今日の「しんぶん赤旗」に面白い記事が出ていました。
サラ金5社が5680億円のもうけをあげていたというニュースなのですが、あくどく儲けたなぁ…と思うだけではありません。さらに、サラ金が資金調達のために支払う金利(調達金利)と、消費者に貸し出すときの金利(貸出金利)とを紹介しています。
それを見ると、たとえばアイフルは、金利1.61%で資金を借りて、26.9%で貸し付ける――これで儲からなかったらアホです。利息制限法の上限は15?20%。それにもかかわらず、サラ金は25%程度の利息を取っているわけで、せめて利息制限法の限度内に制限すべき。(それにしたって、相当儲かるはずなんだけど)
調達金利 | 貸出金利 | 経常利益 | おもな借入先 | |
---|---|---|---|---|
アイフル | 1.61% | 26.9% | 1353億円 | 住友信託、みずほ信託、中央三井信託 |
アコム | 1.64% | 24.3% | 1433億円 | 三菱信託、UFJ信託、明治安田生命 |
プロミス | 1.75% | 24.2% | 1308億円 | 住友信託、日本生命、新生銀行 |
武富士 | 1.85% | 25.2% | 1193億円 | みずほ銀行、アメリカンファミリー |
三洋信販 | 1.88% | 24.6% | 394億円 | 福岡銀行、三井住友、西日本シティ銀行 |
(「しんぶん赤旗」2006年1月17日付から)
サラ金5社 もうけ5680億/最高裁も違法と認めた高金利(しんぶん赤旗)
サラ金5社もうけ5680億 最高裁も違法と認めた高金利
アイフル、アコム、プロミス、武富士、三洋信販の大手サラ金5社が1%台の低金利で銀行などから資金を調達、利息制限法の上限(15?20%)を上回る25%前後の超高金利で貸し出し、5社グループ計で5680億円(2005年3月期)もの年間経常利益を上げていることが本紙調べで分かりました。今月13日の最高裁判決は利息制限法違反の超過金利を実質的に否定しており、違法性の上のぼろもうけが改めて問題になっています。
5社の有価証券報告書によると、アイフルは、住友信託銀行などから、1.61%という低金利で資金調達。その資金を消費者に26.9%という高金利で融資しています。その結果、年間1353億円の経常利益、5184億円の営業収入(いずれも05年3月期連結決算)を上げています。
他の4社も同様で、アコムは経常利益1433億円(営業収入4339億円)、プロミスは同1308億円(同3698億円)、武富士は同1193億円(同3601億円)、三洋信販は同394億円(同1504億円)となっています。
これほどの暴利を得られるのは、罰則のある出資法の上限金利が29.2%と高く、罰則のない利息制限法の上限金利(年15?20%)が守られていないためです。
しかし、最高裁判決は「明らかな強制だけでなく、事実上の強制があった場合も、利息制限法の上限を超えた分の支払いは無効」としました。これまでも最高裁は、超過利息は過払いだとして返還請求を認めています。[2006年1月17日(火)「しんぶん赤旗」]
ちなみに、三井住友銀行グループでいえば、三井住友銀行自身が扱っているカードローン、プロミスとの共同出資のアットローン、プロミス自身のキャッシングと3つのカードローンがありますが、その年利には見事な格差があります。他の銀行グループでも、ほぼ同じです。
- 三井住友銀行のカードローンは、年利8.0%?12.0%
- 三井住友銀行とプロミスの共同出資のアットローンは、15.0%?18.0%
- はキャッシングは、17.80%?25.55%
もちろん、与信条件に差があるのでしょうが、完全に“棲み分け”がおこなわれていますねぇ。
だいたいが銀行にお金を預けたときの利息が0.001%(普通預金。100万円を1年間預けて100円)なのに、借りたときは最低でも8.0%と、預金利息の8000倍の利息を取られるのです! これほどの高利はないんではないでしょうか?
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