「日経」経済教室で、日本経済研究センターの石田和彦主任研究員が、「景気、当面は弱含み/消費回復は望めず 定率減税縮小は延期を」の見出しで、日本経済短期予測を書いている。個人消費の問題に焦点を当てて、要旨紹介すれば――
2003年度後半を中心に一時は予想外の堅調さを示した個人消費も、本格的回復に至らないまま失速の様相を呈している。
GDP統計改訂を踏まえれば、そもそも(個人消費の)堅調さ自体が統計上の幻だったことになる。
先行きも、家計の雇用・所得環境はひきつづき厳しい。デフレ下で、企業は基本的には慎重な雇用スタンスを維持し、名目賃金も低下傾向が続くため、雇用者報酬の伸びはマイナスを続ける。そうした中で、年金保険料の引き上げや配偶者特別控除の縮小などの税・社会保険負担増に加え、2006年からは定率減税の縮小が家計の可処分所得を一段と押し下げる。こうしたことから、個人消費は先行きも低迷が続くと見られる。
結論として、氏は、デフレ脱却にむけた姿勢を明確にすべきだと指摘し、「景気の現状と先行きの見通しを考えれば、定率減税縮小は延期ないし撤回することが望まれる」と述べている。
小泉内閣の“とりあえず取れるとこから取る”式の庶民増税については、このブログでもこれまでいろいろと指摘してきたが、あらためて、その問題点が明らかになったといえる。
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