働く高齢者が飛び抜けて多い日本

65歳以上の高齢者で働いている人の割合が、日本は22.2%で、フランス1.2%、ドイツ2.9%などと比べて飛び抜けて多いことが明らかに。

もちろん、健康のために働くという人や、ぶらぶらしているのがいやだからという人もいるでしょうが、「年金だけでは暮らしてゆけない」という不安が大きいのでは? ヨーロッパでは、定年退職はあこがれの年金暮らしの始まりで「楽しみ」ですが、日本もそうなればよいのですが、現実はますます逆行しているようです。

働く高齢者:日本は先進諸国で飛び抜けて多く2割超す(毎日新聞)

働く高齢者:日本は先進諸国で飛び抜けて多く2割超す
[毎日新聞 2006年6月30日 21時16分 (最終更新時間 7月1日 0時35分)]

 日本は65歳以上の高齢者になっても働く人の割合が、他の先進諸国と比べて飛び抜けて多いことが30日、総務省が発表した国勢調査(05年10月現在)速報から分かった。高齢になっても働くことに生きがいを見いだす国民性や、元気なお年寄りが増えていることなどが背景にあるとみられるが、経済的理由で年をとっても働かざるを得ない人が多いという事情もありそうだ。
 速報によると、日本の65歳以上の労働力率(人口に占める就業者及び完全失業者の割合)は、22.2%。男性が33.1%、女性は14.2%で、65?69歳では男性の50.2%が「現役」として働いているか、働く意思がある。
 これに対し、国際労働機関(ILO)の労働統計年鑑(04年版)によると、主要先進国でフランスは1.2%、ドイツは2.9%と格段に低い。日本と同じように高齢化が目立つイタリアでも3.4%にとどまっている。また、米国は14.4%となっている。「フランスやイタリアは仕事以外に人生の楽しみを見いだす文化の違い」(内閣府)が背景にあるようだ。
 日本は仕事に生きがいを求める国民性があるとされるが、近年は「元気なお年寄り」が増えているのも一因。内閣府の高齢社会白書(06年版)によると、「就業を希望する高齢者調査」で、65歳以上の男女の3割以上が「健康維持」を理由に挙げている。
 一方で、生活の苦しさも理由として少なくない。同調査では女性の20.1%、男性の13.3%が「収入を得る必要が生じた」と回答。同じ白書の「高齢者世帯の生活意識調査」でも、18.7%が「大変苦しい」、31.2%が「やや苦しい」と答えている。
 国勢調査の速報結果は調査票から全市町村で1%を抽出して推計。確定値は10月に発表される。
 国立社会保障・人口問題研究所の高橋重郷副所長の話 社会保障制度の国民負担率が重いヨーロッパ型社会と違って、日本は国民負担率を低めにして自助努力を求める社会だ。健康なうちは働かないと、怠け者に見られてしまうという意識がある。高齢になっても労働意欲が落ちない。ただこの10年間、高齢者の中で経済的な成功者と失敗者の差が顕著になっている影響もあるだろう。【葛西大博】

働く高齢者が飛び抜けて多い日本」への1件のフィードバック

  1. マスメディアの喧伝する少子高齢化問題。
     しかし、昔も今も、働いている人と社会的に扶養されている年寄り・子供の比率は、まったく変わっていない。
     そのことの証明かもしれませんね。

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