新潟中越地震への対応で、政府は、被災者の自宅敷地内に仮設住宅を設置することを初めて認めました。政府が県の要請に「法律上問題なし」として承認したと報じられていますが、その「法律上問題ない」ことがこれまで認めてこられなかったのですから、これは画期的な「解釈変更」です。
新潟中越地震:仮設住宅、自宅敷地に 全国初「避難所扱い」―地域共同体維持へ(MSN-Mainichi INTERACTIVE)
ところで、毎日新聞はまったく触れていませんが、これは実は、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が、十月二十八日の衆院総務委員会で初めて取り上げたもの。塩川議員が、仮設住宅について、「被災した住居から遠く離れた場所ではなく、自宅の庭先への建設も検討するべきではないか」と質問したのにたいし、麻生太郎総務相が「被災者の要望にこたえられるように検討すべきだ」と答弁。厚労省の小島比登志社会・援護局長も、「設置場所の選定は、市町村、県からの申し出があれば相談する」と答えたのです。
共産党国会議員は、このほかにも、洪水で床上浸水した家屋についても被災者生活再建支援法の支援金の対象とする通達を内閣府に出させたり、震災で半壊の被害を受けた住宅にたいして、災害救助法にもとづく応急修理として1世帯当たり最大51万9000円を限度に支給する制度を活用するよううながす通知を厚生労働省に出させるなど、次々に実績を上げています。
共産党国会議員団 政府動かす/新潟中越地震、台風被害/庭先に仮設住宅 可能に/再建へ個人補償も検討
新潟中越地震:仮設住宅、自宅敷地に 全国初「避難所扱い」―地域共同体維持へ
新潟県中越地震の被災者への住宅支援策を検討している国と新潟県は、被災者が壊れた自宅を修復する間、自宅敷地内などで入居できる「仮設住宅」を公費で設置することを決め9日、市町村に説明した。災害救助法に基づく仮設住宅は建設地が原則として公共用地に限定されているが「避難所」とすることで法的問題をクリアした。地域コミュニティーの中で生活再建を進めるのが狙い。県によると、被災者個人の所有地への避難所設置は全国初。
(中略)
「避難所」は仮設住宅に比べ、設置場所が比較的自由なため、災害救助法に基づく公費の支出が可能という。県の設置要望に対し、厚生労働省も「法律上問題なし」として承認した。[毎日新聞 2004年11月10日 東京朝刊]
共産党国会議員団 政府動かす/新潟中越地震、台風被害/庭先に仮設住宅 可能に/再建へ個人補償も検討
新潟県中越地震と台風・豪雨災害で日本共産党国会議員団は、全国の被災地に駆けつけるとともに、被災者の切実な声を国会に届けて質問や申し入れなどにとりくみ、政府を動かす成果も生まれています。
新潟県中越地震発生で、塩川鉄也衆院議員と井上哲士参院議員が現地調査に入ったのは発生翌日の10月24日。25日には、内閣府にたいし、食料、飲料水、トイレ、毛布などの緊急確保とともに、政府災害対策本部の現地の体制強化を申し入れました。
4、5両日には、志位和夫委員長、市田忠義書記局長が現地を見舞い、被災者や自治体の要望を聞くとともに、これまでに25の被災自治体に3600万円の義援金を届けました。◇床上浸水に支援法適用
台風・豪雨災害で調査に入ったのは、10月以降だけでも北海道、長野、京都、高知、岡山など11道府県。新潟地震も含めて、現地調査は10月以降だけで20回を超えました。
内閣府は10月28日、床上浸水について被災者生活再建支援法の支援金の対象とする具体的な事例を示した通達を出しました。浸水や土砂災害などで家屋をやむを得ず解体する場合にも適用される道が開かれました。
今月2日には、厚労省が、新潟県中越地震で半壊の被害を受けた住宅にたいし、災害救助法にもとづく応急修理として1世帯あたり最大51万9000円を限度に支給する制度を活用するよう促がす通知を出しました。自宅に戻って生活を1日も早く再建するために、日本共産党が繰り返し求めてきたものです。
10月28日の衆院総務委員会では、塩川議員が、仮設住宅について、「被災した住居から遠く離れた場所ではなく、自宅の庭先への建設も検討するべきではないか」と質問したのにたいし、麻生太郎総務相は「被災者の要望にこたえられるように検討すべきだ」と答弁。厚労省の小島比登志社会・援護局長は「設置場所の選定は、市町村、県からの申し出があれば相談する」と答えました。
この答弁を受けて、被災地の党地方議員が地元の元首長を通じて新潟県に確認したところ、県は「集落と町のほうが意見が一致をすれば(庭先に仮設住宅を建てても)構わない」と回答しています。◇再建支援法の抜本改正求め
被災者が元の生活を取り戻すためには住宅の再建が不可欠です。
新潟県の泉田裕彦知事も「被災された住民がより早く生活を再建できる使途(自宅修理・生業再建等)に公費を使うべき」との「緊急要望」を出しています。
志位委員長は5日の新潟県庁での記者会見で、「当面する避難生活への緊急の支援策とともに、住宅本体の再建のための公的支援――個人補償の実現が強く求められている」と強調し、被災者生活再建支援法の抜本改正に向け、全力を尽くす決意を表明しました。
これに先立って、10月26日の衆院国土交通委員会では、穀田恵二議員が「国としてもいまこそ(住宅再建のための)個人補償に踏み切るべきではないか」と質問したのにたいし、北側一雄国交相は「私ももともとそういう問題意識はもっている」として「ケースによっては(個人補償を)検討しなくてはいけない」と答弁しています。
日本共産党、民主党、社民党の野党三党は4日、住宅本体の再建も対象とする被災者支援法改正案を衆院に共同で提出しました。[ 2004年11月9日(火)「しんぶん赤旗」 ]