昨夜は、日フィルの定期演奏会でサントリーホールへ。来シーズンから首席指揮者就任が決まったインキネンの指揮で、前半はシベリウスの珍しい2曲。後半はマーラー撰集第6弾ということで、テノール/バリトンの組み合わせで「大地の歌」。
- シベリウス:歴史的情景第1番 op.25
- シベリウス:組曲《ベルシャザールの饗宴》
- マーラー:大地の歌
前半2曲はフィンランド出身のインキネンならではのシベリウス。いずれも実演を聞くのは初めて。1曲目は「フィンランディア」と同時期に作曲された3曲をまとめた曲。インキネンらしい透明感ある音で、シベリウスの世界を再現していた。
しかし、後半「大地の歌」は疑問な出来。まあ、2階後ろの席ということもあるかもしれないが、そもそも歌が聞こえない。また、インキネンの棒には退嬰的な雰囲気が微塵もなく、マーラーの作品には不似合い。そのうち観客も飽きてきたのか、あっちでゴソゴソ、こっちでガサガサやりだす始末。オケも集中をなくしたか、パートごとにばらけてしまったようで、まったくなんとも言いようのない結末に。インキネンのマーラー・シリーズは、前から疑問だったが、今回もやっぱりという感じに終わった。
【演奏会情報】日本フィルハーモニー交響楽団第675回東京定期演奏会
指揮:ピエタリ・インキネン/テノール:西村悟/バリトン:河野克典/コンサートミストレス:千葉清加/ソロ・チェロ:辻本玲/開演:2015年11月6日(金)午後7時/会場:サントリーホール