ムバラク大統領が国営放送を通じて、権限を副大統領にゆずると演説。しかし、辞任はあくまで拒否。
これにたいして、首都カイロをはじめとしてエジプト各地で大規模なデモが行われているようだ。大統領はカイロを脱出したそうな。いよいよ…かもしれない。
大規模デモ始まる 緊迫の情勢:NHKニュース
エジプト全土でデモに百万人:徳島新聞
【エジプト騒乱】ムバラク氏、首都脱出 BBCなど報じる:MSN産経ニュース
エジプト大統領、即時辞任を拒否 権限は副大統領に委譲:日本経済新聞
大規模デモ始まる 緊迫の情勢
[NHKニュース 2月11日 21時16分]
混迷が続くエジプトでは日本時間の11日夜、イスラム教の集団礼拝に続いて、ムバラク大統領の即時辞任を求める大規模なデモが始まり、デモの参加者はカイロ中心部の広場にとどまらず、大統領宮殿や国営テレビの前にも集まっており、緊迫した情勢となっています。
エジプトでは、ムバラク大統領が10日夜、国営テレビを通じて演説し、大統領の権限を副大統領に委ねる方針を示す一方、デモ隊の求める即時辞任の要求には応じない考えを改めて示しました。
これに対して反政府のデモ隊は強く反発し、日本時間の11日午後8時前、イスラム教の金曜日の集団礼拝に続いて大規模なデモを始めました。カイロ中心部のタハリール広場には数万人が集まっているほか、広場近くの議会の前でも座り込みを続けています。デモ隊はカイロ市内の各地にも広がり始め、ムバラク大統領のテレビ演説を放送した国営テレビ局をおよそ1000人が取り囲んでいるほか、中心部から10キロほど離れた大統領宮殿の周りにも集まり始めています。こうした動きに対してムバラク政権は、軍を動員し戦車や装甲車を各地に配置して警戒を強めています。
その軍は日本時間の11日夜、声明を出して、ムバラク大統領が演説で示した政権移行のプロセスを基本的に支持する方針を示しました。さらに軍は、現在の混乱状況が収まりしだい、30年近く続いてきた非常事態宣言を解除することを確認するなど、混乱を速やかに収束させたいという姿勢を示しました。しかし、デモの参加者はムバラク大統領が即時辞任の要求を改めて拒んだことに不満を募らせており、緊迫した情勢となっています。
エジプト全土でデモに百万人
[徳島新聞 2011/2/11 23:03]
フランス公共ラジオは、エジプト全土でのムバラク大統領辞任要求デモに少なくとも百万人と報道。
ムバラク氏、首都脱出 BBCなど報じる
[MSN産経ニュース 2011.2.11 23:45]
エジプトのムバラク大統領は11日、首都カイロを離れ、東部の保養地シャルムエルシェイクに空路到着した。英BBC放送などが報じた。大統領はこれに先立つ10日夜の演説で、スレイマン副大統領への権限移譲を発表したが、反政府デモの市民らが求める即時辞任は表明しなかった。事実上、象徴的な立場となった可能性がある。
カイロ中心部のタハリール広場には10日夜、辞任表明を予想して10万人以上の市民が集まったが、演説の途中から「辞めろ」などと叫び、辞任拒否に猛反発。デモ隊の一部は11日未明、大統領宮殿付近に移動し、宮殿前で初めてデモを行った。(共同)
エジプト大統領、即時辞任を拒否 権限は副大統領に委譲
[日本経済新聞 2011/2/11 23:01]
【カイロ=花房良祐】 反政府デモが続くエジプトで10日深夜(日本時間11日早朝)、ムバラク大統領は国営テレビを通じて演説し、9月の任期満了まで大統領職にとどまり、即時辞任を拒否する考えを改めて示した。そのうえで憲法に基づき権限をスレイマン副大統領に委譲すると表明。批判の沈静化を狙ったが、あくまで大統領の退陣を求める反体制派は反発しており、11日も大規模なデモが発生した。
ムバラク大統領は「権力の移行まで責任を果たす」と述べて任期末までの続投に意欲を示した。このほか副大統領への権限委譲に言及したが、委譲する権限の範囲については明らかにしなかった。演説の直後、スレイマン副大統領は声明でデモ隊に抗議活動をやめて帰宅するよう呼びかけた。
ロイター通信によると、カイロ中心部のタハリール広場には10日夜、20万人以上が集合。演説内容が伝わると非難の声がわき起こった。
11日も数十万人がそれぞれ同広場や北部アレクサンドリアに集まった。また軍が厳戒態勢を敷くカイロの大統領府近くに約2千人が集合、情勢が緊迫化している。大統領府付近で抗議集会が開かれるのは初めて。英BBCは11日、西側情報筋の話として、ムバラク大統領がカイロを離れ、東部保養地シャルムエルシェイクに到着したと報じた。
軍は11日、ムバラク大統領の改革を保証するとの声明を発表。軍として大統領の取り組みを支持する姿勢を示唆した。このほか、大統領の強権政治の根拠となっている非常事態法を解除する用意があるとし、政府と野党勢力の合意事項を確認した。
ロイター通信によると、スレイマン副大統領は11日、これまで事態の打開に向けて協議してきた有識者の中から副首相を1人選出するようシャフィク首相に要請した。与党国民民主党(NDP)以外のメンバーを取り込むことで政権批判を和らげる考えだ。
そんななかで、こんなニュースも流れている。(いまのところ、同様のニュースはほかでは流れていないが)
イスラエル、軍事予算の拡大を決定:IRAN Japansese Radio
イスラエル、軍事予算の拡大を決定
[IRAN Japanese Radio 最終更新 2011年2月10日 16:56]
シオニスト政権イスラエルが、エジプト国民の蜂起を懸念し、軍事予算の拡大を決定しました。
シオニスト系の新聞イェディオト・アハロノトが、10日木曜、「イスラエルは、エジプト国民のムバラク大統領に対する革命を受け、2011年の軍事予算の拡大を決定した」と報じました。
この報告によりますと、イスラエルの軍事予算に1億9000万ドルが加えられ、これにより、予算総額は150億ドルに達します。イスラエルの軍事予算の拡大は、地域の国民の意識の高まりを受け、ヨルダンやエジプトとの友好関係が危ぶまれることから決定されています。イスラエルの高官は、これまで繰り返し、エジプトの国民による蜂起に懸念を表明すると共に、「もしムバラク政権が崩壊すれば、イスラエルは問題に直面するだろう」としています。政治アナリストは、エジプトでの政権交代は、イスラエルにとって損害になるとし、それは、エジプトがイスラエルにとって地域最大の同盟国であり、1979年にキャンプデービッド合意を結んだ国だからだとしています。エジプトの国民は、先月25日から、各都市で抗議デモを行い、ムバラク大統領の退陣を求めています。