ついこの間、もう中国にはODAを出さないと言ったはずなのに…。中国高速鉄道に新幹線方式が採用されるためだったら、なりふり構わず、ということです。
いろいろ恩着せがましく言ってましたが、日本のひも付きODAというのは、結局、ODAをネタに日本企業の進出を後押していたということですね。
中国新幹線にODA 政府、採用なら供与方針
政府は21日、中国が北京?上海間で建設を計画している高速鉄道に日本の新幹線を採用した場合、その建設を支援するための政府開発援助(ODA)を供与する方針を固めた。新幹線採用への呼び水としたい考えだが、政府・与党内の一部などには、日中関係がぎくしゃくしている折、中国は高速鉄道への採用問題を日本に対する新たなカードに使っているとして、ODA供与方針を懐疑的にみる向きもある。
複数の外務省幹部によると、新幹線建設に対するODA供与は、今月13日から14日まで北京で行われた外務次官級の日中総合政策対話で、谷内正太郎次官が戴秉国次官に提案した。
供与の具体的な内容としては、軌道やポイント、駅構内、信号・変電所などの建設に充てる円借款と、新幹線運行の技術協力が想定されている。
対中ODAに関し政府はすでに、新規案件への円借款供与を2008年夏の北京オリンピックまでに打ち切る方針を決めているが、新幹線建設支援に供与されることになれば、昭和54年に始まり四半世紀に及び、総額3兆4234億円(3月末現在)にも上る対中ODAの最後の大規模プロジェクトとなる。
北京?上海を結ぶ高速鉄道整備計画は、事業総額約1300億元(約2兆円)とされ、日本の新幹線、フランスのTGV、ドイツのICEが商戦を繰り広げている。中国鉄道省は今年夏にも、時速250?300キロで走行可能な高速車両の入札を実施する見通しだ。
今回の政府方針は、新幹線採用のみならず日中関係改善への呼び水としたいとの狙いがある。また、日本でも世界銀行の融資を受けて昭和39年に開業した東海道新幹線が、高度経済成長の一翼を担ったこともあり、新規案件への対中円借款供与を打ち切るにあたって、最後のプロジェクトとして適当と判断した。
だが、中国側は新幹線を導入するかどうかをカードにし、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題に揺さぶりをかける姿勢をみせている。現に北側一雄国土交通相が1月に訪中した際、劉志軍鉄道相が新幹線技術を高く評価する一方、靖国神社参拝問題が障害となっているとの認識を示唆した。こうした中国側への反発に加え、40年近くにわたり蓄積してきた新幹線の建設、運行技術を中国へ安易に提供することへの慎重論も根強い。
中国側に新幹線導入への反対論が強いのも事実で、新幹線が導入の運びとなるかどうか、なお不透明だ。
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中国の高速鉄道計画 中国政府は今年から中国大陸を縦横に走る総延長1万2000キロの旅客専用高速鉄道網の建設を始動。北京?上海間(約1300キロ)の高速鉄道の整備はこの計画の一環で、実現すれば運行時間は12時間から4時間半?5時間に短縮される。[産経新聞 5月22日2時31分更新]
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