる衆院解散・総選挙の時期について難しい判断を迫られることは必至だ。
 首相が、追加経済対策のための2008年度第2次補正予算案提出を来年の通常国会に先送りしたことを「妥当でない」とした回答は55.7%で、「妥当だ」の26.0%を大きく上回った。景気対策を優先すると強調していた首相の政策のぶれ、一連の失言を世論が厳しく評価した結果といえそうだ。
 次期衆院選比例代表での投票先については民主党38.3%で、自民党27.4%を10.9ポイント上回った。望ましい政権の枠組みも民主党中心が45.4%、自民党中心が33.1%だった。

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