小沢氏、選挙に西松社員を動員

西松建設からの3億円を超える献金を政治団体経由で違法に受けとっていた民主党の小沢一郎氏ですが、実は、自分の選挙に、西松建設の社員を動員していたことが明らかに。

ポスターに演説会…小沢氏選挙に西松社員を大量動員(MSN産経ニュース)
胆沢ダム落札前後に“攻勢” 西松から小沢氏側への献金(産経新聞)
小沢氏秘書 主要談合関与か 胆沢ダム 落札企業を「了承」(産経新聞)
迂回献金の疑いあるゼネコン3社、胆沢ダム工事を受注(朝日新聞)
多額献金、東北談合組織に対抗か=西松建設、小沢氏側に接近?規正法違反事件(時事通信)
政界窓口「業務屋」暗躍 批判浴びた“裏の存在”(MSN産経ニュース)
献金費用 架空工事で補てんも(NHKニュース)

小沢氏選挙に西松社員 元秘書 自身の比例も大量動員

[産経新聞 2009年3月16日(月)08:05]

 小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、小沢氏の元秘書が、西松建設の社員を小沢氏の選挙に大量動員していたことが15日、西松関係者の話で分かった。元秘書は自身が当選した平成12年の衆院選で、小沢氏だけでなく、自分が名簿に載っていた比例代表にも西松の社員を動員していたという。捜査関係者によると、東京地検特捜部は、元秘書が西松に、こうした小沢氏への支援の一環として、トンネル献金を始めさせたとみているもようだ。一方、元秘書は「献金の仕組みにかかわったことはない」と否定している。
 西松関係者によると、元秘書は岩手県の旧胆沢町(現奥州市)出身で、陸山会の会計責任者で小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(47)の前任者。小沢氏の秘書を20年以上にわたって務めた。小沢氏の選挙を実質的に取り仕切っていた実力者で、小沢氏の“腹心”とも呼ばれた。ゼネコン幹部が公共工事の受注にあたり、繰り返し元秘書のもとを訪れるなど、東北の建設業界に発言力を持っていたとされる。
 捜査関係者によると、西松が考案したトンネル献金の仕組みも、元秘書が了承し、後任の大久保容疑者らに引き継いだとされる。
 地元関係者によると、元秘書は小沢氏の選挙で、西松に支援者の名簿作りを要請。西松は、下請け業者で作る任意団体「松和会」などを通じて小沢氏への支援を依頼し、献金やパーティー券の購入、後援会への入会や選挙運動の支援を行わせていた。西松も運動員として社員を多数派遣、ポスター張りや演説会に参加させるなどしていた。
 元秘書は旧自由党候補として比例代表東北ブロックから出馬した12年の衆院選で、西松に自由党側の運動員として社員の派遣を求め、選挙運動を展開。自身の当選にもつなげた。
 東北のゼネコン関係者は、「元秘書の信用を得なければ、工事は受注できなかった」と証言。西松は、東北の公共工事に影響力のある小沢氏の選挙支援を重視していたという。これらの選挙運動は、小沢氏側と西松との深いつながりを示すものとみられる。
 元秘書は1期で衆院議員を退き、小沢氏との関係を絶っている。元秘書は、トンネル献金への関与を否定しており、選挙への西松社員の動員などについても「関係ない」と話している。

胆沢ダム落札前後に“攻勢” 西松から小沢氏側への献金

[産経新聞 2009年3月14日(土)08:05]

■着工日にも…「まるで謝礼」

 「どうしても落とせない工事だった」(西松OB)?。小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、逮捕された陸山会の会計責任者で小沢氏の公設秘書、大久保隆規容疑者(47)に、ゼネコン間の談合関与の疑いが浮上した岩手県の胆沢ダム工事。西松関係者によると、西松建設は、利益率の高いダム工事を「目玉」と位置づけ、胆沢ダム落札の前後、小沢氏側への違法な献金を続けていた。工事開始当日にも献金しており、関係者は「まるで謝礼のようだ」と話している。
 事業計画資料によると、西松が受注したのは、胆沢ダムの「洪水吐き打設工事」と呼ばれる洪水時に流水を調節する施設の工事。平成18年3月に入札が行われ、西松の共同企業体(JV)など3JVが参加。予定価格を下回ったのは西松のJVだけで、約95億円で落札した。落札率は約93%で、このうち西松分の受注額は約47億円だった。
 捜査関係者によると、小沢氏側への献金について、西松前社長の国沢幹雄容疑者(70)は、東京地検特捜部の調べに対し、「ダム受注のためだった」という趣旨の供述をしたとされ、西松は胆沢ダム落札の前後、小沢氏側への献金を続けていた。
 政治資金収支報告書などによると、西松は工事が公告された17年9月の3カ月後、ダミーの政治団体「新政治問題研究会」(新政研)と「未来産業研究会」(未来研)から6回に分けて計1300万円を小沢氏側の陸山会、「民主党岩手県第4区総支部」(4区支部)、「民主党岩手県総支部連合会」(県連)の3つの政治団体に献金。翌18年3月に工事を落札したが、半年後の10、11月には5回に分け、計500万円を献金していた。このうち200万円は工事開始当日に献金されていた。
 西松元幹部は「胆沢ダムは、東北支店の目玉だった。受注額はそれほど高くないが、建築工事と比べてダムなどの土木工事は利益率が高く、うまみがあった」と話す。
 別の西松OBによると、西松は土木中心だったが、近年はうまみのある土木工事が受注できず、建築の収益が全体の7割近くを占めていたという。このOBは「利益率の高い胆沢ダムは、会社としても落とせない工事だった。本体工事は大手ゼネコンに取られてしまうので、関連工事の受注を狙った」と話した。

小沢氏秘書 主要談合関与か 胆沢ダム 落札企業を「了承」

[産経新聞 2009年3月14日(土)08:05]

 小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、西松建設が一部工事を受注した岩手県の胆沢ダムの複数の工事について、ゼネコン間で談合が行われ、陸山会の会計責任者で小沢氏の公設秘書、大久保隆規容疑者(47)がこれに関与していた疑いのあることが13日、捜査関係者の話で分かった。胆沢ダムの大型工事は、すべてで談合が行われていた疑いがあり、東京地検特捜部では、ゼネコン側が小沢氏側に献金を続けていた背景には、大久保容疑者の受注調整に対する発言力があったとみているもようだ。
 事業計画資料などによると、岩手県奥州市に建設中の胆沢ダムは、岩石や土砂を積み上げて造る国内最大級の「ロックフィルダム」。国土交通省が昭和63年、水害軽減や農業用水供給などを目的に事業を開始し、平成25年の完成を目指している。総事業費は約2440億円にのぼる。
 捜査関係者によると、同ダムの工事は一般競争入札で行われるケースが多かったが、大型工事すべての入札で、大手ゼネコンが「仕切り役」となり、事前にゼネコン間の受注調整が行われていたとみられる。談合で、「チャンピオン」と呼ばれる落札予定の企業や共同企業体(JV)が決まると、大久保容疑者が仕切り役から結果を聞き、これを了承していた疑いがある。
 胆沢ダム工事事務所によると、同ダムの主な工事には、鹿島や清水建設のJVが落札した16年10月の「堤体盛立工事」(約193億円)や、大成建設のJVが落札した17年3月の「原石山材料採取工事」(約151億円)、西松のJVが落札した18年3月の「洪水吐き打設工事」(約95億円)などがあるという。
 ゼネコン関係者は「東北の公共工事で小沢事務所の影響力は絶大。大久保さんが了承しないと、チャンピオンは最終決定とはならなかった」と証言している。
 捜査幹部によると、西松など複数のゼネコン側が、小沢氏側に献金していたとされており、献金はダムなどの大型工事受注が目的だった疑いが強まっている。特捜部は、談合を行っていたとみられるゼネコン数社の東北支店幹部や、下請け業者から、入札の経緯や、献金との関連について事情聴取を進めている。

迂回献金の疑いあるゼネコン3社、胆沢ダム工事を受注

[asahi.com 2009年3月14日3時2分]

 「西松建設」から民主党・小沢代表の資金管理団体「陸山会」への違法献金事件に絡んで、同社とともに小沢代表側に迂回(うかい)献金した疑いのある大手ゼネコン3社が03?08年、岩手県の「胆沢(いさわ)ダム」(国土交通省発注)の主要な工事などを受注していたことがわかった。
 同ダムは、総事業費約2440億円に達する東北地方で最大規模の公共工事。この一部を受注した西松建設関係者が、受注は東北地方で影響力を持つとされる小沢代表側への献金の成果だったと認識していたことが既に判明している。
 こうした事情などから東京地検特捜部は、ゼネコン各社も同じ趣旨で代表側に献金を続けていた疑いがあるとしてダム工事をめぐる受注経緯の解明を捜査の焦点の一つとしている模様だ。
 さらに、小沢代表の公設第1秘書と陸山会の会計責任者を兼任する大久保隆規(たかのり)容疑者(47)=政治資金規正法違反容疑で逮捕=らが、献金をしていた各社にダム工事などの受注で便宜を図った事実がないかなどについて、東北地方の建設業者らから事情聴取を進めているとみられる。
 小沢代表側に迂回献金をしていた疑いが持たれている大手ゼネコンは、「清水建設」「大林組」「大成建設」の3社。これに、西松建設と準大手ゼネコン「戸田建設」を加えた5社がそれぞれ、代表側に献金した1年分の金額一覧と、下請け業者などを介在させた手法を示す内容を記載した資料があったとされる。5社分を合わせると、1年間に1億円前後だったという。
 2013年の完成を目指して建設が進む胆沢ダム(奥州市)の工事では、大手3社のうち清水建設が、他のゼネコン2社との共同企業体(JV)で本体工事(04年に第1期、08年に第2期)を計約438億円で受注。大成建設は、ダムの材料になる石の採取工事(05年に第1期、08年に第2期)を同じく3社JVとして約250億円で請け負った。また、大林組は2社JVで、工事全体の工程調整などをする業務を03年から08年まで毎年受注。総額は約11億円となっている。
 一方、ゼネコン業界に詳しい関係者は「業界は、小沢事務所はダム工事で大きな発言力があるとみていた」と証言。別の関係者も「胆沢ダムの工事については90年代から注目されていた」と話す。
 これまでの調べや関係者の話などから、西松建設は、東北地方でダムなどの大規模工事の受注を目指し、95年ごろからダミーの政治団体などを通じ、小沢代表側へ年間約2500万円の献金を開始したことが明らかになっている。実際、同社など3社JVも06年3月、胆沢ダムの工事を約100億円(後に約90億円に減額)で落札している。

多額献金、東北談合組織に対抗か=西松建設、小沢氏側に接近?規正法違反事件

[時事通信 2009年3月12日(木)21:30]

 西松建設が小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」に違法献金したとされる政治資金規正法違反事件で、同社が大手ゼネコン東北支店を中心とする談合組織に対抗するため、ダミーの政治団体などを通じ、小沢氏側へ多額の企業献金を繰り返した疑いのあることが12日、西松関係者の話で分かった。
 東京地検特捜部は同社以外の複数のゼネコン関係者から事情聴取。大手ゼネコンの「牙城」を崩すため、西松が陸山会の会計責任者で公設第一秘書大久保隆規容疑者(47)ら小沢氏の側近に近づいたとみて、事件の全容解明を目指す。
 複数のゼネコン関係者によると、仙台市を拠点とし、大手ゼネコン東北支店の元幹部を頂点とする談合組織が存在。組織は正会員と準会員に分かれ、「業務屋」と呼ばれる各支店の談合担当者が集まり、公共工事受注の「本命」を決めていたとされる。

政界窓口「業務屋」暗躍 批判浴びた“裏の存在”
[MSN産経ニュース 2009.3.15 01:07]

 小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、準大手ゼネコン「西松建設」が小沢氏や二階俊博経済産業相ら政治家側と緊密な関係を築いていた実態が明らかになってきた。西松側の窓口は、「業務屋」と呼ばれる幹部社員だった。ゼネコンの談合担当として、過去に何度も批判を浴びてきた“裏”の存在。談合の相次ぐ摘発で、西松では談合担当の役割は減る一方、公共工事への影響力を期待して政界にいっそう近づき、業界の資金力と組織力を頼る政治家側との癒着を、逆に強めていた。

陰の全権大使

 平成4年の埼玉土曜会談合や5?6年のゼネコン汚職など、疑惑や事件が明るみに出る度、ゼネコンが業務屋を抱えている実態が批判されてきた。
 だが、西松関係者によると、西松本社では、土木営業本部などの担当常務や副部長ら数人、支店では営業担当の部長ら最低でも1人を配置し続けていた。西松前社長の国沢幹雄容疑者(70)の信頼が厚く、忠誠心の高い役員ら幹部が選任されていたという。
 西松社内では「業務」と呼ばれる談合担当役員には決裁権も与えられ、西松元幹部は「会社の陰の全権大使。業務担当の言葉は、国沢社長の言葉と同じ意味を持っていた」と振り返る。
 政治家側との折衝役を兼ねており、政治資金パーティーや政治家秘書との朝食会などにも出席。秘書相手の飲食を重ねることで、公共工事に関する情報などを入手できるメリットもあったが、別の元幹部は「そんな情報は天下りの職員からも入手できる。むしろ、受注が不利にならないよう、取りはからってもらうことが重要だった」と語る。

選択肢なし

 「東北でゼネコン間の調整は、小沢事務所の独壇場。(ゼネコン側の)仕切り屋と事務所の秘書が調整していた」
 地元政界関係者は、こう打ち明ける。東北で影響力を持つ小沢氏と大手ゼネコン。大手ゼネコンの東北支店幹部が仕切り役となり、陸山会の会計責任者で小沢氏の公設秘書、大久保隆規容疑者(47)の前任の秘書と、受注を調整する談合を繰り返していたとされる。
 受注調整の手法はそのまま、後任の大久保容疑者に受け継がれた。
 西松側は、東北支店の副支店長などを歴任した本社の元総務部長兼経営企画部長、岡崎彰文容疑者(67)が、事実上の業務屋として大久保容疑者との窓口役を務めていたという。
 西松OBは「工事受注のためには(小沢氏側への)献金を続けるしか選択肢はなかった」とした上で、「選挙前に社員名簿を提出するなど、政界との顔つなぎ役として、業務屋は重用されてきた」と明かした。

社長自身が…

 全国各地で談合の摘発が相次いだことを受け、ついに17年末、ゼネコン各社が「談合決別宣言」を出すと、各社の業務屋は次々と姿を消していった。だが、西松と政界とのパイプが途切れることはなかった。
 「二階さんには相当な金が行っているはずだ」
 内部事情に詳しい西松関係者はこう指摘する。捜査関係者によると、パーティー券の購入だけでなく、西松の車で二階氏を送迎するなど会社ぐるみの支援をしていたといい、西松側は二階氏側にヤミ献金をしていた疑いも浮上している。
 西松側の窓口となったのは国沢容疑者だったとされる。二階氏とは、同じ中央大学の出身で30年来の関係。最近まで親交は続いていた。岡崎容疑者は12年、東北支店を離れて本社に戻ったが、西松元幹部によると、その後は国沢容疑者の指示で、退職した18年6月まで、岡崎容疑者が二階氏の東京事務所によく出入りしていたという。
 西松OBは、「国沢前社長自身が業務屋そのものだった。歴史ある西松の株価が100円を割っているのは情けないが、責任は国沢前社長にある」とため息をついた。

献金費用 架空工事で補てんも

[NHKニュース 3月10日 5時56分]

 西松建設の政治献金をめぐる事件で、西松建設は、下請け業者を使って民主党の小沢代表の政党支部に献金させる際、架空の工事を発注して献金の費用を補てんしていた場合があることが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は、下請けを使ったう回献金の実態について捜査しています。
 この事件で、小沢代表への違法な献金の疑いが持たれている西松建設は、OBの政治団体を通じた献金のほかに、下請け業者に1社当たり50万円を小沢代表の政党支部に寄付させていたことが会社関係者への取材で明らかになっています。
 関係者によりますと、この際、西松建設は多くの場合、下請け業者に工事代金を水増しして発注し、献金の費用を負担していましたが、適当な工事がない場合には、架空の工事を発注して献金分を出していたことがわかりました。ある業者の場合は、足場を造る架空の工事の代金として西松建設から献金分に当たる50万円の振り込みを受けたということです。下請け業者には小沢代表の政党支部から毎年、献金を求める請求書が送られてきて、支払いが遅れると催促の電話があったということで、業者は「政治献金なのに請求書が来るのは不自然だと思ったが、元請けの西松建設には従わざるをえなかった」と話しています。
 下請けを使った献金は年間およそ1000万円に上ったということで、東京地検特捜部は、下請けを使ったう回献金の実態について捜査しています。

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