アップするのが遅れてしまいましたが、先々週、渋谷のBunkamuraル・シネマで見てきました。今年8本目です。
舞台は、1960年代のコンスタンチノープル。スパイス店を営むおじいちゃんのもとで、ファニスは暮らしていたが、ギリシャとトルコの対立から、ついにギリシャ人は追放されることになり、ファニス一家は、おじいちゃんを残して、アテネに移住する。しかしファニスは、おじいちゃんが忘れられず、おじいちゃんに教えてもらったスパイスを使って料理に熱中する。しかし、ファニスの父は、「男は台所に入ってはいかん!」と宣言。怒ったファニスは、バスルームに立て籠もる…。
“故郷”から引き離されてアテネに移住させられた人たちの“心”をユーモラスに描いていきます。まあギリシャ映画ですから、被害を受けるのはギリシャ人だけ。コンスタンチノープルに残るおじいちゃんもギリシャ人(ただしトルコ国籍を持っている)だし、追い出された家族もギリシャ人で、じゃあキプロスのトルコ人は?という疑問を残しつつ、それでも、ギリシャに移住させられたうえに、「トルコ語訛りのギリシャ語を話す」と言って差別されるなど、引き上げたギリシャ人たちの複雑な歴史に感心したりしました。ファニスの初恋の相手サイメ(トルコ人なのだが)役の女の子がかわいらしい。
でも、せっかくのお話も、後半はたんなるメロドラマに…。(^^;)
【映画情報】監督・脚本:タソス・プルメディス/出演:ジョージ・コラフェイス(大人になったファニス)、タソス・ヴァンディス(おじいちゃん)、マルコス・オッセ(子ども時代のファニス)/2003年 ギリシャ
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