遠山茂樹氏が亡くなられました

明治維新、日本近代史研究の泰斗である遠山茂樹氏が亡くなられました。

歴史家の遠山茂樹氏が死去 明治維新史を分析:共同通信

私が初めて遠山氏の本を読んだのは、大学1年のとき歴史学研究会で勉強した岩波新書の『明治維新と現代』(1969年)でした。しかし、日本史が好きだったとはいえ大学1年生にはむずかしすぎました。(^_^;) そのあと『戦後の歴史学と歴史意識』(岩波書店、日本史叢書)と『<新版>昭和史』(岩波新書)あたりを読んだように覚えています。

さらにゼミで日本史を勉強するようになってからは、岩波全書の『明治維新』(改訂版、1972年。これはのちに岩波書店同時代ライブラリー、さらに岩波現代文庫に収められました)、『明治維新と天皇』(岩波セミナーブックス)も読みました。

ただ、明治維新や日本近代史のゼミではなかったので、明治維新などの史料を直接読んだことがなく、さらに「遠山説ではこう、井上清説ではこう」という学説史や論争史にふりまわされて、学生時代は結局何が問題なのか、よく分からないままだったというのが正直なところです。

もう20年以上も前でしょうが、中央大学で開かれた歴研大会の近代史部会で発言されるのを聞いたのが、後にも先にも直接お姿を見た唯一の機会でした。とつとつと報告者の研究報告にたいする感想を述べておられるのが印象的でした。

歴史家の遠山茂樹氏が死去 明治維新史を分析

[2011/09/09 12:48 共同通信]

 自由民権運動や明治維新史の研究で知られる歴史家で、横浜市立大名誉教授の遠山茂樹氏が8月31日午前8時33分、老衰のため東京都内で死去していたことが9日、分かった。97歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は妻重子さん。
 東大卒。戦後、唯物史観に立って明治維新史を分析・研究した「明治維新」で高く評価された。55年にベストセラーとなった共著「昭和史」は評論家亀井勝一郎氏らの批判を呼び、昭和史論争のきっかけとなった。
 58年から横浜市立大教授。横浜開港資料館の初代館長も務めた。主な著書に「明治維新と現代」「戦後の歴史学と歴史意識」など。

大学院をやめてから、古本屋で『遠山茂樹著作集』(岩波書店、全9巻)を買いましたが、あまり真面目に勉強してません。(^_^;)

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