沖縄県議会が全会一致で、米軍普天間基地の辺野古沖移設を決めた「日米合意」の見直しを求める決議を採択。
参院選では、消費税増税をめぐる議論に打ち消されがちだが、「やむを得ない」と沖縄に負担を押しつけ続けることは、同じ日本国民として許されない。
しかし、菅首相は、副総理として鳩山前首相の傍らにいてて、なによりも日米関係にかんする問題ではブレてはならないということを学んだようで、首相就任以前から「日米合意を守る」とアメリカに約束。ブレずに「アメリカ言いなり」を貫こうとしている。
日米声明見直し要求 県議会が全会一致
[琉球新報 2010年7月10日]県議会(高嶺善伸議長)6月定例会は9日、最終本会議を開き、「米軍普天間飛行場移設の日米共同発表の見直しを求める意見書・抗議決議」を全会一致で可決した。改革の会の議員2人が退席した。意見書・抗議決議は、日米共同声明について「県民の意見をまったく聞かず頭越しに行われた」と批判。「民主主義を踏みにじる暴挙」「県民を愚弄(ぐろう)」しているとして、日米両政府に合意見直しを求めた。
あて先は意見書が首相や外相、防衛相ら。決議が米国大統領や上下両院の議長ら。普天間飛行場の返還・移設問題をめぐり、県議会は2月に早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書を全会一致で可決している。
決議・意見書は、慰霊の日に菅直人首相が「沖縄の基地負担に陳謝とお礼」を表明し、米下院が沖縄への感謝決議をしたことを挙げ、「過重な基地負担を強いられ、新たな基地を押し付けられようとしている県民の思いをまったく理解していない行為として県民の大きな怒りを買っている」と指摘した。採決前、改革の会の當間盛夫氏は、政府に見直しを求める行動を取る決断を仲井真弘多知事に迫るため、要請先に知事も含めるべきだと意見し、平良昭一氏と退席した。
県人事委員会の新委員として県信用保証協会前会長の新垣幸子氏を選任する人事案は、野党多数の反対により否決。県発注工事談合問題の賠償金を減免する調停和解案を承認する議案は全会一致で可決した。<米軍普天間飛行場移設の日米共同発表の見直しを求める意見書・抗議決議>
去る5月28日、日米両政府は、米軍普天間飛行場の移設先を沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ辺野古崎地区およびこれに隣接する水域とし、1800メートルの滑走路を建設することを明記した共同発表を行った。
この共同発表は、「県内移設」反対という沖縄県民の総意を全く無視するもので、しかも県民の意見をまったく聞かず頭越しに行われたものであり、民主主義を踏みにじる暴挙として、また沖縄県民を愚弄(ぐろう)するものとして到底許されるものではない。
さらに、去る6月23日に行われた沖縄全戦没者追悼式に参加した菅直人内閣総理大臣は「沖縄の基地負担に陳謝とお礼」を表明し、米国では6月23日に下院で、29日には上院でそれぞれ米軍基地を受け入れる沖縄への感謝決議が議決されているが、このことは過重な基地負担を強いられ、今また新たな基地を押しつけられようとしている県民の思いをまったく理解していない行為として県民の大きな怒りを買っている。
沖縄県民の願いは、基地のない平和で安全な郷土をつくることであり、このことは本県議会が再三にわたり県内移設反対を議決したのを初め9万人余が参加した4月25日の県民大会、県内全市町村長の反対表明、マスコミの世論調査などで明確に示されている。
よって、本県議会は、県民の生命、安全および生活環境を守る立場から、県民の思いに真摯(しんし)に対応するとともに、日米共同発表を見直すよう強く要請する。2010年7月9日 県議会
首相、外相、防衛相、沖縄担当相あて(意見書)
米国大統領、米国上院議長、米国下院議長、駐日米国大使、在日米軍司令官あて(抗議決議)