怒りの投書

今日の新聞2紙に載っていた投書。1つめは、「毎日新聞」に載った、福島県南相馬市の女性(67歳)の「バカにしている補償金請求書」という投書。もう1つは、「東京新聞」の埼玉県朝霞市の会社員(38歳)の「契約社員の悲痛な現状」という投書。

どちらも、庶民の大きな怒りと憤りが伝わってきます。

バカにしている補償金請求書

[毎日新聞 2011年10月19日付朝刊]

 郵便受けに入らずに、玄関に置いて行かれた東京電力の補償金請求書。A4判で、重さ700グラム。パラパラ眺め、2日間放置した。
 いんぎん無礼に書かれた文言がそこにある。私は熊本県に避難したが、交通費、家賃、電化製品、寝具類、その他と、とんでもなく費用がかさんだ。レシートは残しておらず、すべての品目と金額を出金帳に記帳してある。2回の仮払い補償金では不足だったので、今回の本補償で請求できるのか、と思ったら大間違い。
 東電は仮払い補償金以外はビタ一文出さず、相殺にするという証拠のために、「同意書」なる用紙だけが欲しかったようだ。バカにするのもいいかげんにしてもらいたい。「ごめんなさい」レベルの金額でチャラにし、毎日、放射線を気にしながら一生続く生活をどう思っているのか。
 立地自治体の町は別として、我々は東電から一切恩恵を受けていない。大変な金銭的損害と、精神的損害を受けたのみだ。

補償金の請求に領収書やレシートがいるというのであれば、東京電力は、原発事故当日に「避難される場合には領収証をご用意ください」と広報しておくべきだったでしょう。もちろん、あの日、そんなことをやっていれば、東京電力はいまごろは解散させられていたにちがいありませんが…。あの日なら、誰もがあきれるばかばかしいことが、半年たつと当たり前に要求される。まことに不思議な世界です。

契約社員の悲痛な現状

[東京新聞 2011年10月19日付朝刊]

 私の働いている鉄道会社の駅には多くの契約社員がいます。1年契約、約5年で満期という条件で、日夜奮闘しています。最近、年1度の正社員採用試験の結果が出ました。
 今回合格しなければ5年満期で、雇い止めとなる仲間がいます。合格率3割程度の試験結果に「駄目でした。もう頑張れないです。こんな情けないやつですが、会社を辞めても遊んでください」「これから就活しないと…」などなど、仲間の声が胸に突き刺さります。
 労働者派遣法など法律問題だとは思いますが、雇用不安を生み出す社会に発展はないと思います。もう時間がありません。安定した雇用をつくり出すのは大企業の社会的責任であり、労働組合の責任でもあると思います。
 非正規雇用の仲間たちの現状を生み出している社会全体の問題として、早急な解決を訴えます。

鉄道会社の契約社員。多くの人は、駅で働いている人、あるいは電車・列車内で働いている人は、みんな鉄道会社の社員だと思っていることでしょう。ところが、実際にはそうではなく、別会社(系列子会社)の契約社員という人がたくさんいます。JR東日本のグリーン車で働くアテンダントの人もそう。阪急電車の車掌さんも、以前は、別会社の社員でした。

万が一事故がおこったとき、契約社員は、誰の指示を受けて活動するのでしょうか。自分の所属会社の上司? それとも親会社の鉄道会社? 列車の運転士? それとも車掌? その運転士と車掌が別会社の社員だったら? 異常な事態ではないでしょうか。

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