完全失業率0.5ポイント悪化!!

総務省統計局が2008年12月の「労働力調査」を発表。完全失業率は4.4%(季節調整値)で、11月から0.5ポイントも悪化した。

完全失業者数も前年同月比で39万人増。「自己都合」5万人増というのもあるが、「会社都合」で失業した人が25万人も増加している。

完全失業率:12月は4.4% 有効求人倍率は0.72倍(毎日新聞)
完全失業率:一層悪化の懸念 企業が短期収益確保迫られ(毎日新聞)

NECはグループ全体で正社員を含めて2万人を削減すると発表。売上高が減少しているのは事実だが、純損益2900億円のうち、営業損益が300億円の赤字だけ。純損益の半分近くは、グループ企業の日本電気硝子の株式評価損1400億円だ。

NEC赤字2900億円、グループで2万人の人件費圧縮(朝日新聞)

総務省統計局発表の「労働力調査」はこちら↓。PDFファイル 57KBが開きます。
労働力調査(速報)2008年12月分(基本集計) : 総務省統計局

完全失業率:12月は4.4% 有効求人倍率は0.72倍

[毎日新聞 2009年1月30日 8時37分(最終更新 1月30日 13時46分)]

完全失業率と有効求人倍率の推移(「毎日新聞」2009年1月30日付夕刊)
完全失業率と有効求人倍率の推移

 総務省が30日に公表した労働力調査(速報)結果によると、08年12月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.5ポイント悪化し、4.4%となった。1カ月で0.5ポイントもの悪化について、総務省は「過去に例のない悪化幅。雇用情勢は急速に悪化している」と分析する。4.4%の失業率も、06年1月以来2年11カ月ぶりの高い水準。世界的な金融危機の深刻な影響が、失業率にも反映され始めた。
 総務省によると、1カ月で0.5ポイント悪化した例は1967年3月に1度あるが、これは好況下で年度末の雇用調整による一時的なものだったという。
 先月の完全失業率を男女別にみると、男性は4.6%、女性は4.3%で、ともに前月より0.5ポイント悪化した。24歳以下の男女、65歳以上の男性を除き、全世代で悪化している。完全失業者数も前年同月比39万人増の270万人に達した。39万人増は01年12月以来、7年ぶりの増加幅だ。
 失業理由は、リストラなど「勤め先都合」によるものが77万人(男性54万人、女性23万人)で、前年同月比25万人の大幅増となった。男性は全年代にまたがって18万人増えた。就業者数(6331万人)も前年同月より65万人減少。中でも製造業は27万人減り、派遣を中心とする非正規労働者の雇用調整が進んでいる実態をうかがわせている。
 08年を通じた平均の完全失業率は前年比0.1ポイント増の4.0%となり、02年以来6年ぶりに悪化した。
 一方、厚生労働省によると、求職者1人にいくつの働き口があるかを示す08年12月の有効求人倍率(季節調整値)は0.72倍で、前月を0.04ポイント下回った。08年平均の有効求人倍率も前年比0.16ポイント減の0.88倍で、05年以来3年ぶりに1倍を割り込んだ。【吉田啓志】

完全失業率:一層悪化の懸念 企業が短期収益確保迫られ

[毎日新聞 2009年1月30日 13時50分]

 総務省が30日に公表した08年12月の完全失業率(季節調整値)は、前月より0.5ポイント増と大幅に悪化して4.4%となり、世界的な金融危機に伴う雇用縮小の影響が顕著に表れ始めた。失業率は景気動向に遅れて悪くなる特徴があり、今後一層悪化するとの悲観的な見方が大勢を占めている。
 景気の後退は非正規雇用労働者を直撃し、契約更新をしない雇い止めや解雇が相次ぐ。3月までに職を失う非正規労働者が12万4802人に達するとの調査結果も30日、厚生労働省から発表された。
 派遣を製造業務にまで広げた小泉構造改革は、雇用増を生み出した。しかし一方で企業は、短期間での収益確保を強く迫られるようになり、景気回復を見越して人員を抱えていく余力を失った。ひとたび経営環境が悪化すれば、派遣切りが続出するのは当然の状況になっていたのだ。
 厚労省の勤労統計調査によると、昨年11月の残業時間は前年同月比20%減の14時間で、15年10カ月ぶりの短さだった。厚労省はこうした現状について、非正規雇用減らしと残業カットによる経費節減が主流とみて、正社員の大幅な削減にまでは広がっていないとみている。
 しかし政府が09年度予算案などで打ち出した雇用対策は、雇用保険の拡大など失業後の痛み止めが中心で、雇用創出策には乏しい。人員整理の波が本格的に正社員にも及び、失業率が過去最悪の5.5%に迫る事態も織り込んだ対策が、政府に求められている。【吉田啓志】

NEC赤字2900億円、グループで2万人の人件費圧縮

[asahi.com 2009年1月30日20時18分]

 NECは30日、09年3月期連結決算で純損益が2900億円の赤字(前期は227億円の黒字)になる見込みだと発表した。ITバブル崩壊の影響を受けた02年3月期に次ぐ赤字幅となる。グループの半導体子会社の業績が足かせになったうえ、パソコンや携帯電話の販売不振で打撃を受けた。09年度末までにグループ全体で正社員約9千人強の人員削減を含め2万人超の人件費を圧縮する。
 売上高予想も前期比で9%減の4兆2千億円、営業損益は300億円の赤字(前期は1568億円の黒字)に下方修正した。純損失が巨額なのは、持ち分法適用会社の日本電気硝子の株価低迷などで、評価損が1400億円にかさんだため。
 主力のITサービスは比較的堅調だが、NECエレクトロニクスや電子部品子会社のNECトーキンの2社の業績が急激に悪化した。人員削減はこの2社が中心となり、NECトーキンが国内外で正社員9千人強を減らし、NECエレは生産ラインの派遣社員1200人を削減する。さらに、NEC本体などがこれまで外部に発注していたソフトウエア設計などの業務を社内でこなすことで、8千人超の人件費を浮かせる計画だ。

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