11月の現金給与総額、3カ月ぶりに減少

厚生労働省、毎月勤労統計11月分の速報値を発表。朝日新聞は、現金給与総額が3カ月ぶりに減少したことに注目。それにたいし、日経新聞は、所定内給与額が8カ月連続で伸びていることを取り上げています。

で、大もとの毎勤統計の発表そのものを見てみると、現金給与総額はパート1.2%増にたいし一般労働者1.4%減。この格差が気になる…。

11月現金給与総額は3カ月ぶり減少=毎月勤労統計(朝日新聞)
基本給8カ月連続増・11月の勤労統計(日経新聞)

11月現金給与総額は3カ月ぶり減少=毎月勤労統計
[asahi.com 2005年12月28日11時05分]

 [東京 28日 ロイター] 厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査によると、11月の現金給与総額(事業所規模5人以上)は1人平均で前年比0.8%減の28万9423円となった。3カ月ぶりの減少となった。きまって支給する給与が増加したが、特別に支払われた給与が減少したことが影響した。
 11月の所定内給与は前年比0.6%増と8カ月連続で増加した。残業代などの所定外給与も同0.8%増で40カ月連続の増加となった。所定内と所定外給与を合わせた決まって支給する給与は、前年同月比0.5%増となり、8カ月連続の増加となった。
 一方、特別に支払われた給与は、前年比21.0%減少した。
 労働時間については、所定内労働時間は前年と同水準となった。残業などの所定外労働時間は前年比0.9%減と8カ月ぶりの減少。製造業の所定外労働時間は前年と同水準だった。
 所定内、所定外の労働時間を合わせた総実労働時間は前年比0.2%減と4カ月ぶりの減少となった。
 雇用では、常用雇用が前年比0.5%増で、23カ月連続の増加となった。就業形態別
にみると、一般労働者(正社員など)が前年比1.0%増と11カ月連続増加、パートタイムは同0.8%減と7カ月ぶりの減少となった。

基本給8カ月連続増・11月の勤労統計
[NIKKEI NET 2005/12/28 11:04]

 厚生労働省が28日発表した毎月勤労統計によると、11月の従業員5人以上の企業の所定内給与額(基本給)は前年同月比0.6%増の25万4473円となり、8カ月連続で増加した。企業の業績回復で正社員が増え、相対的に賃金水準の低いパート社員が減ったことで、全体の水準が高くなった。
 基本給と賞与や手当などの合計である現金給与総額は前年同月比0.8%減の28万9423円で3カ月ぶりの減少。前年同月に支払われた賞与総額が高かったためで、残業代にあたる所定外給与は1万9792円で0.8%増えた。
 常用の労働者数は0.5%増の4323万人で、23カ月連続の増加。正社員が1%増の3236万人。パート社員は0.8%減の1087万人と、7カ月ぶりに減少した。厚労省は「景気回復で企業の正社員への回帰志向が強まっている」と説明している。

それにしても、所定内給与も所定外給与も増加しているのに、現金給与総額が減少というのはどういうことか? 統計上は「特別に支払われた現金給与額」が減ったということ以外ないのだが、11月なので賞与は関係なし。とすると、一体何? 産経新聞は「通勤手当などを足した」というふうに書いているが、通勤手当が21%も減るというのも何だか妙な感じ…。

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