「東京新聞」が、5月27日付の「読者応答室」で、読者からの質問に答えて、「九条の会」の活動をとりあげ、7月30日の東京・有明コロシアムでの集会を準備していることなどを紹介しています。
九条の会 7月30日には有明で集会
Q 改憲に反対する識者でつくる「九条の会」が国内外に1280も組織されたそうですが、今後どのような活動計画があるのですか?(干葉県四街道市・60代の男性)
A 「九条の会」は、憲法改定に反対する作家や評論家など9人が昨年6月につくりました。会員は井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子のみなさんで、いずれも戦争のもたらす惨状を肌身で知る人たちです。
会の発足にあたって9人は、戦争の放棄や戦力を持たないことを誓った第九条をはじめ、今の憲法を守るよう訴えるアピールを発表しました。憲法とその理念に基づく教育基本法を変えようとする動きを「武力によらない紛争解決をめざす国の在り方を根本的に転換し、軍事優先の国家へ向かう道を歩むもの」と批判する内容です。
世界有数の「軍隊」となった自衛隊の存在を考えるとき、今の憲法や、それを守ろうとする立場は「非現実的だ」といわれます。しかし同会では、アメリカのイラク攻撃と占領の泥沼化を例に「紛争を武力で解決しようとすることこそ非現実的だ」と訴え、全国で講演会を開いてきました。
このアピールをより多くの人に伝えるとともに、賛同する団体を自発的につくること、さまざまな集会や学習会を開くことなどを呼びかけ、それに多くの市民が応じました。1280団体というのはその結果です。
しかしまだ、地域によっては賛同する団体が少ないところもあるため、今後はそうした地域で積極的に講演会などを開くほか、7月30日には東京・有明の有明コロシアムで大規模な集会を開く予定です。会の連絡先は、事務局=電話03(3221)5075=です。また各地で設立されたグループも独自に講演会などを開いています。(文化部・三品信)[東京新聞 2005年5月27日朝刊]