米英両国から派遣延長を求められていたオランダですが、政府が予定どおり3月中旬で撤退させることを決定。入れ替わりに350人の撤収部隊を派遣し、6?8週間で宿営地の撤収などを完了させる。
オランダ軍予定通り3月撤退
【ブリュッセル=大森雅弥】オランダからの報道によると、同国のバルケネンデ首相は17日、ボット外相、カンプ国防相と会談し、陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワ周辺で治安維持活動をしているオランダ軍部隊について、予定通り3月中旬で撤退させることで合意した。21日にも閣議決定する見通し。
同国政府広報官によると、イラクに派遣しているオランダ軍部隊約1400人を3月15日までに全面撤退させる。一方、撤収作業のために約350人の部隊を新たに派遣。この部隊は6?8週間、現地に滞在するが、治安維持の任務は行わない。バルケネンデ首相は会談後「約束したことは実行する」と述べた。
オランダは2003年8月からイラクに部隊を派遣。昨年6月に期限を延長していた。米英両国はその後も、治安の不安定を理由に再延長を要求。オランダ国会内でも、連立与党の自由民主党を中心に延長論が台頭していた。
議員の中には首相の決定に不満の声も挙がっており、今後の審議が注目される。[中日新聞 2005年1月18日]