30日正午前、米軍ヘリが、江ノ島の海水浴場から30メートルの地点に不時着。今回被害はなかったものの、米軍ヘリの不時着事故は相変わらず続いています。
米海軍ヘリ、海水浴場からわずか30メートル地点に不時着(サンスポ)
米海軍ヘリ、海水浴場からわずか30メートル地点に不時着
夏休みの海水浴場であわや大惨事! 30日午前11時45分ごろ、約4万人の人出でにぎわう神奈川県藤沢市の江の島で、米海軍のヘリコプターが不時着するアクシデントが起きた。ヘリは厚木基地所属の「UH?3H」で飛行訓練中、エンジンの油圧系統にトラブルが起きたもよう。乗員4人にけがはなかったが、不時着した漁港工事現場から約30メートルの片瀬西浜海水浴場には数千人の行楽客がおり、ヘリは轟音(ごうおん)を立て、そのすぐ頭上を通過したという。
バリバリバリバリ…。
海水浴場に漂っていたのどかな雰囲気が、突然の轟音(ごうおん)で一変した。訓練飛行中の米軍ヘリが、江の島方向から藤沢市内に向けて、超低空で飛んできたのだ。
ヘリは海岸にいた海水浴客の頭上をかすめるように通過すると、片瀬橋西側付近の片瀬漁港建設工事現場に不時着。現場は小田急線片瀬江ノ島駅から南へ約400メートルの地点にあり、もし着地に失敗すれば大惨事となる可能性もあった。
ヘリから降りた乗員4人は、ローターなど機体を点検。その周辺を海水浴客ら数百人が取り囲み、平和だった海岸は一変して、騒然とした空気に包まれた。
現場から約30メートルの近さにある船宿『萬司郎(まんじろう)丸』の北村萬司郎店主(65)は「ものすごい音がしたと思ったら、ヘリが地上20メートルくらいの低さで向かってきた」と生々しく証言。妻の広子さん(63)も「着陸時の店内には、震度3から4の揺れがありました」と衝撃の激しさを明かした。
在日米海軍などによると、ヘリは厚木基地の第51飛行隊に所属。訓練飛行のため午前10時15分に基地を出発し、正午に帰還する予定だったが、油圧系統の警告ランプが点灯したため不時着したといい、米海軍が原因を調査している。同型のヘリは人員輸送用で、老朽化のため今秋にも退役する予定という。
藤沢署などによると、海水浴客やヘリ乗員4人にけがはなく、通行人や付近の建物などにも被害はなかった。ただ、オイル漏れがあったため、藤沢市南消防署などからポンプ車2台、工作車1台が出動。ヘリは点検を終えて、午後6時45分ごろ、現場を離陸、厚木基地に戻った。
7月最後の週末だったこの日、江の島一帯の海水浴場には、約4万人の行楽客が訪れた。突然のアクシデントに、親子連れやカップルは青ざめた表情だった。★外務省が安全対策申し入れ
神奈川県藤沢市片瀬海岸への米海軍ヘリコプター不時着について、外務省の四方敬之日米地位協定室長は30日、在日米大使館のメイヤー安全保障課長(公使)に電話で遺憾の意を伝え、安全対策の徹底を求めた。メイヤー氏は「万全を期す」と回答。不時着の原因については「調査中」とした上で、「警告ランプが点灯したため決められた手順に従い予防着陸した」と説明した。
◆神奈川県・松沢成文知事 「度重なる航空機事故は大変遺憾。週末で海水浴客の多い中での着陸は、一歩間違えば大惨事につながる可能性がある。安全管理および再発防止の徹底をあらためて関係機関に強く求めていきたい」
[サンスポ 2005/07/31]