自民、党ぐるみでう回献金か

朝日新聞は、自民党事務局長が、日歯連(日本歯科医師連盟)の政治献金の処理のために、自民党の政治資金団体「国民政治協会」名の領収証を日歯連側に渡していたと報道。

う回献金は、政治家個人への献金には上限があるが、「国民政治協会」への献金には枠はないことを利用して、表面上は国民政治協会への献金に見せかけながら、実際には特定政治家(といっても自民党の国会議員だけどね)にカネを渡す、というもの。それを、自民党の事務局長が手伝っていた訳だから、“自民党ぐるみ”の不正献金だと言われても仕方ないでしょう。

自民党事務局が資金団体名で偽装領収書 日歯連献金 ―asahi.com

自民党事務局が資金団体名で偽装領収書 日歯連献金

 日本歯科医師連盟(日歯連)が99年と01年に自民党の派閥幹部を含む6人の国会議員側に計8000万円の現金を直接提供し、この経理処理のために同党事務局が党の政治資金団体「国民政治協会」発行の領収書を日歯連側に渡していたことが関係者の話で分かった。同党側が、議員側への裏金を同協会を通した党への正規の献金に偽装する便宜を図っていたもので、同党の不透明な政治資金システムが改めて浮き彫りとなった。
 日歯連の献金をめぐっては、同協会経由で元厚生労働政務官の佐藤勉衆院議員など複数の同党国会議員を指定した「迂回(うかい)献金」が判明しているが、議員に直接渡した裏金についても同協会が隠れみのになっていたことになり、政治資金規正法に抵触する恐れもある。
 関係者によると、日歯連幹部らは99年春から同年10月、同党の派閥幹部3人の側にそれぞれ議員事務所などで現金各1000万円を渡したという。しかし、多額献金の領収書は議員側からもらいにくいため、日歯連幹部らは当時、同党本部の経理部長として政治資金を統括していた元宿(もとじゅく)仁氏(現在は党事務局長)に経理処理の方法を相談。帳簿の収支を合わせるために、実際には協会を通していないのに同協会発行の別の領収書に計3000万円分を上乗せしてもらったという。
 この時期は、00年4月の診療報酬改定をめぐる交渉が行われ、日歯連は医科との報酬の格差是正のため同党議員らに幅広く陳情を展開。日歯連幹部は改定交渉に影響力を持つ議員として3人を選んだと説明している。
 また01年には、サラリーマンの医療費負担を3割に引き上げる政府の方針に日本歯科医師会など診療側が反対する中で、日歯連幹部ら数人が11月、同党の派閥幹部や厚生労働族議員ら3人の国会議員と都内の料亭で会食した。
 その後、日歯連側はそのうちの1人に3000万円、他の2人に各1000万円の計5000万円を現金で直接提供したとされる。日歯連幹部は、この5000万円についても元宿事務局長に依頼し、5000万円分の同協会の領収書を新たに発行してもらったという。
 日歯連は、計8000万円の献金について、政治資金収支報告書に同協会への寄付として記載したとしている。
 日歯連から同党旧橋本派の政治団体「平成研究会」に対する1億円献金隠し事件でも、元宿事務局長がこの1億円処理のため、同協会の領収書発行を日歯連側に提案したが実現しなかったことが判明しており、こうした行為は常態となっていた可能性も出てきた。
 日歯連からの計8000万円の裏金提供について、朝日新聞の取材に対し、国会議員6人のうち3人は「提供の事実はない」などと否定。1人は「関係書類がないので判明しない」と説明し、2人は取材に応じていない。
 また、元宿事務局長に取材を申し込んだところ、自民党幹事長室が「わが党は、政治資金を法令にのっとって適正に処理しているが、現在、民主党が政治資金規正法に関して事務局長を告発しているところであり、コメントを差し控えたい」と回答した。(朝日新聞 2004/10/18 10:31)

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