ウルグアイ大統領選 左派「拡大戦線」の候補が優勢

ウルグアイの大統領選挙で、左派で政権党「拡大戦線」の候補者が優勢を占めているものの、過半数に到達しなかったため、11月の決選投票にはいる見込み。

ウルグアイで大統領選、11月末に決選投票へ : CNN.co.jp

というのですが、CNNの記事を読むと、左派「拡大戦線」の候補者が勝っても、右派野党候補が勝っても、「同国の政策に大きな変化はないとの見方が強い」と書かれていて、いったいどういうこと? と思って、調べてみました。

で、見つかったのが共同通信の2つの記事。

ウルグアイ大統領選、決選投票へ 過半数届かず : 共同通信
25日にウルグアイ大統領選 「継承」唱える元閣僚優位 : 共同通信

要するに、左派政権が経済成長でも貧困撲滅でも実績を上げていて、とてもそれを否定できそうにない、ということのようですね。

それでも、野党候補は、90年代前半に新自由主義化政策を実行した元大統領。野党候補が勝っても「政策に大きな変化はない」というのは、「政策が同じだったら、左派でなくてもいいじゃないか」というバイアスのかかった記事ではないでしょうかねぇ。

ウルグアイで大統領選、11月末に決選投票へ

[2009.10.26 Web posted at: 14:01 JST Updated – CNN]

 (CNN) 南米ウルグアイで25日、任期満了に伴う大統領選が実施された。過半数の票を獲得した候補はいないとみられ、首位の元極左ゲリラ、ホセ・ムヒカ上院議員と2位のラカジェ元大統領との間で11月29日に決選投票が行われる見通しとなった。
 同国からの報道によると、開票率60%の時点でムヒカ氏は47.4%、ラカジェ氏は29.2%の票を獲得した、両氏は25日夜、それぞれ支持者らの集会で、決選投票での勝利を誓った。得票率17.8%で3位となったボルダべり元大統領の息子、ペドロ・ボルダべり前観光相は敗北を宣言し、決選投票ではラカジェ氏を支持すると表明した。
 ムヒカ氏はバスケス大統領と同じ左派拡大戦線(FA)に所属。元左翼ゲリラで14年間収監された経歴を持つ。先週の世論調査でも、首位を獲得するものの過半数には達しないとの予想が出ていた。
 ラカジェ氏は90?95年に大統領を務めた人物で、右派寄りとされる。ただムヒカ、ラカジェ両氏のいずれが当選しても、同国の政策に大きな変化はないとの見方が強い。

ウルグアイ大統領選、決選投票へ 過半数届かず

[2009/10/26 10:20 共同通信]

 【モンテビデオ共同】任期満了に伴う南米ウルグアイの大統領選が25日実施され、中道左派のバスケス政権の政策継続を訴える元極左ゲリラ、ホセ・ムヒカ元農牧・水産相(74)は第1回投票で当選に必要な過半数の票を確保できず、野党の中道右派・国民党候補、ラカジェ元大統領(68)とともに11月29日の決選投票に進むのが確実となった。
 ムヒカ氏は記者会見し「社会は私たちに一層の努力を求めた。決選投票だ」と述べた。
 中央選管は開票集計を発表していないが、各世論調査会社の出口調査でムヒカ氏の得票率は49?47%、ラカジェ氏は31?28%。決選投票では単純多数を得た候補が勝利する。
 現政権は税制改革や投資誘致などで経済を活発化させ、実質賃金は約22%増大、貧困層の割合も約20%にまで引き下げた。輸出市場の多角化などで堅調な経済成長が続いており、ムヒカ氏はさらに経済発展させると主張。ラカジェ氏は税制改革の一部見直しなどを訴えた。

25日にウルグアイ大統領選 「継承」唱える元閣僚優位

[2009/10/24 17:42 共同通信]

 【モンテビデオ共同】中道左派・拡大戦線(FA)のバスケス大統領の任期満了に伴う南米ウルグアイの大統領選が25日に実施される。投資誘致とともに貧困削減を実現してきた現政権の「継承」を唱える元極左ゲリラ、ホセ・ムヒカ元農牧・水産相(74)が中道右派系の対立候補に支持率で15ポイント以上の大差をつけてリード、第1回投票での当選に必要な過半数に迫る勢いだ。
 ムヒカ氏はFA内で最大派閥の創設者の一人。1960?70年代には反政府活動を繰り広げ、軍政下で10年以上投獄された。「政治的には現実主義者」(政治アナリスト)といい、庶民受けする振る舞いでカリスマ的な人気を誇る。
 現政権は税制改革で個人消費や企業活動を活発化して景気を拡大、貧困世帯に生活補助金を支給するなどして貧困層の割合を約20%にまで引き下げた。2007年には米国と貿易投資枠組み協定を結ぶなど輸出先の多角化も進め、ブラジルなどと並び「現実主義的な中道左派」と評される。
 ムヒカ氏も「お手本はルラ氏(ブラジル大統領)」と話し、チャベス・ベネズエラ大統領など反米色の強い左派系指導者とは一線を画す。投資家の信頼が厚いアストリ前経済・財務相を副大統領候補に擁立、穏健な国家運営志向が強い有権者の支持を固めてあり、中道右派・国民党候補のラカジェ元大統領(68)は苦戦している。

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