産経新聞は、1990年に点検箇所をリストアップした際、当時点検を請け負っていた三菱重工は「関電の承認をうけながら点検箇所を決めた」と主張していると報道。
美浜原発事故 点検個所「承認受けた」 三菱重工、関電側と食い違い(産経新聞)
他方、現在の点検調査の下請け会社「日本アーム」が、すでに1999年に、今回事故で破損した配管が検査対象から漏れていたことを把握していたとも報道。ここでも微妙な食い違いを見せています。
点検漏れ5年前に把握 美浜原発事故 検査会社、関電へ伝えず(産経新聞)
美浜原発事故 点検個所「承認受けた」 三菱重工、関電側と食い違い
関電によると、2次系配管の「管理指針」を作成した平成2年から、メーカーの三菱重工業が、指針に基づいた点検を開始。美浜3号機の2次冷却系配管について、定期的な検査対象とする部分の管理システムを作った。平成8年までに重要個所のリストが登録されていった。
指針に照らして「減肉」の恐れのある場所とされたのは約5800カ所。ところが、このとき、今回の破裂個所となった部分が、重要点検項目のデータ登録から漏れたという。
点検個所のリストアップに際して三菱重工側は「関電の承認を受けながら点検個所を決めた」と、三菱重工独自の判断ではなかったことを強調。
これに対し、関電は「検査すべき場所を協力会社側にリストアップしてもらってから、検査すべき場所を決める。(破裂した配管は)リストになかった」と、点検項目の協議以前の段階で抜け落ちていたとしている。
8年に三菱重工から保守点検を引き継いだ「日本アーム」(大阪市)も、引き継がれたデータ登録に基づいて実施。登録の漏れに日本アームが気付いたのは、管理システムを変更させるための作業を始めた15年4月だった。
しかし、このタイミングでも関電は「問題の個所を登録し点検すべきだと提案を受けたのは11月だった」としている。(産経新聞)[8月11日3時13分更新]
点検漏れ5年前に把握 美浜原発事故 検査会社、関電へ伝えず
関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)で11人が死傷した蒸気漏れ事故で、関電から定期検査を請け負った関電系列の検査会社「日本アーム」(大阪市北区)が、事故で破損した配管が検査対象から漏れていたことを五年前の平成11年には把握していたことが11日、分かった。しかし同社は関電に報告せず、昨年四月に検査対象リストに登録するまで放置していた。福井県警は、こうした事実に注目、関電などの関係者がいつの時点で事故配管の危険性を把握したかについて解明していく。
日本アームは平成8年、原発の配管検査などを関電から請け負った。同社の説明によると、前の請負業者の三菱重工業から引き継いだ際には、美浜3号機について、流量検査装置「オリフィス」がある配管の個所は点検対象に含まれていなかったという。
しかし平成11年4月と12年8月の2回、三菱重工の担当者から「美浜3号機と構造が似ている発電所で配管が薄くなる現象が確認されたが、美浜3号機では検査対象から漏れていた」と連絡があり、検査をするよう助言を受けたという。
同社はこれを受け、他の原発の調査データを確認したが、美浜3号機と同年代に建設された高浜1、2号機の配管の余寿命が十分だったことから、美浜3号機も「大丈夫」と判断し、検査対象に入れなかったという。
今月14日から予定されていた定期検査のために検査項目をリストアップした昨年4月まで放置したことについて、同社は「結果として判断が間違っていた」としている。(産経新聞)[8月11日15時43分更新]