美浜原発第3号機の配管破損事故ですが、関西電力自身の管理指針に照らしても、すでに13年も前に取り替えなければならなかったのを、これまで一度も検査せず、放置していたことが明らかになりました。
「検査漏れ」ということがメディアで大きく報道されていますが、「漏れ」るもなにも、そもそも管理指針を作ってもそれにしたがって検査しないのだから、たまたま「漏れ」たというような問題ではありません。
美浜原発の破損配管、13年前に寿命切れ…関西電力(読売新聞)
美浜原発の破損配管、13年前に寿命切れ…関西電力
福井県の関西電力美浜原子力発電所3号機で配管が破断し11人が死傷した事故で、同社は12日、問題のあった配管が13年前にはすでに計算上の寿命を超えていたことを認めた。
この配管は本来、寿命を計算して監視すべきことが、同社の管理指針で定められているが、昨年11月に配管の検査漏れが判明した際も、寿命計算はしていなかった。この時に寿命計算さえしていれば、事故を防げた可能性が強まってきた。
同社の管理指針に掲載している計算式によると、破断した配管は運転時間が10万2222時間を超えると、必要な配管の厚さ(4・7ミリ)を下回る。実際には1991年にこの時間を超えており、事故時は約18万6000時間に達していた。
しかも、配管の摩耗の度合いは、原発ごとに差があるため、同社の管理指針では、計算上の寿命まで残り2年を切る前に点検をし、必要があればステンレスなどに取り替えるなどの対策が明記されている。
同社が昨年10月に作成した品質保証システムによれば、検査漏れが判明した場合には、管理指針に沿って計算したうえで、原子炉を停止するかどうかも含めて検討すべきだった。
同社は「翌11月はまだシステムの過渡期だった。検査漏れが発覚した当時、担当者が寿命を計算したのかどうかは不明だが、少なくとも本店まで報告はなかった」と説明している。(読売新聞)[8月12日21時39分更新]