NEC、三洋電機なども派遣・正社員の削減へ

NECが派遣社員1200人を削減する。三洋電機は正社員を含めて1200人を削減する。

日産の系列部品会社カルソニックカンセイも、すでに1000人を削減したが、さらに日産が同社を含む子会社に200人を長期出向させる。いわゆる「玉突き」だが、突かれてクビを切られる子会社の社員はいかばかり…。

NEC半導体子会社、派遣1200人削減へ 全国8工場(朝日新聞)
ヤンマー、期間従業員250人切り 滋賀の5工場(朝日新聞)
三洋が半導体部門1200人を削減へ 国内外で再編(朝日新聞)
日産、2万台追加減産 社員200人は系列社へ長期出張(朝日新聞)

NEC半導体子会社、派遣1200人削減へ 全国8工場

[asahi.com 2009年1月15日12時3分]

 半導体大手のNECエレクトロニクスは15日、3月末までに全国8カ所の製造工場で働く派遣社員を約1200人減らす方針を明らかにした。昨夏時点の全派遣社員の85%にあたる。世界的な自動車や電化製品の販売不振から半導体の需要も激減し、工場の稼働率が下がっているため。すでに東芝や富士通など半導体メーカーの大幅な派遣社員削減の動きが広がっている。
 大半は期間満了により順次契約を終える。対象となる生産拠点は、生産子会社のNECセミコンダクターズ山形の鶴岡工場(山形県鶴岡市)▽同関西の滋賀工場、福井工場▽同九州・山口の山口工場、大分工場、福岡工場など。派遣社員の削減に伴い、鶴岡工場の一部の生産ラインでは、土、日曜日の稼働を今月から止めて減産を進める。

ヤンマー、期間従業員250人切り 滋賀の5工場

[asahi.com 2009年1月15日8時51分]

 ヤンマー(大阪市)は14日、産業用エンジンを製造しているびわ工場など滋賀県内の5工場で働く期間従業員250人の契約を満了日の2月15日に打ち切る方針を明らかにした。同社によると、削減対象の期間従業員は全体の約半数を占める。
 同社広報グループは「過去に経験がない急激な生産の落ち込みで、やむを得なかった」と説明。転職活動に配慮し、最高20日間の特別休暇を認めるという。
 ヤンマーでは昨年、労働者派遣法の期間制限を超える違反が発覚。そのため同社は昨年9月半ば、派遣社員を自社の直接雇用に切り替えた。今回契約が切られる期間従業員の雇用形態もその際に変わり、一度も契約更新されることなく、職を失うことになる。
 打ち切りを通告された期間従業員の男性(36)は「食堂に呼ばれて『世界的不況で赤字に転落するから、やっていけない』と説明があった。まだ会社に資産や貯金もたくさんあるはずなのに、許せない」と話していた。
 期間従業員が加入する「アルバイト・派遣・パート関西労働組合」の仲村実副代表は「派遣から直接雇用に変えてわずか5カ月で契約打ち切りでは、まるでモノ扱いだ。団体交渉だけでなく、訴訟も視野に入れ、あらゆる手段で抗議していく」と話す。(清川卓史)

三洋が半導体部門1200人を削減へ 国内外で再編

[asahi.com 2009年1月15日]

 三洋電機は15日、グループの半導体部門で、今年3月までに最大1200人を削減する方針を明らかにした。希望退職などを募る。同部門は不採算事業として国内外で再編を進めてきたが、世界的な景気減速で追加リストラに迫られた。佐野精一郎社長と担当役員らが責任を取り、1?3月の報酬を10%カットする。
 対象となるのは、100%子会社の三洋半導体(群馬県大泉町)など。国内では、正社員500人と派遣社員など非正規社員を300人、海外では正社員100人と非正規社員300人を減らす。正社員で希望に応じる場合、一定金額を上乗せして退職金を支払う。
 三洋の半導体部門には正社員で国内に約6千人、海外には約4千人いる。半導体事業は連結売上高全体の8%程度を占める。08年3月期は28億円の営業赤字で、今期も上半期(4?9月)だけで58億円の赤字。通期では200億円程度の赤字となる見通しだ。
 すでに韓国の生産拠点の閉鎖を決めるなどしているが、さらなる固定費カットなどに踏み込む。
 同日、09年3月期の連結業績予想の下方修正も正式発表した。半導体のほか電池事業での減速もあり、営業利益は当初予想の500億円から4割減の300億円に、純利益も350億円の予想からゼロに減額した。

日産、2万台追加減産 社員200人は系列社へ長期出張

[asahi.com 2009年1月10日7時14分]

 日産自動車が2月以降、国内工場で約2万台減産を上積みする。08年度当初の生産計画と比べた減産幅は計24万5千台に達し、さらに広がる可能性もある。系列部品大手、カルソニックカンセイ(さいたま市)がグループで派遣社員1千人を削減したことも明らかになった。同社などへ日産は正社員200人弱を長期出張させる。人件費を玉突きで抑える手法で、コストカッターと呼ばれたカルロス・ゴーン社長が00年に就任して以降もこれまでなかった。
 今回の減産は国内組み立て4工場のうち九州工場(福岡県苅田町)が多く、約1万8千台。九州は2、3月の修正計画をほぼ半減させる。
 日産は昨年12月に今年1?3月の追加減産を発表したばかり。今回の追加で減産は当初計画138万8千台の約18%になる。昨年4月に国内工場で2千人いた派遣社員は、今年3月末までにゼロにする方針もすでに発表している。自社の「雇用の調整弁」が消えるため、玉突き手法を採用する。(吉田耕一、福山崇)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください