NHKの世論調査でも、次期首相の靖国参拝については、「参拝した方がよい」26%に対し「参拝しない方がよい」が35%で、「しない方がよい」が上回りました。
それにしてもせこいのは、この世論調査結果の、NHKの報道ぶりです。前日、内閣支持率やら小泉首相の靖国参拝についての調査結果をニュースで流しながら、次期首相の靖国参拝についての結果は、翌日の米国産牛肉の輸入再開問題の調査結果に続けて報道したのですから。
NHK調査 内閣支持率46%
[NHKニュース 8月21日 19時2分 ]
NHKが行った世論調査によりますと、小泉内閣を「支持する」と答えた人は先月と同じ46%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は先月より1ポイント上がって41%でした。
NHKは、今月18日からの3日間、全国の20歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行いました。調査の対象になったのは1766人で、このうち63%にあたる1108人から回答を得ました。それによりますと、小泉内閣を「支持する」と答えた人は先月と同じ46%でした。これに対し、「支持しない」と答えた人は先月より1ポイント上がって41%でした。小泉内閣を支持する理由では、▽「実行力があるから」が36%▽「ほかの内閣より良さそうだから」が30%などとなっています。逆に支持しない理由では、▽「政策に期待が持てないから」が40%▽「人柄が信頼できないから」が23%などとなっています。
次に、小泉総理大臣が終戦の日の今月15日に靖国神社に参拝したことを評価するかどうか聞いたところ、▽「評価する」と答えた人は45%だったのに対し、▽「評価しない」と答えた人は43%でした。評価する理由では、▽「総理大臣が戦争で亡くなった軍人などを追悼するのは当然だから」が56%▽「中国や韓国からの反発に屈しないで参拝したから」が17%▽「政治家として公約を守ったから」が14%▽「終戦の日の今月15日に参拝したから」が10%でした。逆に評価しない理由では、▽「参拝によって中国や韓国などとの関係に影響が出るから」が45%▽「A級戦犯が合祀されている靖国神社に総理大臣が参拝するのは問題だから」が29%▽「政教分離を定めた憲法に違反するおそれがあるから」が14%▽「総理大臣として参拝するのはいいが、今月15日は避けるべきだったから」が10%でした。
一方、小泉総理大臣の次の総理大臣に誰がふさわしいと思うか、現職の国会議員の中で名前をあげてもらったところ、▽安倍晋三氏が39.9%で最も多く、次いで▽小沢一郎氏が4.5%▽福田康夫氏が4.3%▽麻生太郎氏が3.8%▽谷垣禎一氏が3%の順となっています。来月1日に立候補を正式に表明する安倍氏が先月より2.4ポイント上がったのに対し、21日に立候補を表明した麻生氏が2.5ポイント、すでに立候補を表明している谷垣氏も2.6ポイントそれぞれ上がりました。一方、先月、総裁選挙に立候補しないと明言した福田氏は6.2ポイント下がりました。さらに、自民党の総裁選挙でどんなことを争点に論戦が交わされるべきと思うか尋ねたところ、▽「消費税率の引き上げなどの税制改革」が37%で最も多く、次いで▽「格差の問題への対応」が19%▽「教育改革」が17%▽「靖国神社参拝も含めた外交姿勢」が16%となっています。
牛肉輸入再開 64%が慎重
[NHKニュース 8月22日 7時31分]NHKが行った世論調査によりますと、政府がアメリカ産牛肉の輸入の再開を決めたことについて「もっと安全確認に時間をかけたうえで再開すべきだった」と答えた人が64%に上りました。
NHKは、今月18日からの3日間、全国の20歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行い、63%にあたる1108人から回答を得ました。それによりますと、政府が、今年1月から停止していたアメリカ産牛肉の輸入を再開することを決め、一部の店では販売も再開されていることについて聞いたところ、▽「もっと早く再開すべきだった」が5%、▽「適切な決定だった」が17%でした。これに対し、▽「もっと安全確認に時間をかけたうえで再開すべきだった」が64%、▽「今後ずっと再開すべきではなく、政府の決定は間違いだった」が6%で、「もっと安全確認に時間をかけたうえで再開すべきだった」と答えた人が最も多くなっています。さらに、アメリカ産牛肉を食べることに抵抗を感じるかどうか尋ねたところ、▽「大いに抵抗を感じる」が29%、▽「ある程度抵抗を感じる」が35%で、あわせて64%の人が「抵抗を感じる」と答えました。これに対して、▽「あまり抵抗は感じない」が22%、▽「まったく抵抗は感じない」が8%でした。
次に、安倍官房長官が今年4月に靖国神社に参拝していたことが明らかになったことについて、参拝を評価するかどうか質問したところ、▽「評価する」が43%だったのに対して、▽「評価しない」が41%でした。
一方、次の総理大臣は、靖国神社に参拝した方がよいか、参拝しない方がよいか尋ねたところ、▽「参拝した方がよい」が26%だったのに対して、▽「参拝しない方がよい」が35%で、▽「どちらともいえない」が34%でした。さらに、靖国神社にまつられているA級戦犯を分けてまつる「分祀」をすることに賛成か反対か聞いたところ、▽「賛成」が39%だったのに対して、▽「反対」が11%、▽「どちらとも言えない」が44%でした。