いまやっているNHKの特集番組で言っていたこと。
- 日本ERIでは、担当者の約3分の2が、姉歯建築士の図面を見て、柱が細い、などの疑問をもっていたという事実。
- しかし、日本ERIは、構造計算ソフトを持っていなかったという事実。
最初の点は、「偽造」に関して言えば、かならずしも「見抜けない」といった高度なものではなかったということを意味するのではないでしょうか。それを見抜けなかったということは、審査機関に審査能力がなかったということに他なりません。1級建築士が計算した結果を審査するのだから、誰だって、審査機関の職員は1級建築士以上の能力を持った人がやっていると思うはず。しかし実際はそうではなかった訳で、あきれるばかりです。
2つめの点は、審査機関は構造計算のプロセスが適正に行なわれているかどうかの確認をおこなっているだけで、建物の安全性、耐震性そのものは審査していないということを意味します。これは、イーホームズの社長も繰り返し言っていることで、詰まるところ、いまの建築物の構造計算の審査制度が、実は審査制度ではないという問題が浮き上がってきます。建築審査・確認制度全体を、もう一度、土台から検討し直してみる必要があるのではないでしょうか。