橋本派(平成研)の政治資金収支報告書で、日歯連の献金1億円のほかにも、自民党本部からの1億2000万円やパーティー券の売上金1億数千万円が記載されていなかったことが明らかに。
2億数千万円を記載しなくてもいい報告書って、いったい何? しかし問題は、収入の記載漏れではなく、それに見合った支出があったはずなのがどうなったのか、という問題。
旧橋本派、さらに2億数千万の記載漏れ…元会計責任者(読売新聞)
旧橋本派、さらに2億数千万の記載漏れ…元会計責任者
日本歯科医師会(日歯)側から自民党旧橋本派へのヤミ献金事件で、政治資金規正法違反(不記載)の罪に問われた村岡兼造元官房長官(73)の第4回公判が16日、東京地裁で開かれた。
検察側証人として出廷した同派政治団体「平成研究会」(平成研)の滝川俊行・元会計責任者(56)(同法違反で有罪確定)は、2001年に、日歯側からの1億円以外にも、自民党本部から受け取った1億2000万円やパーティー券の売上金1億数千万円などを、平成研の政治資金収支報告書に「収入」として記載しなかったことを明らかにした。
滝川元責任者は弁護側の尋問で、「夏と冬に氷代、もち代として、自民党から派閥に支払われていた資金があり、代々、派閥の事務総長が受け取りに行っていた」と証言。2001年には、夏と冬に各6000万円が旧橋本派に支給されたと語った。
同年夏は、当時、事務総長だった野中広務元同党幹事長(79)、冬は野中氏の代理として藤井孝男元運輸相(61)が党本部で現金を受け取り、滝川元責任者は2回とも立ち会った。収支報告書に記載するかどうかを元宿仁・自民党事務局長(59)に尋ねたところ、「派閥として記載する必要はない」と言われたという。
また、滝川元責任者は2001年に同派が開いた政治資金パーティーのチケット代金のうち、所属議員側から現金で平成研に持ち込まれた売上金約1億数千万円を収支報告書に記載しなかった、と述べた。このほか、平成研へ寄付をした同派幹部の中で、「領収書はいらない」という議員には領収書を発行せず、計数千万円の収入を裏金に回していたとも語った。
一方、こうして裏金としてプールされた資金は、同派所属候補らの選挙資金などとして支給したという。同年7月の参院選では4億3000万円程度を配ったが、収支報告書に「支出」として記載しなかった。
滝川元責任者の証言について、自民党幹事長室は「公判中の事項に関する質問なので、回答は差し控えます」、藤井元運輸相は「全く記憶にありません」としている。野中元幹事長は「派閥として党本部で資金を受け取ったことはない」と話している。
◆政治団体の会計責任者=政治資金規正法によって、すべての収支などを会計帳簿に記載したり、毎年1回、収支報告書を都道府県選挙管理委員会や総務相に提出したりすることを義務付けられている。会計士や税理士などの資格は不要。[読売新聞 2月16日21時18分更新]
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