楽劇「さまよえるオランダ人」

さまよえるオランダ人

昨日は横浜の神奈川県民ホールで、ワーグナーの楽劇「さまよえるオランダ人」を鑑賞。悪魔の呪いによって永遠に海をさまよい死ぬこともかなわない男に、唯一の救済は永遠の愛をささげる女性と結ばれること。彼は、ノルウェー船長ダーラントの娘ゼンタと出会い、ついに救わるかに思われたが…、というお話。

青山貴さんは、ぽっちゃり体型に白塗りメイクがオランダ人に不釣り合いに見えたが、歌い出したら、そんな違和感は吹き飛んでしまった。ダーラント・妻屋秀和さんがいいのは言うまでもなく、ゼンタ・橋爪ゆかさんも力強い声で存在感をアピールした。しかし、何よりも素晴らしかったのはオケ(神奈川フィル)。ホルン隊は全員女性のようだったが、豪勢に煌めく良い音を響かせて、これぞワーグナーという感じをいやが上にも盛り上げた。

ステージには帆船の甲板がつくられ、プロジェクションマッピングで背景に嵐の海や近づく亡霊船が描き出された。最後ゼンタが自ら身を投げ、オランダ人の船も沈没して、ついに悪魔の呪いから抜け出すことができた、というせっかくの名場面が、演出との関係で軽くなってしまったが、全編を貫く「オランダ人の動機」や「救済の動機」がいやでも耳に残る素晴らしい公演だった。

開演前に中華街でお昼を食べようと思ったが、連休中とあって、ものすごい混雑。有名店はどこも行列ができていた。1時間前に着いたのでは、とても無理。むしろ肉まんかなにかでお昼はすませて、終演後にゆっくりと中華を満喫すればよかったかもしれない。残念

2016年3月20日 午後2時開演
神奈川県民ホール大ホール
指揮:沼尻竜典
演出:ミヒャエル・ハンペ
オランダ人:青山貴/ダーラント:妻屋秀和/ゼンタ:橋爪ゆか/エリック:福井敬/マリー:小山由美/舵手:清水徹太郎
管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
合唱:二期会合唱団・新国立劇場合唱団・藤原歌劇団合唱団

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