民主青年新聞(週刊)の9月18日号と25日号に、神戸女学院の石川康宏先生が、連載「『勝ち組・負け組』をのりこえる」シリーズの第2部として、「青年が『人間らしく』働ける社会でこそ」を上下2回で連載されています。
それを読んで、あらためて“なるほどな〜”と感心したのは、石川先生が、若者たちのたたかいを励まし、勇気と確信をあたえる姿勢で原稿を書かれていること。
やっぱり学習会を開くなら、一方的な講義を聞かされて“お勉強”させられるより、自分たちの運動の励みになる方がいいにきまっていますからね。僕は、とかく「体系的な講義」になりがちなので、あらためてどういう角度で若者に学習的な内容を押し出していくか、とても参考になりました。
ちなみに、全体の目次的なものをあげれば、以下の通り。
第1回 正規雇用と生活できる賃金を求めることには道理がある
若い世代のたたかいの発展を願って
青年雇用の悪化は財界の金儲けのため
「青年いじめ」は社会こわし
第2回 人間を大切にする経済づくりを展望して
労働者と資本家には客観的な利害の対立が
資本主義の発展にはたたかいが不可欠
たたかいの力をひろげる
第2回の方が、理論的な内容に踏み込んだ部分です。そこでも、資本主義の仕組みを教科書的に説明するのでなく、長時間・過密労働、低賃金がなぜ押しつけられるのか、「財界いいなり」政治がなぜ生まれるのか、その根本には、資本主義の生産関係から生まれてくる労資の対立があり、それは誤解や思い込み、偶然ではないことが強調されています。さらに、2つめの見出しでは、労資関係のなかで資本家が優位に立っているにしても、労働者のたたかいは無力ではないことが明らかにされています。
そして結論部分では、雇用の悪化をめぐる若者のたたかいには、<1>若者自身の生活改善にかかせないだけでなく、<2>同時に、日本の社会と経済の民主的な発展に貢献する、など、たたかいの大義が骨太に明らかにされています。
最後に、「学ばない労働者が重大なたたかいに勝ったためしはありません」と学習の大切さが強調されていますが、なるほど、資本主義の矛盾、労資の対立がどこから生まれるかを理論的につかむことは大切だということが、論文そのものから分かりやすく伝わってくる内容です。
読み手にあわせた書き方の問題――と言ってしまえばそれまでですが、実際に、こういうふうに書くためには、やっぱり書き手の努力が欠かせません。毎日のように学習会の講師で東奔西走されている石川先生ならでは。大いに勉強させていただきます。m(_’_)m
おありがとうござ?い。