民主党が製造業派遣禁止の見送りを決めたというニュースが伝わると、自動車業界は早速、歓迎しているらしい。日産自動車の志賀俊之CEOなんぞは、「期間従業員など非正規社員の雇用についても弾力的な措置を講じてもらいたい」と大はしゃぎ。
困ったもんだぞ、民主党!!
民主、製造業派遣禁止見送り 規制強化法案を修正へ 自公の反発に配慮:日本経済新聞
自動車業界など、禁止見送り歓迎:日本経済新聞
Twitterでつぶやいたのだがmもとの記事が読めないので、貼り付けておこう。
民主、製造業派遣禁止見送り/規制強化法案を修正へ 自公の反発に配慮
[日本経済新聞 2011/11/16]
民主党は国会で継続審議中の労働者派遣法の改正案を大幅に修正する方針を固めた。製造業派遣と仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ登録型派遣の原則禁止については、自民党などの反発に配慮し、修正案から外す。臨時国会で審議を再開し、早期成立を目指すが、野党内には異論もあり調整は難航する可能性もある。
派遣法改正案は2010年4月に衆院に提出された。世界同時不況後に大量の派遣労働者が雇い止めになった背景から、製造業派遣や登録型派遣の原則禁止を盛り込み、派遣の規制強化に大きく踏み込む内容だった。
ただ自民党は「国内雇用の縮小につながる」と製造業派遣の禁止に反対。公明党も「中小企業への影響が大きい」と慎重姿勢を強め、実質審議に入れない状態が続く。このため、民主党は大幅な譲歩が必要と判断。衆院厚生労働委員会の理事間協議で、製造業派遣の禁止などを除外する修正案を自民、公明に示した。
偽装請負など違法であることを知りながら派遣を受け入れていた場合、派遣先企業が労働者に労働契約を申し込んだものとみなす「みなし雇用制度」については、導入を公布から3年後とする猶予期間を設ける。日雇い派遣は2カ月以内を原則禁止としていたが、禁止対象を世帯主になどに限定した上で、1カ月以内に緩和する方向だ。
派遣料金と派遣労働者の賃金の差額(マージン率)などに関する情報開示の義務付けなどは修正案にも残す方向だ。
政府は「社会保障と税の一体改革」の一環として、有期で働く労働者の雇用期間の制限や待遇改善のための法案を来年の通常国会に提出することを目指している。派遣法改正の審議が進まなければ、これらの法案提出に支障が出かねないため、民主は自公に大幅に歩み寄ることで早期成立を目指すことにした。
ただ自公には修正案に対する異論もなお残る。予算関連法案の審議もあり、臨時国会での成立は微妙な情勢だ。
自動車業界など、禁止見送り歓迎
[日本経済新聞 2011/11/16]
生産の繁閑の差が大きい自動車・同部品業界などは製造業派遣の禁止見送りを歓迎している。
トヨタ自動車は一時、工場に派遣社員を受け入れていたが、2010年3月末までにすべての契約を終了し、直接雇用する期間従業員に切り替えた。ただ、部品メーカーでは生産量の変化に対する調整弁として派遣社員を活用する企業が多い。東日本大震災による遅れを取り戻すための増産に必要な人手も派遣で賄う動きが広がっている。
日本自動車工業会の志賀俊之会長(日産自動車最高執行責任者)は「期間従業員など非正規社員の雇用についても弾力的な措置を講じてもらいたい」としている。